ノリスケ |
ねえ、こないだ
人間ドック行ったんでしょう? |
つねさん |
あー、そーねー。 |
ノリスケ |
どうだったの? |
つねさん |
もう、とってもー、健康不良児。 |
ジョージ |
この人ね、検査結果表が、
△、△、×、△、×、×、△、
みたいな感じなのよ。 |
ノリスケ |
どこらへんが? |
ジョージ |
循環器系。 |
つねさん |
循環器系だねー、やっぱねー。 |
ジョージ |
血が汚れていて、
血の中に脂がいっぱい浮遊してて、
それ処理するための肝臓が傷んでて、
そろそろ腎臓までやってきそうな、感じ? |
つねさん |
心臓もちょっと危なかったよねー。 |
ジョージ |
心臓の周り、脂ついてる。 |
ノリスケ |
それは・・・いくら無頼派を気取ってる
あなたでも、よくないと思うよ。 |
ジョージ |
うん、だめねー。だめ。 |
つねさん |
だから、ちょっと
頑張んなきゃいけないかなー。
とりあえずは、今、すこーし運動を、
もちょっと、心掛けようかなーと思って、
多分ここまで太っちゃったら、
無理矢理やったら、足痛めたりとか絶対するからー。 |
ジョージ |
僕ね、4年前に、今の先生に
担当してもらうようになって。
そんときに、すっごい検査受けたの。
で、わりとね、検査上がってきて、
あ、見た目以上にいいですよ、
って言われたのね。言われたんだけど、
そのー、こういう職業やってるからー、
(註:経営者です)
食べるの制限するのが難しくって、
とかって、いろいろ言い訳したんだよ。 |
ノリスケ |
つきあいもあるしね。 |
ジョージ |
うん。そしたら、その言い訳、
ぜんぜん聞いちゃないの。その女。
女医なんだけどね。で、聞かないで、
なんか、検査紙の裏っかわに、
おっきー文字書いてんだよ。
で、喋り終わったら、
「それでいんですか?
もう言い終わりましたか?
わかりました。ハイハイ」
って言いながら、その紙を、
こやって見せて、
「読んで下さい」って言うの。 |
ノリスケ |
なんて? |
ジョージ |
でっかい字で、
肥満、って書いてあんの。 |
つねさん |
ヌハハハハハ。 |
ノリスケ |
いい先生だなー、それー。 |
ジョージ |
そう。でね、こういうの。
「いろいろ数値が正常値って、
安心しちゃだめなんです。
太ってるっていうのは、
最高の病気なんですよ。
痩せ方教えてあげます」
簡単だから、って。
「まず、お料理が出てきたら、
お箸を持って、
いただきます、ってお辞儀をして、
ひとくちだけ食べなさい。
食べたらお箸を置いて、
両手をテーブルの上に置いて、
口をモグモグモグモグ動かして、
口の中のものが無くなるまで噛みなさい。
噛み終わったら初めて、
またお箸を持って、
いただきます、って言って
次のお料理を一口だけ口の中に入れて、
同じことを繰り返しなさい。
出来ますか?」
って言われたから、
「出来ません」
って言ったら、
「じゃあ、死んでしまいなさい」
って言われた。 |
ノリスケ |
ワハハハハハハ。 |
つねさん |
それ、素敵な先生だよねー。 |
ジョージ |
そう。 |
ノリスケ |
ビッチだけど、いいじゃない? |
つねさん |
そう、ビッチだよー。 |
ジョージ |
だからね、大食いよりも、
早食いの方がダメだって。
そうすっと、僕だめなんだよ。
早食いだから。 |
ノリスケ |
早食いだー。 |
ジョージ |
でね、考えてみたら、
大昔は、僕、早食いじゃなかったの。 |
つねさん |
ふーん。太りだしてから? |
ジョージ |
太りだしてから、早食いになった。
早く食うから大食いになっちゃってー、
消化も悪くってー、ダメなんだろうね。 |
ノリスケ |
あー。 |
ジョージ |
で、ゆっくり食えば、
たくさん食べても、
そんなに太んないんじゃないかな、
と思うけど・・・ |
ノリスケ |
うん、正しいねえ。 |
ジョージ |
だけどねー、美味しいものってねー、
ゆっくり食べてたら、美味しくなくなるの。 |
つねさん |
冷めちゃうしねー。 |
ジョージ |
フカヒレなんか、あつあつのが、
グチュグチュグチュグチュ出てきたら、
多分、ハフッハフッてすぐ食べないと、
美味しくなくなるからねぇ。 |
つねさん |
そうだよねー。 |
ジョージ |
それはーちょっと、ね。
蕎麦なんか、そんな、
口ン中入れてモグモグやってたらね・・・ |
ノリスケ |
そーんな、とんでもない。
噛んでる暇なんかないよ。 |
ジョージ |
命を賭けて、がんばんなきゃいけないことが、
いっぱいあるのねえ。
(つづきます)
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