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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

パーティは女の戦場 その2
武器を持つのよ!

ジョージ さて、人はなぜパーティを開くのでしょう。
宴会じゃないのよ、
ホストとホステスがいる、パーティよ。
ノリスケ 自分が所属するクラスの確認をする、
みたいなこと?
ジョージ うん、それも、ある意味、
ひとつあるかも知れないな。
だけど、例えば、
サプライズ・パーティとかっていうのが、
たまにあって、
自分の友だちの友だちの友だちとかっていうのを、
連れてきてもらうための
パーティっていうのがあるんだよね。
そすっと、違う価値観の人たちが
集まってくるわけで、
基本的に「出合いの場の提供」なの。
ノリスケ うん、うんうん。
つねさん んあー。
ジョージ 例えば、会社の同僚といっしょにいれば、
安心するような人たちじゃないから。
んー、もっといい友だちがいるんじゃないか、
もっと自分に対して刺激的な人が
いるんじゃないか、っていうのを、
絶えず追求していくわけじゃない?
ノリスケ うん、うん。
ジョージ で、そういう人たちと、出会うために、
ホストやホステスは、
パーティを、するんだよね。
そうすると、そういうとこに
呼ばれる人っていうのは、
礼儀が……うん、例えば、
僕がパーティをするとします。
ノリスケ はい。
つねさん うん。
ジョージ んー、ノリスケさん、お呼びしました。
ノリスケ はい。
ジョージ ノリスケさん、どんな準備をする?
ノリスケ うわー。着て行くものを選ぶ。
ジョージ うん。それで?
ノリスケ 身なりを整える、髪の毛とか。
ジョージ うん。
ノリスケ 靴、磨く(笑)。
それから、手みやげを考えるかなー?
ジョージ うん。
つねさん プレゼント。
ノリスケ うん。ホスト、ホステスのためにね。
その家に持ってくものを考える。
ジョージ んだね。
ノリスケ そのぐらい?
あ、ドレス・コードは、気になるよね。
ジョージ うん。だね。で、パーティっていうのは、
基本的に、御主人がいるわけよね。
で、その人に呼んでもらうわけだから、
その人は、いったい、何を自分に求めてるか、
っていうのをね、
いちばん最初に考えなきゃいけないんだよね。
宴会、っていうのは、行けばいいんだけどね。
ノリスケ 確かに、なんで呼ばれてるのかな?
って思うわ、それは。
ジョージ で、パーティっていうのは、
行けばいんじゃなくって、
行ってからの方が大切なんだよ。
よくパーティなんかで、招待状が来るでしょう?
隅から隅まで見ないといけないの。
つねさん あ〜。
ジョージ で、ほんとにパーティの上手な人っていうのは、
そのパーティの招待状のなかに、
いろんなヒントをちりばめてくれてるんだよ。
ノリスケ うん。
ジョージ うん、例えば、ドレス・コードっていうのも、
ひとつだよね。正装をしてきて下さい、
って書いてあったとして、
正装していく場所が、立食であるとしたら、
その人はパーティのホストとして、
最低だもの。
正装したら疲れるんだから、
座らせてくれないといけないわけじゃない?
つねさん ふーん。
ジョージ で、寛いだ格好でおこし下さい、
っていうのに、んーと、パーティの開催場所が、
帝国ホテルのナントカの間だったらば、
その人は、あ、なっちゃないな、
あたしは行かなくていいんだ、
こんなバカらしいパーティには、と思えばいい。
ノリスケ 主催者の器量が問われちゃうのね。
つねさん うーん。
ジョージ そういうふうに、招待状をよく読んで、
一生懸命考えるの。
僕がパーティに誰かを呼ぶとするでしょう?
そすっとね、んー、その人に、
持ってきて欲しいものは何かと言うとね……
パーティで、いちばん大切なものって、なに?
ノリスケ 人。
ジョージ 半分正解。「会話」なのよ。
ノリスケ ん! そうか。
ジョージ 会話がはずまないパーティっていうのは、
開催した方もバカみたいだし、
呼ばれた方もバカみたい。
だって、出合いの場を提供したのに、
会話がない、っていうのはね。
ノリスケ うん。
ジョージ そうすると、んーと、ノリスケさんが、
パーティに呼ばれて、
いちばん最初に準備しなきゃいけないのは、
そのホストに対して、
とびきりの話題を提供することが出来るのかどうか、
いろんなことを考えることなの。
ノリスケ ほー。
ジョージ あの話をしようか、この話をしようか。
で、主催者のあの人は、
こういう話が好きだろうか、
そうそう、この前、旅行に行ったから、
その話をしようか、って、
会話のことをいちばん最初に考えるの。
ノリスケ うんうん。
ジョージ で、その、会話を自然に成立させて
盛り上げるための……
つねさん プレゼントとかー?
ジョージ なにか、グッズとか、プレゼントを、
用意するんだよ。
ノリスケ は〜〜。
プレゼントから話題をつくるんじゃなくて
話したいことがあってから、
プレゼントを選ぶのね!
つねさん 言われてみれば、そうだよね、なんか。
ジョージ うん。だって、パーティ開催して、
みんながバラの花束持ってきてくれても、
つまんないもん。
綺麗なバラですね、っていうのは、
一回で終わりでしょう?
で、特に女の人の場合に、
主催者が求めるのは、
気のきいた会話です。
プレゼントは、なんにも期待してないの。
最大のプレゼントは、その人の笑顔です。ね。
ノリスケ その人が、いることで……
ジョージ そうそうそうそう。
ノリスケ 華やいで……
ジョージ 会話が成立するような。
そういう風な女性が来てくれると、
嬉しいなー、とかって思いながら、
パーティを開催するの。
招待状を書くんだよ。
で、呼ばれた女性が、
パーティ会場に向かいますね。
ノリスケ うん。
ジョージ 特に、その人が独身だったら。
ノリスケ うん。
ジョージ パーティ会場は、特別な意味を持っていますっ。
なっ……今日、ほんとに僕、
ひとりで喋ってない???(泣)。
つねさん だって、パーティ、
わかんないんだもーん。
「教えて」って感じなの。
ノリスケ そう、わかんないんだもん(笑)。
つい聞き入っちゃうのよ、ふんふん、って。
ジョージ よっしゃ。しゃべるわっ。
ほんとね、アメリカの女性にとって、
パーティに呼ばれるっていうことは、
ラッセル・クロウが、
コロシアムに行くのといっしょなんだよ。
「グラディエーター」なんだよね。
ノリスケ すっごいね。
生きるか死ぬかじゃない? それじゃ。
ジョージ そう、戦いよっ。
つねさん 格技場なんだ。
ジョージ だって、そこには猛獣もいるし、
自分と同じようなグラディエーターがいて。
ノリスケ 王様も見てるよね。
王子様も、お妃様も。
観客も大勢いるのよね。
つねさん 王様の気持ちを射るために……
ジョージ そう。グサッてやんなきゃいけないの。
そのために、武器を持ってるんだよ、女は。
ノリスケ そーだ!
つねさん そうだよねー。
(つづきます)

2001-06-04-MON

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