ノリスケ |
デートって、どう? デート、してる?
してるよねー、そりゃ。 |
つねさん |
お出かけイコール、デートだよね、たいがい。 |
ノリスケ |
お出かけについて、みんなどうしてるのかな?
って、知りたいの。 |
ジョージ |
お約束。アポイントメントじゃないのよね? |
ノリスケ |
ちがう。たとえば、休日がありました、
っていったら、どうしてるの? |
ジョージ |
いっしょにいるよ。 |
つねさん |
いっしょにいて、映画行って、ご飯食べて、
ご飯作って、テレビ見て・・・そんな感じ? |
ジョージ |
でも、デートじゃないよね、それ。 |
ノリスケ |
日常的な、わりと、こう・・・ |
つねさん |
すごい、日常的だよねー。 |
ノリスケ |
そっかー。 |
つねさん |
いっしょにいるのが、僕、好き。 |
ジョージ |
だって、1週間、3、4日いっしょにいるんだよ。
一緒に住んでるわけじゃないのに。 |
ノリスケ |
僕も、わりとそういうタイプだよ。 |
ジョージ |
だからデートらしいデートって言われても。
(考えている) |
つねさん |
たとえば、ちょっと遠出するとかっていうのも
いいけど、なんか、ブラブラするのも、
大切にしてる。 |
ジョージ |
わかった! デートって、あれだよ。
お外で会って、そのまま別れる。
どっちかの家に行ったら、デートじゃないの!
どっちかの家に行ったら、
“待ち合わせ”なんだよ。 |
つねさん |
あ、鋭いね。 |
ジョージ |
やった! |
ノリスケ |
定義できた。 |
ジョージ |
だから、お外でエッチをしたら、デート。
お家でエッチしたら、デートじゃないもんね、
ほら。 |
ノリスケ |
そうだそうだ。 |
つねさん |
そうだよ。あ、ホテルでエッチしても、デートだ。 |
ノリスケ |
デート、デート。 |
ジョージ |
だけど、ホテルの帰りに、
どっちかの家に寄ったら・・・ |
つねさん |
デートじゃなくなるんだね? |
ジョージ |
でも、デートだなぁ。 |
つねさん |
え? それは、デートなの? |
ジョージ |
でも、基本的には、お外で会って、お外で別れる。 |
ノリスケ |
ってことは、ぼくら、あんまり
デートって、ないね。 |
つねさん |
そういう意味でいったら、ないね。 |
ジョージ |
だから、ほとんどが不倫なのよね。
不倫ってみんなデートだもん。
で、不倫の相手を、自分ちに連れ込んだら、
デートじゃなくなるのよ。感覚的にいっても。 |
つねさん |
でも、友だちとだったら、
デートじゃないんでしょう? |
ノリスケ |
や、はなしがややこしくなったなあ。 |
ジョージ |
友だちとって? |
ジョージ |
いや、ごめん、友だちとは、
恋愛感情じゃないから、
デートじゃないんだよね。 |
ジョージ |
そうすると、愛のある二人が、お外で会って、
お外で別れることが、デート? |
つねさん |
でも、不倫って、愛ある? |
ジョージ |
愛あるんじゃない? |
ノリスケ |
それ、愛だけがある、って世界じゃない? |
ジョージ |
そう! |
つねさん |
欲じゃなくって?
セックスフレンドと不倫は、また別だ。 |
ノリスケ |
あ、違うでしょ。
不倫のほうは、“情”(じょう)でしょう? |
つねさん |
情があるよねー。そうだよね。
セックスフレンドって、“情”ないよね。 |
ノリスケ |
もう言葉からして軽いもんね。
やっぱ情がないと。
情を交わす、だから。情交だから。 |
ジョージ |
それじゃあねえ、デートの定義。
「それが実行に移されるかどうかは
わからないけども、
セックスをしてもいい相手」と、
お外で会って、お外で別れること。 |
ノリスケ |
それが、デートだ。 |
ジョージ |
ねっ。 |
ノリスケ |
じゃーさー、わりとさ、デートは少ないけど、
家に行ったりして、いっしょに過ごすことが
多いわけじゃない? そうするとさ、二人の場合
いっしょに住むっていうようなこと、考えられる? |
ジョージ |
いっしょに住んでも、べつに構わないかなー、
と思うよ。ただ、いっしょに住むことよりも、
別々に住んでるほうが、まだ自然だから、
別々に住んでるだけかな。 |
つねさん |
いっしょに住むのが自然になったら、
それはそれで、いーのかなー、とも思うし。
でも、あんまり、なんかこう、
いっしょに住んだら、めんどくさいこととか、
出てくるよ。 |
ジョージ |
犬飼いたいなー、って思ってるんだけど、
僕ねー、出張多いでしょう?
で、この人は、出張ないでしょ?
ほんとに犬飼うとしたら、この人といっしょに
暮らさないといけないのかなー、と思うよ。 |
つねさん |
ワンワン? |
ジョージ |
ブルブル。 |
ノリスケ |
…………。
今までで、いちばんみじめなデートって
どういうの? |
ジョージ |
僕、なんだろう?・・・デート。
お見合い。あ、お見合いは、違うか。 |
ノリスケ |
お見合い、したの?
あ、えーと、これお読みになってるみなさんが
わからないといけないから説明すると、
二丁目でバーのママなんかが
仲を取り持って、会わせてくれることを
“お見合い”っていいまーす。 |
ジョージ |
ほんとのお見合いよ。
けっこう昔、よくしてたよー、ほんとのお見合い。 |
ノリスケ |
ほんとのお見合いか。 |
ジョージ |
親にまだ、言ってなかったころって、
ほんとによくお見合いしてた。
んで、親にカミングアウトしたあとで、
1回お見合いしたことあんの。 |
ノリスケ |
なんで、また? |
ジョージ |
前からそのお見合いの予定が入ってて、
止められなかったの。
とりあえず会うだけ会って、っていわれて。
んで、もー、うちのお袋ったら
「あなた、お見合い、ほんとー、ごめんなさいね、
したくないんだろうけど。
振り袖、着てくかい?」
って言うのよー。 |
つねさん |
うくくくくく(笑)。 |
ジョージ |
「いや、それは、いいっ!」
「そうよねー」
とかって言って。
それでお見合い場所に行きました。
だけど話してたら、むこうもぜんぜん
結婚する気ないの、みえみえなんだよ。
なげやりで。だって、和食のお店行って
会席料理食べながら、女いきなり足くずすわ、
小皿を、箸で持って、こうやって引くんだよ
(寄せ箸)。
あー、この女、ぜーったい嫌われたがってる、
って思って。んで、もう、間に立ってくれた
仲人さんなんてさー、汗タラタラなわけじゃん?
んで、いろいろ気つかってくれて、
女の人に、あのー、なにかご趣味はございます?
っていうの。そしたら、その子が、
「おとこ」
って言ったんだよ。そしたら!! お袋が、
「あら、あんたとおんなじじゃない?」
っつって、終わり! |
ノリスケ |
いやーん! ステキ。 |
ジョージ |
いやーー、素敵だったぁーー、
あれは、すっごい素敵だった。 |
つねさん |
ぬーっはっはっはっはっは。 |
ノリスケ |
それ、ほんとの話なの? |
ジョージ |
でもね、そこね、
うちの会社の取引先だったからからねー。 |
ノリスケ |
そのあとどうなったの!?(笑) |
ジョージ |
今でも、しっかり取引あるよ。
でもねー、偉いなー、と思ったよ、その女の子。 |
ノリスケ |
かっこいいねー、なんか、いっそね。 |
ジョージ |
それ、最高だよね。で、「おとこ」って
言ったとたんに、むこうのお母さんが、
泣くんだよ、オーイオイオイ、
申し訳ありませんっっっ、って。 |
つねさん |
(笑)すごい、なんか、おかしー。 |
ジョージ |
そしたらお袋が、
「いいのよー、いんですよ、いんですよ、
この子と同じだから、ねー、あんた?」
とかっていうの。
はぁーーー、すんげーー、こりゃ修羅場だぞー、
とかって。しゅらしゅしゅしゅ、だよ。 |
つねさん |
あんた、多いよねー、
しゅらしゅしゅしゅ。 |
ジョージ |
うん。でもね、むこうのお母さんから、あとで、
「庇っていただいて、もう、感謝いたします」
って言われたんだ。
お袋が、ほんとのこと言っただけなのに、
感謝されちゃったわよ、あなた。 |
つねさん |
わはははは。 |
ノリスケ |
正直って、大事! |
ジョージ |
でも(お袋に)一生根にもってやるわ、
そのことは。 |
ノリスケ |
なーんで、そんなドラマみたいなことが、
いっぱい起きてるの? |
つねさん |
ねー、こうやってないよねー、あんまり。 |
ジョージ |
感動的だから。なんだっけ?
人生は感動の・・・ |
つねさん |
・・・連続だ、って? |
ジョージ |
そう。うちのお父さんが、いつも色紙に書くの。 |
ノリスケ |
あんたんちは、そうでしょうよ……。
(つづく)
|