その1
同居、はじめちゃいました。ウフ。
同居、はじめちゃいました。ウフ。
ジョージ |
(髪を染めた西本を見て) なんなのその色。ばっかじゃないの。 |
── | 美容師さんの言われるがままなんです。 |
ジョージ |
ハァ‥‥人って、 行く所まで行くっていういい例よねぇ。 伊勢丹のコンテンツで鍛えすぎたかしら‥‥。 |
── | (笑)なんすか! ぼくの話はいいじゃないすか。 おひさしぶりです。 |
つねさん |
ウッス、こんちはー。 はじめましてー。 |
ジョージ |
なんなの、低い声出して。 いつもハイトーンボイスじゃないの。 |
つねさん |
喉の調子がよくないの。 |
── | それに「はじめまして」じゃないでしょう? |
つねさん |
テープ起こしの人とか、 初めて読む人とかに。 |
── | 細やかなお気遣い、ありがとうございます(笑)。 |
ジョージ |
久しぶりで緊張しているのよ。 |
── | そうなんですよね、久しぶりに、 つねさんにお目にかかりましたが、 「オースティン・パワーズ」の 悪い人みたいな感じになってますね。 |
ジョージ |
ドクター・イーブルね‥‥。 |
つねさん |
ちぇっ。 |
── | きょうは年末年始スペシャルということで、 「ジョージさんに教わるLGBT2014」的な。 |
ジョージ |
LGBT(笑)、そうなんだ。 |
── | LGBTって、何の略なんですか? レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル‥‥、 |
ジョージ |
トランスジェンダー。 |
── | その言葉はちゃんと 知っておいたほうがいいですよね、もう。 |
ジョージ |
日本の一般的なメディアでは あんまり聞かないのかもしれないけど、 アメリカのニュースサイトとかだとごく普通に、 「LGBT」ってカテゴリーがあって。 |
── | なるほど。いや、久しぶりに おいでいただいたのは、 わりと世の中が変わったのかもしれないなあと。 そういう実感が、ぼくにすらあるんです。 |
ジョージ |
変わったでしょ? |
── | そう思いました。 |
ジョージ |
何が変わったってね、 私たち、同居、始めましたから! |
── | えぇ? つねさんとジョージさんが? |
つねさん |
オホホホ。 |
ジョージ |
「オホホホ」って。 |
── | マダムか。 もうそれはあれっすよね、老後に備えて? |
ジョージ |
老後というか‥‥。 |
つねさん |
介護? もうなりゆきに任せてー。 |
ジョージ |
あなたちょっと黙ってて。 |
つねさん |
なんでえええ(笑)? |
ジョージ |
こういうふうに、放っておくと、 どこに行くかわからない人がいるわけよ。 そして私も、仕事がちょっと忙しくなって。 |
── | ジョージさんの仕事が忙しくなった。 |
ジョージ |
そう。かといって、 お手伝いさん雇うわけにもいかないの。 |
── | その文脈だと、同居の目的が‥‥。 |
ジョージ |
うちに、小動物もいるのね。 |
つねさん |
飼育員として住み込みでーす。 |
── | そうですね。ジョージさんは日本中を、 世界中を飛び回っていらっしゃいますから、 家を空ける期間も多いわけであって。 |
ジョージ |
それで、ずっと同居ってしてこなかったんだけど、 「たまにはどう?」みたいな。 半ば押しかけられたようなもんだわっ! そもそも、生まれて初めてなのよ?! 同居。 |
つねさん |
はい。 |
── | 何度も聞いたことあるんですよ、 「お2人は同居なさらないんですか?」って。 そうしたら、「うーん‥‥」とあいまいなお返事で。 あんまり明確に理由は語らなかったですよね。 同居はしないで、 「それぞれが自立した2人でありたい」 というような姿勢でいらしたはず。 お2人がお付き合い始めたくらいから、 見てますけれど。 |
つねさん |
あぁ、そうか! 西本さんがジョージさんの生みの親みたいなもので。 |
── | ラジオというか音声中継に登場いただいたんです。 フィギュアスケートの副音声解説で、 「どうやってお呼びすればよろしいんでしょうか?」。 すると「ジョージがいいわ」って。 |
つねさん |
適当につけたの。 当時は、クルーニーじゃなくって、 マイケルだったよね。 |
ジョージ |
そう、ジョージ・マイケルだった。 |
── | クルーニーはまだそれほどスターじゃなく、 マイケルがカッコよかった時代なんですよ。 『Faith』の残り香があったんですよね。 |
つねさん |
まだ捕まってなかった? |
ジョージ |
公園で男の子をあさってるっていうのが バレてない時代よね。 で、断じて言うけど、 ボーイ・ジョージでもなかったわけ。 |
── | あのころボーイ・ジョージと言うと、 オバケのQ太郎みたいな。 それも、西川のりおさんがやる 「叔母Q」みたいな。 |
つねさん |
あれ、リアルで見たもんね、オバQ。 |
ジョージ |
ニューヨークでね。 |
つねさん |
ニューヨークでミュージカル観て。 |
ジョージ |
『TABOO』っていうミュージカルやってて、 これがボーイ・ジョージの出世物語だったんだけど、 それに出てきたボーイ・ジョージ本人が、 まぁ風船みたいな。 |
つねさん |
でも、自分役じゃないんだよね(笑)。 |
ジョージ |
そう、自分役はかわいい男の子を据えてね。 |
── | それが今や、 |
ジョージ |
今や! |
つねさん |
またカッコいい。 |
ジョージ |
そう。まるでしりあがり先生が描きそうな造形でしょ? |
── | 本当ですね、お美しい。 |
つねさん |
でも、目がうつろ。 |
── | これ、フォトショップでいじったってことじゃなくて、 きれいになられたってことでしょう? |
ジョージ |
なったの! なったのよ。時代はもう。 |
── | だから、この10年で、そんなふうに、ゲイの世界も。 |
ジョージ |
変わったんですよねぇ! |
── | ジョージさんに教わってきて、もうこの10年で、 ボク、あれですよ、ただののんきな男の子から、 もうゲイセンサーがビンビンですよ。 すぐわかるようになりました。 「あ、あのふたりはそうだ!」と。 |
つねさん |
ひよこの鑑定士みたいに。 |
ジョージ |
渋柿があって、甘ぁい柿と一緒にしておくと、 甘くなっていくような感じ? |
── | 追熟されて(笑)。 |
ジョージ |
オカマの毒が中に染み込んで、 渋が上手に取れましたっていう状態よ。 ねぇ、にしもっちゃんはストレートなのに どこで「この人、ゲイ?」って思うの? どこ? どこ? どこ? どこ? センサー的には? |
── | センサー的には、まずあれですよ、 髪、髭、モミアゲあたりのきれいさですよ。 |
ジョージ |
ピーンってくるのね。 ‥‥でもこの人(つねさん)、 そういう要素がないじゃない? |
つねさん |
どっちもなーい。 |
── | ちょっとつねさんは例外ですね。 つねさんを除いて言うと、 最近、髭の人は増えているけど、 みなさんは「きれい」なんですよ。 |
ジョージ |
きれいっていってもね、 きれいすぎると、これまた違うのよ。 |
── | ダリみたいになっちゃうのは違いますよね(笑)。 |
ジョージ |
(笑)きれいな髭や髪って言ったら、 EXILEはどうなの? |
── | ああ、あの人たちはゲイ的な雰囲気ないですよね! |
ジョージ |
ないでしょ? メンディーは人気があるけど、ちがうものね。 |
── | EXILEには「いない」感じがするんですよねえ。 ああいうキャラクター設定の中には、ってことですが。 |
(本題になかなか入りませんね! つづきまーす。) |
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2014-12-30-TUE |