ジョージ |
でもさ、私たちの「ゴージャスな生き方」って
どういう生き方なんだろう?
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ノリスケ |
生き方としては、
裕次郎みたいなのがゴージャスよね。
でも、現実的にその生き方を目標にはしてないわ。
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ツネさん |
モトが違うもん。
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ノリスケ |
僕はそこそこのものを望んでいるのよ。
ちっとも贅沢じゃないわ。
好きなときに海外旅行に行けたり……
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ツネさん |
好きなものが買えてね。
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ノリスケ |
そうそうそう。
可処分所得を使いきるのよ!
誰にも残すアテはないしね。
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ジョージ |
そしたら案外、自分が稼いだものを
誰かに引き渡そうとか思っている人は
ゴージャスな人生送れないのかもしれないわね。
自分の子供たちのことを考えたら、
たとえば、僕が一生かかって
5億円の金を稼ぐとするじゃない。
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ノリスケ |
あらあんたそんなに稼ぐの?
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ジョージ |
たとえ話してるのよ!
でね、その5億円の中から、
子供たちにいくら渡してやれるんだろうって
ことをお父さんだったら一生懸命考えるわけよね。
お母さんも、お父さんが稼いだお金を搾取しつつ、
その中からどれだけ可愛い息子に、
教育をほどこしてやったり、
家を残してやったりって考えるわけでしょ?
そうすると、「ゴージャス」はぜったい、ない。
小林旭にしても、美空ひばりにしても、
石原裕次郎にしても、
もう次の人間のことはどうでもいいわけよ。
「いいじゃーん。僕一人で人生終わるんだから」
って。
そうすると、一生かかって稼いだ5億円を
まるまる使って死ねるから、
その人なりの考えられるゴージャスが
できるのよね。
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ノリスケ |
そうよねえ……
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ジョージ |
ツネさんってさ、いまゴージャスな人生よねえ。
あとさき考えず。
「G4CUBE」が出たといえば、買ってさ。
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ツネさん |
だって仕事で使うんだもーん。
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ジョージ |
「シネマ・ディスプレイ」がいいといえば、
それを買い。
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ノリスケ |
えっ? 信じられない! 45万よ!
あんたさっき「買いたいもの買えない」って!
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ジョージ |
ウソなのよー、それ。
しかも、今度プリンターまで買おうとしてるのよ。
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ツネさん |
だって今度仕事で使うんだもん。
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ジョージ |
ちょっと、どんどんこき使ってやってよ!
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ノリスケ |
任せといて! 働かせるわ!
でもね、ツネさん、いっぱいモノを
買ったりすればゴージャスってわけじゃないのよ。
アクセサリーぎらぎらは、
ゴージャスじゃないでしょ。
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ジョージ |
品格の問題よね。
たとえば街でいうと、大阪っていうのは、
世界で一番ゴージャスが似合わない街よね。
ギンギラギンではあるんだけど(笑)。
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ツネさん |
派手とゴージャスは違うわけでしょ?
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ジョージ |
違うわね。
ちょうど、おととい大阪に泊ったの。
まあ、一応いま大阪で
高級と言われているところだったの。
そのフロアは会員制で、
専用のチェックインカウンターっていうのが
あって、お茶の時間にはお茶がただで飲めて、
朝食もちゃんとあてがわれて・・・
そういうホテルのそういうフロアに泊るのは
ゴージャスかもしれないんだけど、
翌朝、チェックアウトしようと思って
そのクラブハウスに行きました。
すると、テーブルいっぱいに
パンだとか、みそ汁だとか、山盛りにして
ガツガツ食っているババアと
ババアの娘と思われる女と
そのババアの娘の子供だと思われる子がいたの!
音立ててガツガツよ!
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ノリスケ |
下品! 代々下品!
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ジョージ |
それって素晴らしくゴージャスじゃないよね。
“ゴージャスな空間の
反ゴージャスな要素”っていうの?
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ノリスケ |
ゴージャスなところへ行けば、
ゴージャスになれるかってそうじゃないのにね。
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ジョージ |
ゴージャスなところであるが故に、
逆にゴージャスじゃなさが際立つってことは
けっこうある。
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ノリスケ |
ワタシね、「細雪」の世界はゴージャスで
あこがれる。
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ジョージ |
あの時代はね。
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ツネさん |
やっぱり時代っていうのもあるのかも。
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ジョージ |
「細雪」ねえー。
うちの母も「細雪」の世界に
すごい憧れてたのよ。
「細雪」の中で、娘さんに母親と4人で着物を着て
写真屋さんで写真を撮ってもらうシーンがあるの。
母が冬の着物、そんで長女から
春夏秋っていうふうに、
おんなじ友禅なんだけど織りが違う、
っていうのがあったのね。
うちの母親はそれを読んで、
うちの親父と結婚し、一時期は極めたわけ。
加賀友禅にお願いして、
細雪とおんなじ絵柄のヤツを4棹作ったの。
自分が冬の着物を取り、
僕の下には2人妹がいるんだけど、
長女は春をあてがい、
次女に夏を着せて、僕に嫁さんが来たら
秋を着るように、っていうんで、僕が結婚したら
4人で写真を撮るっていうのを
すっごい心待ちにしてたの!
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ノリスケ |
できないじゃないの。
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ジョージ |
そうなのよ。
そんで、僕はカミングアウトしましょう、って、
母にも父にも事実を言ったのね。
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ノリスケ |
へえー。カミングアウトしたんだー。
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ジョージ |
そしたらよ! 親父もおふくろも第一声が
「そうじゃないかと思ってた」
って(笑)!!! でね、
しばらくしてから、母がボソッと
「まさか、あんたに着物着せるわけには
いかないもんねえ・・・」
って言うのよおー(笑)。
そんで形見分けの話になって、妹2人呼んで、
長女には冬の着物を、次女には秋の着物を
あげることにして
「お兄ちゃんは、こういうわけなんだから、
あんたたち2人で分けなさい」
だって(笑)。
それはそれで、なんか悲しかったわ。
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ノリスケ |
ははははははっ
ゴージャスな話よ、それ!
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ツネさん |
お母さんの話だったら、ほら、
あれもあるじゃない。
発表会の・・・・
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ジョージ |
ああー。
うちの母は、
いまジャズを一生懸命がんばっていて・・・
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ノリスケ |
ジャズの何をやっているの?
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ジョージ |
ボーカル。
で、だいたい年に2回くらい
リサイタルをするのよ。
最初は六本木あたりの小さなライブハウス
だったんだけど、
今年はじめてシアターサンモールに
進出しまして・・・
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ノリスケ |
なんでシアターサンモールなの?(笑)
ワハハの梅ちゃんがやるとこじゃないの!
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ジョージ |
僕もなんでいきなりサンモール?
って思ったんだけど、
とにかくシアターサンモールでやりまして、
それで、ワタシに切符売ってこいって言うのよ。
割当100枚! 3500円の。
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ノリスケ |
リサイタルは1人で?
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ジョージ |
1人よ。リサイタルだもの。
で、自分1人じゃもたないから、
一緒にレッスンを受けている友達を連れてきて、
前座で歌わせるの。
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ノリスケ |
前座までつけて!(笑)
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ツネさん |
しかも、ちゃんとお抱えのバックバンドが
いるのよ!
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ノリスケ |
それはいったいどういう暮らしなの!?
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ジョージ |
問題よねえ、あの人。
でも、うちの母のふだん着なんか見たら、
ツネさんきっと心変わりしちゃうわ。
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ツネさん |
一度見たことあるよ。
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ジョージ |
どこで見たっけ?
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ツネさん |
車に乗ってたとき。
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ノリスケ |
彼を、紹介はしてないの?
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ツネさん |
日陰の身なの(笑)!
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ジョージ |
でも、うちの母は、僕が
こういうの(くまひげ)が好きなのは知ってるの。
ここまでデブだとは思ってないかもしれないけど、
クマさんぽいのが好きだと知ってるんで、
ハワイとか一緒に行くと、
ショッピングセンターとか歩いているとき、
クマさん系が通るたびに、
「あんた、イケルでしょ〜、
あんた、イケルでしょ〜」
って連発するの(笑)!
もぉ!!!
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ノリスケ |
やだ、そんなお母さん〜〜。
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ジョージ |
1回なんて、説教されたもん。
「あんた男が好きなのはかまわないけど、
どうせ好きになるなら、
あんなクマ系じゃなくて
もっと可愛い子好きになりなさい」
って(笑)。
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ノリスケ |
自分の好みで言ってるのね(笑)。
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ジョージ |
「ワタシならこんなのがいいわ」とか言うの。
みーんなジャニ系なの。
そんで、僕が、誰かのことをいいと言うと、
「ワタシ、ヤダわ!」
って、だからあんたの好みはどうでもいいって、
って感じ(笑)。
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ツネさん |
でも、お母さんはジョージみたいなのと
結婚してるじゃない。
毛深くって・・・・(笑)
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ジョージ |
ああ、うちの父?
「騙された」って言ってるわよ。
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ノリスケ |
やーん、じゃ、あたしがもらうわよ!
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ジョージ |
お父様!!(笑)
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