ジョージ |
「旗」の口説き文句っていうのはね、
ほんとは仕事で使ってるのよ。
……けっこう色々、やっかいなこととか、
あるわけですよ。いちおう、
経営者の、はしくれなので。
だいたい、組織のトップに立ってる人が、
やる気を起こしすぎると、
下の連中って、迷惑でしょ?
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ノリスケ |
んなことない。かな? 場合によるよ。
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ジョージ |
うちはね、上の人が、
ちょっとボーッとしてるくらいのほうが、
なんか、下の人が一生懸命、
やるようになったり、するんだよ。
上の人が、遊んでばっかりいるのも困るけど。
んで、どういう存在になればいんだろう?
って考えてたときに、思いついたのが、
僕は旗のような存在になりたい、と。
で、旗っていうのは、
自分では動かないわけじゃない?
で、風がなかったら、
だらーんとしてるんだよね。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
だらーんとしている旗ほど、
みじめなものはない、でしょ?
んで、適当にバーッとたなびいてるのが、
いちばん奇麗だよね。
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ノリスケ |
奇麗だよね。
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ジョージ |
たなびくためには、風が吹かないといけない。
自分では、たなびけない。
で、だから、それを応用して、
この人にはこう言ったの。
「僕は、あなたに、
僕の旗をたなびかせてくれる、
風になってほしい」
って。
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ノリスケ |
いやーん。よくもそんな事が言えるわね。
旗って「俺を持って走れ」っていう
意味かと思ったわ(笑)。
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つねさん |
ワッハッハッハッハ!
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ジョージ |
それ、今度、仕事で使わせていただきます。
風が吹かなかったら、お前が持って走れっ!
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ノリスケ |
もっと働け(笑)。
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つねさん |
ハハハハハ。
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ジョージ |
きゃ〜、ありがとう。
今日はひとつ、大人になりました〜。
会社のみなさん、頑張って下さいっ。
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ノリスケ |
風になれって、どっちにしても
素敵な言い方だけどね。
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ジョージ |
でもね、やっぱりね、つきあってて、
いちばんダメなのはね、
話し合わなくても、
分かりあえてると思うのが、
いちばんダメよね。
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ノリスケ |
とんでもないことよね。
「話をしようよ♪」よ。
話さないと、分かんないよ。
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つねさん |
うん、そう。
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ジョージ |
基本的に、世の中に自分とおんなじ人間は、
誰ひとりとしていない、っていうことは、
憶えとかなきゃダメだよね。
だから、自分が感じてることとおんなじことを、
相手も、いつも感じてくれてる、
って思った瞬間に、ダメになるよ。
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つねさん |
だから、言わなくても分かるでしょう? とか、
悟れ、っていう状態? が、いちばーん、嫌い。
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ノリスケ |
そんなわけないじゃないねえ。
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ジョージ |
そうなんだよね。
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ノリスケ |
言わなきゃ、分かんない。
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ジョージ |
どんなに親しくっても、
夫婦でさえも、そうだと思うもん。
よく、僕がこんなに好きなのに、
なんで君は好きじゃないの? とか、
僕はこういうふうに思っているのに、
なんでそう思ってくれないのー?
とかっていうのはね、
すっごい大きな間違いだよね。
自分が、こういうふうに思ったら、
相手はこういうふうに思わない確率のほうが、
高いんであって、
思わないと、おつきあいはできない。
でも、逆に、男の人と女の人だと、
男と女は違うから、違って当然だって思うのも、
大きな間違いかも知れないよね。
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つねさん |
そうか。
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ジョージ |
僕らは、確かに男同士かも知れないんだけど、
んとー、どゆのかな? 男と女だったらば、
年齢差が20歳も違うようなおつきあいって、
あんまりないのが、
僕らには、20歳も30歳も違う、なんてのが、
あったりする。
あるいは、公務員の人と、
誰もが知るような有名な人とのおつきあいも、
あったりも、する。
そういう世代とか環境とかが、
あまりにもかけ離れた人たちっていうのは、
違って当然なんで、
つきあう努力を、一生懸命、するの。
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ノリスケ |
うん、うん。
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ジョージ |
だから、違って当然な2人のなかにある、
数少ない共通項を拠り所にして、
一生懸命理解しあわないといけないんだろうな、
と思うな。それで、異なる部分を、
お互い確認しあって、
ひとつひとつ、潰してけばいんだよ。
別に、その人が嫌いで、自分が好きなことを、
その人に好きになってもらわなくても
構わないから。
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ノリスケ |
構わない。
相手が自分と同じものを持ってて、
そして違うものを持ってることを
確認してく状態って、とっても素敵だよね。
でも、分かんないから、恋愛にそういうさ、
王道というかさ、マニュアルはないじゃない?
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つねさん |
ない、よね。
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ノリスケ |
ないから、今回どうなんだろう? と、思いながら、
相手の出方を見ながら、
こういうふうにいこうかな、と思うと、
それが裏目に出ちゃったりとか。
そういうので、ずいぶん失敗は、した。
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ジョージ |
それはね、縁がなかったと思って、
あきらめないと惨めになる。
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ノリスケ |
縁、ねー。そう。
あ、なんか、しみじみしてきちゃった(笑)。
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ジョージ |
そうそう。だから、すべてに対して、
この出会いが最初で最後かもしれないと思う片方で、
でも、これが絶対最後じゃない、
これがすべてじゃないんだ、っていうことね。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
これが最初で最後なんだって、
そればっかり思うと、たぶん……、
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つねさん |
それにとらわれちゃう。
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ノリスケ |
ずいぶんとらわれたものよ……。
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ジョージ |
そう。裏目にまわってね。
で、逆に、これだけじゃないんだ、
ばっかり思っちゃうと、
本気になれなかったりとか、する。
ともかく、年取ってからのほうが、
いい恋はできるよね。
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つねさん |
うーん。ま、ずるい人もいるけどね。
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ジョージ |
ずるい……か。でもね、
恋に駆け引きはあるけど、
愛に駆け引きはないのよ?
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つねさん |
あー!
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ジョージ |
だから、んーと、恋の状態から、
愛の状態に変わっていくわけじゃない?
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ノリスケ |
うん。うん。
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ジョージ |
自分が先に
恋から愛に変わるとするでしょ。
なのに相手はまだ恋をやってるとすると、
自分の愛は報われないものなのよ。 |
ノリスケ |
あー(笑)。
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ジョージ |
だから、このあたりが難しいの。
同時に両方が愛になっていくか、
それが難しいんであれば、
先に恋を愛に変えた人が……
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つねさん |
愛に変わるまで……
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ジョージ |
そう。相手の恋が、愛に変わるまで、
一生懸命がんばるか。
愛と恋の違いってなんだと思う?
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ノリスケ |
うーん……恋は、事故のようなものだったけど。
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つねさん |
当たり屋!(笑)
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ノリスケ |
不慮の事故よっ! 僕の場合は。
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ジョージ |
んーとね、恋は
「相手から何がもらえるか」
考えることであって、愛は
「相手に何がしてあげられるか」
考えること、なの。
だから、しばらくの間は、先に愛した人が、
一方的に愛をあげることになる。
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ノリスケ |
そうかー。
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ジョージ |
とするならば、あげる愛の分量を
多く蓄えている人でないと、
耐えることができないんだよ。
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つねさん |
あー。
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ジョージ |
あ〜、大変。良かった、僕は
もうそれが終わってて!
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ノリスケ |
ハッハッハッハッハ。
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ジョージ |
で、これがねー、なんかね、
年上が、余分に耐えればそれでいいのか、
っていうと、逆の場合があったりとかね。
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ノリスケ |
この世界は。
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ジョージ |
そう、この世界は。 男と女の場合だと、
どうなんだろう?
女の方が先に、愛に変わるのかしら?
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つねさん |
いや、それはやっぱり、人によるでしょ。
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ノリスケ |
愛のない関係も、いっぱいあるよね。
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ジョージ |
そうだね。むさぼり合う仲。
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つねさん |
そうね。それ、欲だよ。
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ジョージ |
そうねー。
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ノリスケ |
せっかく女の子に生まれているのになー。
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ジョージ |
もったいないよねー。
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ノリスケ |
もったいない。もったいない子いっぱいいるよ。
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ジョージ |
股を開く前に、心を開きなさい、と思うよね。
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つねさん |
(笑)ほーんとだね。
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ジョージ |
こっちなんか、開こうにも、
股がないんだから! |
(おほほ。続きます)