ノリスケ |
美味しいもの食べさせて光線出すためにも、
ちゃんとお腹を空かせて行くのも大事よね!
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ジョージ |
それと、知らないことは知らない、
ってやっぱり言うことね。
知ったかぶりは、だめよ。
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ノリスケ |
メニュー選ぶときも、
聞いたほうがいい?
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つねさん |
何かお勧めありますか? って?
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ジョージ |
うん。でもね、
「何が美味しいんですか?」
って聞くのは、ぜったいにダメよ。
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つねさん |
こないだうっかり、言っちゃったの。
そしたらね、お店の人、にっこり笑って
「どれも美味しいですよ」って!(笑)
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ジョージ |
そそそそそ。
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ノリスケ |
そうか、じゃ、ある程度……
「今日はお肉がたくさん食べたい」とか、
「野菜がいっぱい食べたい」とか?
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ジョージ |
あんた、なんでも量が多けりゃいいのねえ。
「お昼がちょっと遅めだったんで、
今日はちょっと軽く済ませたいんですけど」とか、
「野菜は香りの強いのが好きですけど、
野禽類とか、香りの強いお肉の類いは
ダメなんですよ」とかね。
メニュー決められなくてほんとに困ったら、
「いちばんのお勧めは?」か、あるいは、
「今日の美味しい中でも、
いちばんよく出来てるのは、どれですか?」とか。
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つねさん |
うんうん。
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ジョージ |
でも。メニューが来て、見もしないで、
何がお勧めですか? っていうのは、
お客さまとしての責任を放棄してるわけだから、
だめよ。メニューはちゃんと見ましょう。
だって、メニューっていうのは、
お店の人が一生懸命に
お客さんに伝えようとしている
メッセージなわけだから。
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つねさん |
あ、そっか。本日のお勧め、
って書いてあるにもかかわらず、
「何がお勧めですか?」
って聞いちゃうのはよくないね。
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ジョージ |
たとえば、自分がOLで、会社の上司に、
自分が一生懸命書いた報告書を提出しました。
そしたら、その上司は、
その報告書を見もしないで……
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ノリスケ |
「要点話してっ」(笑)。
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ジョージ |
そう、要点話して、って言われたら、
じゃあ、お前、報告書作れって言うなよ!
って思うでしょ? それとおんなじだよね。
やっぱり、見てあげないと。
それでね、見るとね、わかるんだよね、
そのお店が伝えようとしていることが。
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つねさん |
読み取るのね。
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ジョージ |
料理の内容が分かんなくっても、
料理名が、たとえば、
“瀬戸内の季節のお魚のグリル”
“那須の契約農家から運ばれてきた
有機野菜のうんだらかんだら”
って書いてあるとすると、
ああここは素材を美味しく食べさせたいんだな、
って、わかる。あるいはね、
“季節のお魚に
天使がキスをしたようなボムファム
なんとかを添えて”
とかって書いてあるようなメニューだと、
ひゃーっ、ここってたぶん、
見た目がすごい、ちょろろーんとしてるっ、
とかね。
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つねさん |
ハハハッ。すかしてるな、みたいな?
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ジョージ |
そう。おかまが作るみたいな料理なんだな、
と思えばいいのよ。ね?
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ノリスケ |
やーん、僕は、そんなの、つくりませんっ。
……あ、ときどきつくるかも。
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ジョージ |
で、そういうんで傾向をつかんで、
従業員さんに訊けばいい。
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つねさん |
でも、恥ずかしいよね、すいません、
あの、天使のあーたらこーたらを……
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ジョージ |
おかま料理みたいなお店に行って、
すいません、こちらのほうで、
ものすごく力強いお料理はないんですか?
って聞く女は、いいかも。
あっ、この女、うちの売りじゃないものを
要求してきたわねっ! って(笑)。
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ノリスケ |
手ごわいぞ、って。
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ジョージ |
素材優先そうなお店だったらば、
今の季節でいちばん美味しいお野菜っていうのは、
どういうんですか?
あ、ホワイト・アスパラガス美味しんだよね、
今ね。くぅ〜〜〜〜っ(身もだえながら、泣)。
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つねさん |
美味しいよね〜〜ん。
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ノリスケ |
花ズッキーニも!
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つねさん |
ん〜、あー、でもホワイトのグリル!
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ジョージ |
シンガポールでね、ホワイト・アスパラガス、
フレッシュなホワイト・アスパラガスを、
真っ二つに切って、間にマグロを挟んでね、
のり巻きにしてる前菜が出てきたお店があったよ。
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つねさん |
え〜っ! それは、一応ボイルして?
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ジョージ |
フレッシュのだよ。
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ノリスケ |
アクが強くない?
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ジョージ |
だいじょぶ、掘ったばっかりだから。
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つねさん |
そんなに美味しかった?(涎)
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ジョージ |
美味しかったよ〜。
行こうね、だからシンガポール。うふ。
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つねさん |
行こうね。うふふ。
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ノリスケ |
フン。行けば。ちょっと話、ずれてるわよっ(怒)。
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つねさん |
あはは。メニューの話だっけ。
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ノリスケ |
メニューさ、まあ、アラカルトが普通なんだけど、
なんとなくコースもあったりするじゃない?
で、腹が立つのってさ、さんざんこっちがさ、
よしっ、何を食べようかな? ってもう、
こんなんなって(目をこらして)見てんのに、
「コースでいいよ」
って言う男はイヤだな、って思うんだよ(笑)。
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ジョージ |
そんな男と、なんで一緒に食事するの!?
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ノリスケ |
二度はないわよ。つまんないもん。
イヤんなっちゃうよね。
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ジョージ |
まあ、僕は力ずくで止めさせるよ。
なんでコースなんか食わなきゃいけないの? って。
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ノリスケ |
詰問して?
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ジョージ |
今度、君、来たときに食べれば?
今日は止めにして、って言うもん。
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つねさん |
ねねね、そういうときってさ、
あなたコースで私アラカルト、
っていうの、OKなの?
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ジョージ |
うん、悪くはないね。
悪くはないけれど、
コースの仕立て方と同じような
アラカルトで頼まないといけなくなるよ。
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つねさん |
前菜頼んで、メイン頼んで。
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ノリスケ |
そうだよね。
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ジョージ |
たとえば、コースが5皿で構成されているのに、
アラカルトが4皿だと、お店の人も困るでしょ?
あのね、お店の人は、
どっち側を大切にしたいかっていうと、
コースの客じゃなくってアラカルトの客なのね。
そういうときは……お店の人に言えばいい、
ごめんね、って。
彼は、どうしてもコース食べたいって言うんで、
僕は、これとこれとこれは
アラカルトの中から選ぶから、
それ以外はそちらの人とおんなじタイミングで、
適当にお任せするから、って言うのよ。
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ノリスケ |
「お任せする」という言葉の
使い方も、大事ね。
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ジョージ |
そう、上手にこの言葉を使うと、
すーっごい喜んでくれるよ。
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ノリスケ |
うん。
コースってさ、「コースでしか食べれない」ような
ものもあってね、こないだマンジャ・ペッシェで
ちっちゃなお皿で前菜が10何品、
バンバンバンバン出てくるっていう
コースがあったのね。
そういうのはいいなと思うんだけどね。
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つねさん |
食べてみたいやつで、
コースしかないものってあるときあるもんね。
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ノリスケ |
そうそう。でも、投げやりに言われる
「コースでいいよ」は、
腹が立つなー。
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ジョージ |
投げやりに言う男は最低だね。
投げやりに言う女は、
殺してやろうかと思うよ。
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ノリスケ |
男の人が一生懸命選んでるのに、
私、コースでいいわ、っていうのは、
ちょっとかわいそうかな(笑)。
「気がない」っていうことを示すのにはいいかも。
気をつけなくちゃ(笑)。
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ジョージ |
私はコース‘でいいわ’!
‘でいいわ’やめて〜ん、お願いだから!
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(つづきまーす)