ノリスケ |
小学校のとき初体験したの?
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ジョージ |
初体験。家庭教師。
しかも自分の部屋だよ。
自分の部屋ッ。
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つねさん |
それでねー、先生にねー、
「おまえが誘ったんだ」
って言われたんだって。
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ノリスケ |
‘風と木の詩’みたいな話・・・。
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つねさん |
ジルベール、って。
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ジョージ |
僕はー、誘われたつもりだったんだけどー、
先生に言わせると、誘ったんだって。
お前の目が誘ってたって。
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つねさん |
その先生、ロリコンだったの? そんなことない?
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ジョージ |
だって、そん時、もう生えてたもん。
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ノリスケ |
5年生とか、6年生?
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ジョージ |
ねー。
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つねさん |
5年くらいじゃないの? 4年?
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ジョージ |
4年の終わり。Soon I will be five.
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つねさん |
いたよね、クラスに1人くらい。
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ノリスケ |
いないわよっ。
それにしても・・・
香ばしいエピソードですね。
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ジョージ |
香ばしいよねー。
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つねさん |
まったくー。
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ジョージ |
なんか、very hot な感じ。
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つねさん |
習い事ね、あと、バイオリンしたかった。
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ジョージ |
僕、お琴やりたかった。
お琴とー、お茶。
お茶はねー、ちょっとやったの。
家のおばあさんが、名取りさんだったから、
お茶、ちょっとやった。
あと、三味線やりたかった。
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ノリスケ |
お茶とかって、何歳くらい?
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ジョージ |
中学校の始めくらいだよ。
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ノリスケ |
まわりからは、浮いてた?
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ジョージ |
っていうかねー、僕の、
母親のお母さんっていうのが、
日舞の先生だったの。
その人は、香川県に住んでたんだけど。
たまに、夏休みとか、
田舎に預けられるわけじゃん?
で、田舎に預けられたら、
男の子っていうのは、
みんなカブトムシを捕りに行ったりとかするの。
んで、そのおばあさんっていうのが、
リュウマチを患ってて、
座敷にしかいることが出来ない人だったんだよ。
で、僕、お外遊び好きじゃなかったから、
おばあちゃんと、いっつも一緒にね、
遊んでて。そうすると、じゃあ、
踊りでも踊ってみるかい? って言われて。
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ノリスケ |
名取りさんだからね。
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ジョージ |
そう。最初はね、
股旅三度笠とかみたいなやつをやってたんだよ。
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ノリスケ |
男踊りだ。
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ジョージ |
そう。だけど、可愛い、と。
とてもこの子は可愛いって。
で、ちょっとお化粧でもしてみよう。
おべべでも着せてみよう・・・
すーんごい、男踊りより、そっちの方が・・・
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ノリスケ |
女形かい。
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ジョージ |
そう、なんか、ぴったりするんだよ。
もう、その年齢にして。
裾さばきといい、足さばきといい。
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つねさん |
子供だし。
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ジョージ |
そう。
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ノリスケ |
人が見ても、自分でも。
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ジョージ |
そう。んで、もうね、
「藤娘」が踊りたくて仕方がなくて。
教えてもらって。
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ノリスケ |
また、難しいところを。
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ジョージ |
それで、夏休みが終りかけて、
家のお母さんが迎えに来ました。
そしたら、おばあちゃんが、
この子は踊りがほんとに上手になった、
おまえ、見ていくかい? っていって、
やんなきゃいいのに、「藤娘」やったの。
そしたら、
「あーんた、二度とこんなこと
するんじゃありません!」って。
僕って一貫して手弱女(たおやめ)系ね。
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ノリスケ |
手弱女系ね。
益荒男(ますらお)系じゃないんだ。
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ジョージ |
だって、益荒男系お稽古ごとって、
汗流したら終わりだもんッ。
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つねさん |
俺は益荒男系だったけど。
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ノリスケ |
「オレ」てどの口が言うのよ。
でも、たしか、剣道だったよね。
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つねさん |
そう。
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ジョージ |
そういうの大っきらいだった。
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つねさん |
うちの従兄弟っていうのが、
親父の兄さんの息子なのね。
そしたら、対抗意識ものすごい強くてー、
同じ剣道やらされるんだけど、
道場は別なんだよ。
だから、対決しなくちゃいけないのー。
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ノリスケ |
べつべつに特訓させて・・・
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つねさん |
そうそう、一勝一敗一引分だったよ、
公式試合では。
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ノリスケ |
やじゃなかった?
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つねさん |
すーんごい、やだった。
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ノリスケ |
オトナになると、鑑賞物としてさ、
益荒男系習い事って、
ちょっとセクシーかなとも思うけど、
子供の頃は、ただただ、や、よね。
そういうものからひたすら逃げたいと
ずーっと思ってたから。
僕、自分からやりたいって言って
やったのって、英会話だけだなー。
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ジョージ |
英会話もそうだけど、
大人になってからの習い事っていうのは、
OLの特権なのよ。
僕たち、なんか、OLなの。
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ノリスケ |
じゃあ、僕は小学校のときから
OLだったのねー。
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つねさん |
そ、確かに、OLだなー、と思うよ。
やってることが。
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ジョージ |
NHK教育テレビ、大好きだしね。
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つねさん |
好きだよねー。
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ジョージ |
あれのねー、なんか手芸だとかね、
お料理だとかね。
あれって、基本的に、習い事じゃん?
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ノリスケ |
そうだよね。
なにかの特権的なものだった習い事をさー、
広くしたのって、教育テレビなんだね。
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ジョージ |
そう。そうだよ。
教育テレビって習い事チャンネルだもん。
英会話があって、スペイン語もあって。
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ノリスケ |
誰でも、広く、平等に、学べるような、
企画を出してるわけだ。
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ジョージ |
不思議なのは、
NHK教育は十分な成功を収めていて
楽しいのに、放送大学はつまんないの。
だから、学問じゃないんだよね。
習い事と、学問は、違うんだよ。
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ノリスケ |
教育テレビって
エンターテインメントも入ってるよね。
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つねさん |
あー、そーねー。
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ジョージ |
入ってる。
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ノリスケ |
ショー・アップしたりさ。
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(つづきます)