ジョージ |
トム・フォードはね、
GUCCIのデザイナー。 |
ジョージ |
だって、彼氏連れて、出張するんだよ。 |
ノリスケ |
素敵じゃなーい!? |
ジョージ |
コレクションに出かけるときには、
必ず彼氏連れなの。
でね、トム・フォードってね、
凄いのが、カミング・アウトしてないの。 |
ノリスケ |
ええええ? |
ジョージ |
自分はゲイだとは言ってないけども、
ボーイ・フレンドがいる、
って言ってるの。これ、凄いでしょう? |
つねさん |
それでさー、あの広告でしょう?
あれ、GUCCIじゃなかったっけ?
勃ってるの。 |
ジョージ |
そー。 |
ノリスケ |
え? 何それ。 |
つねさん |
普通の雑誌広告ので、
モデルの黒人のが! |
ノリスケ |
ま、大っ変。 |
ジョージ |
そういう男なのよ、トム・フォードは。
でもね、トム・フォードは気になるけど、
アレキサンダー・マックイーンは
トム・フォードほどは、気にならない。
彼はイギリスのパンク系のデザイナーで、
ちょっとデブなの。 |
つねさん |
あー、ちょっと凄いお姉ーさんじゃなーい? |
ジョージ |
違うよ、違うよ。
それは多分ジョン・ガリアーノを思ってるでしょ。
アレキサンダー・マックイーンは
可愛いんだよっ。
ファッション・ショーの一番最後に、
ブルテリアを抱いてー、出てくるの! |
つねさん |
あんた的に、すごい好きでしょー? |
ジョージ |
けっこー、羨ましい系なんだけどー。
でもね、トム・フォードのほうが、
なんで気になるか、っていうと、
いけてるんだよね、今。勢いがあるの。
トム・フォードはGUCCIのデザイナーなんだけど、
GAPは一回もデザインしてないはずなのに、
GAPはトム・フォードのデザインなのよ。 |
ノリスケ |
えー? そーなのー? えー? なにー?
どういう意味ー? |
ジョージ |
というか、トム・フォードが、
コレクションの最後とか、
普段着で出てくるじゃない? |
ノリスケ |
うん。 |
ジョージ |
で、その格好が、
GAPの格好なの。 |
ノリスケ |
あー・・・ |
ジョージ |
多分、GAPの洋服をデザインしてる
若い子たちにとっての、イコンっていうのは、
トム・フォードなんだろうなー、と思うんだー。 |
ノリスケ |
GAPって、百人くらいの
ゲイ・デザイナー・チームがあるんですって? |
ジョージ |
そうそうそうそう。それで、彼らも、
無から有を生んでるわけじゃないわけじゃない?
無から有を生むことが出来るのは、
世の中の一握りのデザイナーであって。 |
ノリスケ |
そうねー。 |
ジョージ |
でー、普通のデザイン・チームの
人たちっていうのは、
何かを、見ながら作るんだよね。 |
ノリスケ |
そうね。 |
ジョージ |
で、それが、
洋服だけ見てるわけじゃないわけじゃない? |
ノリスケ |
そうだよね、そうだよね。 |
ジョージ |
んで、その中に入っている人の、
生き方とか価値観とか生活とかも含めて、
多分、なんかお手本を探してたわけで、
そんなかでトム・フォードっていうのは、
スコーンと入ったんだろうな、と思うんだ。 |
ノリスケ |
あー。 |
ジョージ |
あの、黒でピタピタでー、
脚が長いわけでなくって、
でも、腰が妙に色っぽくってー、
でも、ナヨナヨしてるわけじゃ
ないんだけども、エレガント。 |
ノリスケ |
んー、望むところだな。 |
ジョージ |
マッチョとエレガンスが、融合してるの。 |
つねさん |
凄いね。 |
ジョージ |
んー、そういうんだと思う。
んで、たとえば「ファッション通信」みてても、
今から10年ぐらい前まで、
ジョルジオ・アルマーニが出てきたら、
ドキドキしたんだよ。かっこよかったの。 |
ノリスケ |
おー、10年前はねー。 |
ジョージ |
白髪でおじいちゃんなのにー、
メイク・アップされてて。 |
つねさん |
そーね。シンプルで。 |
ジョージ |
いつも黒のTシャツ着てて。 |
ノリスケ |
ピチピチのね。 |
ジョージ |
かっこよかったのよ。でも最近は、
オッパイ垂れて来たんだよね、あの人。 |
つねさん |
あー、そーなんだー、やっぱり歳が・・・ |
ジョージ |
もう、辞めればいいのにー、ってー。 |
ノリスケ |
だったら、着るもの変えればいいのにねー。 |
ジョージ |
そー。それで、彼ひとりならば、
べつにその痛々しさも
感じなかったんだろうけども、
トム・フォードが出てきてしまったから。
あー、かっこいい、
やっぱりこれだったんだ、って思うよね。 |
つねさん |
あー、そーなのかなー? |
ジョージ |
そういう意味で僕、
トム・フォードは、挙げたいですっ! |
ノリスケ |
ランク・イン。
(つづきます) |