ジョージ |
僕ね、大事なお客さんを集めて、
(ゲイだということを)告白したときにね、
自分はゲイだということを今言うことによって、
免罪符を得ようとも、
みんなから認めてもらおうとも思わない、と。
それは、これからも、一生ずーっと、
僕はどんなに頑張っても、
みんなは僕のことをゲイだと思うでしょう、と。
で、それはそれで構わない、そうなんだから。
だけど、そのー、
あいつはオカマのくせして頑張ってる。
男の俺もできないような頑張りを、
あいつはやってる。
そしたら別にオカマでもいいじゃないか、
人間として素晴らしいと認めてやろうと、
思ってもらうように努力しますから、
って言ったの。で、要は、
そういうことなんだろうと思うよ。
女の子も、なんか、妙に頑張るんじゃなくて、
たとえば、うちの会社に
女の管理職がいるんだよ。
彼女も、大変なの。あのー、どゆのかな?
ある人はね、あいつは女のくせして、
すごい仕事を任されてる。何かあるに違いない、
って思うんだよ。んで、ある人は、
ちょっとした失敗を取り上げて、
男だったらこんな失敗はしない、
って言ったりとかするの。
んでね、すっごい悩むんだよね。
で、彼女、僕に、
「女がこういうこと
しちゃいけないんでしょうか?」
とか、
「私はもう、女であることを
やめたいくらい悔しい」って言うからね、
だから、そんなことは
考えなくていんじゃないの? って。
で、周りの人は、どうせ女のくせに、
って思う、って。ね?
そう思う男を見て、
おまえは男のくせに、って思えばいいじゃない?
男のくせに、私ができるような
仕事もできないの?
男のくせに、なんでそんな
女が腐ったみたいな、
他人の失敗をとやかく言うの?
そう思いなさい。ただ、思うと同時に、
いっしょうけんめい仕事をして、
で、仕事をすれば、
女のくせにって言った男の人の中のね、
何人かは、
「ああー、あいつは女のくせに頑張ってる。
あいつは、女にしておくにはおしい女だ」
そう思ってくれるよ。
そんときは仲間になって、
お前は女にしとくのはもったいないなー、
って言われたら、
「いや、私は男になるにはもったいないですから」
って言い返せ、って。
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ノリスケ |
ん。……。
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つねさん |
あ〜。
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ジョージ |
で、そんときのために、
一生懸命になって頑張れって、
頑張ってるの。
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ノリスケ |
お〜。
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ジョージ |
こういう気持ちが大切だよって。
僕らも、どゆのかな?
一人前に仕事をするようになったらね、
ノンケのオッサンがね、
お前はホモにしておくのはもったいないなー、
て、言うんだよ。そしたらね、
いやっ、私はもうさらさら、
あんたみたいなノンケになるつもりは
ないですから。あなたこそ、
ホモでなくて残念でしたね、って
言えるように頑張ればいいんだよ。ね?
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つねさん |
プラスで考えるのね?
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ジョージ |
うんっ。ぜーんぶプラス。
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つねさん |
マイナスじゃなくって。
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ジョージ |
ただ、プラス発想の前提にあるのは、
自分の中の弱い部分をね、
いつも、ウジウジ考えるんじゃなくて、
弱い部分があるんだ、っていうのを
冷静に見つめること?
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つねさん |
なかなかねー、そういう、
プラスでは考えれないよね。
だから結局、それが、
逆差別とかってなっちゃうわけで。
それって、やっぱ、自分を低めてる。
マイナスにしか思ってない。
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ジョージ |
そうだね。
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つねさん |
でも、おんなしことやってても、
やっぱり、いま聞いてたら、
そうプラスに転換したら上に行ける。
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ノリスケ |
その女性スタッフは、部下には女の子がいるの?
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ジョージ |
うん。そうやってその女性は、
自分の部下をおんなじように手伝わせてるよ。
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ノリスケ |
偉いねー。
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ジョージ |
会社の人が、その女性を褒めるときに、
いやー、なかなか、あれだね、
女だけど、男勝りの仕事をしたねっ!
って言うんだよ。そうすると、そんときはね、
有り難うございます、って帰ってくんだけど、
いやー、私、女で良かった、
とかって言いながら帰ってくるよ。
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つねさん |
ハハッ、いいねー。
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ジョージ |
そもそも、その子の口癖は、
「強い男はめずらしいけど、
強くない女は1人もいない」
なの。
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つねさん |
ほ〜。
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ノリスケ |
もっかい言って?
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ジョージ |
強い男は少ないけど、
強くない女はいない。
だから、女はみんな強い。
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ノリスケ |
あ〜。
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ジョージ |
で、西洋のことわざで、よく言うんだけど、
なぜ神さまは男より女を強くしたか?
女は心が強いから、腕力まで与えると、
男という人種をなくしてしまうと。
で、男は心が弱いから、
かわいそうだからせいぜい腕力ぐらいは
強くしてあげようと思って、強くしたの。
も、ぜったい女の方が強いよ。
でも、女の人は、
女は男より心が強いということを、
無自覚に生きすぎてるよ。
だって、男ってさ、
会社で嫌なことがあったら、
……僕たちは別だよ? 僕たちは女だからね。
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ノリスケ |
うん、うん。
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つねさん |
ハッハ。
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ジョージ |
僕たちは、女たちは、仕事で嫌なことがあったら、
いくらだって気晴らしができるじゃん。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
ね? 買い物したり旅行いったり。
で、女はそうなんだよね。
でも、男は会社で嫌なことがあったら、
酒を飲んで愚痴るしか、
解消の仕方がないんだよ。
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ノリスケ |
ないねー(笑)。
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ジョージ |
で、そういうのを見てね、
あー、かわいそうだな。
深夜の満員電車で酔っぱらったオヤジが
いっぱい乗ってるのは、
なんと心が弱くてかわいそうなのかしら、
って思ったら、あの、
京王電鉄の女専用車両なんか、なくなるの。
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ノリスケ |
ハハハ。
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ジョージ |
だって、男より強い女を特別扱いしちゃダメ。
特別扱いされて喜んでるのはね、
自分の強さを知らない、
なんか、すっごいずるい女のような感じがするな。
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ノリスケ |
ハハハッ。
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ジョージ |
ねっ。
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つねさん |
でも、そういう意味でいったら、
確かに、かも知んないけど、
僕ら、お酒を飲むの好きだけど、
愚痴を言うために飲まないもんね。
憂さ晴らしのために飲まないもん。
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ノリスケ |
飲まないねー。
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ジョージ |
愚痴言い始めたら、帰れって思うもんね。
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ノリスケ |
うん。楽しくないもん。
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つねさん |
そう。ほんとにそうなんだよね。
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ノリスケ |
一対一で聞いて、っていうときは聞くよ。
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つねさん |
うん。
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ノリスケ |
でも、そういうときは酒とか、あんまり。
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ジョージ |
なんか愚痴りたかったら、
シラフのときに来なさい。
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ノリスケ |
真面目に言いたいし、
真面目に聞きたいしね。
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つねさん |
でもね、酒飲んだら、口が回るからね、
けっこう、言えなくていることを、
いっぱい言うらしいんだけど。
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ノリスケ |
愚痴じゃなくて、こう、
高らかな悪口は言うことあるけど(笑)。
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(つづきます)