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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

恋愛の話しましょ。 その3
股を開く前に、心を開きなさい!

ジョージ 「旗」の口説き文句っていうのはね、
ほんとは仕事で使ってるのよ。
……けっこう色々、やっかいなこととか、
あるわけですよ。いちおう、
経営者の、はしくれなので。
だいたい、組織のトップに立ってる人が、
やる気を起こしすぎると、
下の連中って、迷惑でしょ?
ノリスケ んなことない。かな? 場合によるよ。
ジョージ うちはね、上の人が、
ちょっとボーッとしてるくらいのほうが、
なんか、下の人が一生懸命、
やるようになったり、するんだよ。
上の人が、遊んでばっかりいるのも困るけど。
んで、どういう存在になればいんだろう?
って考えてたときに、思いついたのが、
僕は旗のような存在になりたい、と。
で、旗っていうのは、
自分では動かないわけじゃない?
で、風がなかったら、
だらーんとしてるんだよね。
ノリスケ うん。
ジョージ だらーんとしている旗ほど、
みじめなものはない、でしょ?
んで、適当にバーッとたなびいてるのが、
いちばん奇麗だよね。
ノリスケ 奇麗だよね。
ジョージ たなびくためには、風が吹かないといけない。
自分では、たなびけない。
で、だから、それを応用して、
この人にはこう言ったの。
「僕は、あなたに、
 僕の旗をたなびかせてくれる、
 風になってほしい」
って。
ノリスケ いやーん。よくもそんな事が言えるわね。
旗って「俺を持って走れ」っていう
意味かと思ったわ(笑)。
つねさん ワッハッハッハッハ!
ジョージ それ、今度、仕事で使わせていただきます。
風が吹かなかったら、お前が持って走れっ!
ノリスケ もっと働け(笑)。
つねさん ハハハハハ。
ジョージ きゃ〜、ありがとう。
今日はひとつ、大人になりました〜。
会社のみなさん、頑張って下さいっ。
ノリスケ 風になれって、どっちにしても
素敵な言い方だけどね。
ジョージ でもね、やっぱりね、つきあってて、
いちばんダメなのはね、
話し合わなくても、
分かりあえてると思うのが、
いちばんダメよね。
ノリスケ とんでもないことよね。
「話をしようよ♪」よ。
話さないと、分かんないよ。
つねさん うん、そう。
ジョージ 基本的に、世の中に自分とおんなじ人間は、
誰ひとりとしていない、っていうことは、
憶えとかなきゃダメだよね。
だから、自分が感じてることとおんなじことを、
相手も、いつも感じてくれてる、
って思った瞬間に、ダメになるよ。
つねさん だから、言わなくても分かるでしょう? とか、
悟れ、っていう状態? が、いちばーん、嫌い。
ノリスケ そんなわけないじゃないねえ。
ジョージ そうなんだよね。
ノリスケ 言わなきゃ、分かんない。
ジョージ どんなに親しくっても、
夫婦でさえも、そうだと思うもん。
よく、僕がこんなに好きなのに、
なんで君は好きじゃないの? とか、
僕はこういうふうに思っているのに、
なんでそう思ってくれないのー?
とかっていうのはね、
すっごい大きな間違いだよね。
自分が、こういうふうに思ったら、
相手はこういうふうに思わない確率のほうが、
高いんであって、
思わないと、おつきあいはできない。
でも、逆に、男の人と女の人だと、
男と女は違うから、違って当然だって思うのも、
大きな間違いかも知れないよね。
つねさん そうか。
ジョージ 僕らは、確かに男同士かも知れないんだけど、
んとー、どゆのかな? 男と女だったらば、
年齢差が20歳も違うようなおつきあいって、
あんまりないのが、
僕らには、20歳も30歳も違う、なんてのが、
あったりする。
あるいは、公務員の人と、
誰もが知るような有名な人とのおつきあいも、
あったりも、する。
そういう世代とか環境とかが、
あまりにもかけ離れた人たちっていうのは、
違って当然なんで、
つきあう努力を、一生懸命、するの。
ノリスケ うん、うん。
ジョージ だから、違って当然な2人のなかにある、
数少ない共通項を拠り所にして、
一生懸命理解しあわないといけないんだろうな、
と思うな。それで、異なる部分を、
お互い確認しあって、
ひとつひとつ、潰してけばいんだよ。
別に、その人が嫌いで、自分が好きなことを、
その人に好きになってもらわなくても
構わないから。
ノリスケ 構わない。
相手が自分と同じものを持ってて、
そして違うものを持ってることを
確認してく状態って、とっても素敵だよね。
でも、分かんないから、恋愛にそういうさ、
王道というかさ、マニュアルはないじゃない?
つねさん ない、よね。
ノリスケ ないから、今回どうなんだろう? と、思いながら、
相手の出方を見ながら、
こういうふうにいこうかな、と思うと、
それが裏目に出ちゃったりとか。
そういうので、ずいぶん失敗は、した。
ジョージ それはね、縁がなかったと思って、
あきらめないと惨めになる。
ノリスケ 縁、ねー。そう。
あ、なんか、しみじみしてきちゃった(笑)。
ジョージ そうそう。だから、すべてに対して、
この出会いが最初で最後かもしれないと思う片方で、
でも、これが絶対最後じゃない、
これがすべてじゃないんだ、っていうことね。
ノリスケ うん。
ジョージ これが最初で最後なんだって、
そればっかり思うと、たぶん……、
つねさん それにとらわれちゃう。
ノリスケ ずいぶんとらわれたものよ……。
ジョージ そう。裏目にまわってね。
で、逆に、これだけじゃないんだ、
ばっかり思っちゃうと、
本気になれなかったりとか、する。
ともかく、年取ってからのほうが、
いい恋はできるよね。
つねさん うーん。ま、ずるい人もいるけどね。
ジョージ ずるい……か。でもね、
恋に駆け引きはあるけど、
愛に駆け引きはないのよ?
つねさん あー!
ジョージ だから、んーと、恋の状態から、
愛の状態に変わっていくわけじゃない?
ノリスケ うん。うん。
ジョージ 自分が先に
恋から愛に変わるとするでしょ。
なのに相手はまだ恋をやってるとすると、
自分の愛は報われないものなのよ。
ノリスケ あー(笑)。
ジョージ だから、このあたりが難しいの。
同時に両方が愛になっていくか、
それが難しいんであれば、
先に恋を愛に変えた人が……
つねさん 愛に変わるまで……
ジョージ そう。相手の恋が、愛に変わるまで、
一生懸命がんばるか。
愛と恋の違いってなんだと思う?
ノリスケ うーん……恋は、事故のようなものだったけど。
つねさん 当たり屋!(笑)
ノリスケ 不慮の事故よっ! 僕の場合は。
ジョージ んーとね、恋は
「相手から何がもらえるか」
考えることであって、愛は
「相手に何がしてあげられるか」
考えること、なの。
だから、しばらくの間は、先に愛した人が、
一方的に愛をあげることになる。
ノリスケ そうかー。
ジョージ とするならば、あげる愛の分量を
多く蓄えている人でないと、
耐えることができないんだよ。
つねさん あー。
ジョージ あ〜、大変。良かった、僕は
もうそれが終わってて!
ノリスケ ハッハッハッハッハ。
ジョージ で、これがねー、なんかね、
年上が、余分に耐えればそれでいいのか、
っていうと、逆の場合があったりとかね。
ノリスケ この世界は。
ジョージ そう、この世界は。 男と女の場合だと、
どうなんだろう?
女の方が先に、愛に変わるのかしら?
つねさん いや、それはやっぱり、人によるでしょ。
ノリスケ 愛のない関係も、いっぱいあるよね。
ジョージ そうだね。むさぼり合う仲。
つねさん そうね。それ、欲だよ。
ジョージ そうねー。
ノリスケ せっかく女の子に生まれているのになー。
ジョージ もったいないよねー。
ノリスケ もったいない。もったいない子いっぱいいるよ。
ジョージ 股を開く前に、心を開きなさい、と思うよね。
つねさん (笑)ほーんとだね。
ジョージ こっちなんか、開こうにも、
股がないんだから!
(おほほ。続きます)

2001-06-13-WED

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