ノリスケ |
焼きもち焼かなくなっちゃった自分を、
いいのか? みたいに思うの、この頃。
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つねさん |
え、そうなの? 焼きもちって、焼くよね?
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ジョージ |
焼きもち? うーん。
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ノリスケ |
嫉妬。
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ジョージ |
でも、焼きもちと嫉妬って、
厳密に言うと、違うんじゃないの?
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ノリスケ |
違うかも。
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つねさん |
焼きもちって愛情あるけど、
嫉妬って、往々にしてなかったりするもの。
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ノリスケ |
どす黒いものがあるよね。
そうか、嫉妬と焼きもちは、違うね。
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つねさん |
うん。だって、それは、ほら、
その人の才能に対してとか、もあるわけだし。
才能に対して焼きもちって言わないじゃん。
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ジョージ |
嫉妬って、あれだよね、あのー、
誰かがいて、認めたくないんだけど、
認めなきゃいけないときに、嫉妬が出るんだよ。
だから、人とつきあうときに、
自分より何らかのかたちで、
いい目にあってる子を、
「あ、イヤだけどすごいんだわ」
って認めると嫉妬にならないんだけど、
認めないのに、で、認めないまんまで、
無視しても嫉妬になんないんだよ。
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つねさん |
うん。かばちたれるのね。
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ノリスケ |
かばちたれ(笑)???
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ジョージ |
認めたくないのに認めなきゃいけない
状況におかれるのが、嫉妬。
だから、『エースをねらえ!』で……
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ノリスケ |
ハハハッ。いきなり?
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つねさん |
そっちきたか(笑)。
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ジョージ |
岡ひろみが来たときに、
んーと、お蝶夫人も、認めたくなかったわけじゃん。
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つねさん |
っていうか、最初、
認める認めないじゃなくって、
もともと力なかったんだもん。
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ジョージ |
そうだねー。音羽さんっていうのは、
なんか、ほんっとに認めたくなかったのに、
認められてゆくあの子を見て、
わたしは絶対許さない。
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ノリスケ |
音羽京子。ククッ。
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つねさん |
だんだん自分が抜かれてったからでしょう?
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ジョージ |
そうそうそう。でも、抜かれていくの。
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ノリスケ |
早川みどりもそうだったよ、
『アタックNo.1』の最初。
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つねさん |
いや、鮎原こづえも最低よ、あれ(笑)。
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ノリスケ |
鮎原は、あれ、天然だから。
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つねさん |
天然、あいつは、策士だよね。
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ノリスケ |
そう、おそろしい女だった。
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つねさん |
おそろしいよね。
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ジョージ |
ちょっと!
話がどんどん少女漫画になっています。
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つねさん |
ハッハッハッハッ。
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ノリスケ |
全巻持ってるし(笑)。
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ジョージ |
でも、でもあれだよね、
おどろおどろしい系の少女漫画的世界のなかには、
嫉妬がたくさんあるんだよね。
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つねさん |
少女マンガのスポ根には、嫉妬がある。
少年マンガのスポ根にはね、けっこうないの。
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ノリスケ |
あ、認めあっちゃってるのね。
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つねさん |
そうそう。で、友情になるんだよ、もう。
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ノリスケ |
高めあっちゃったりするのね。涙流してね。
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つねさん |
敵でも、みたいな。
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ジョージ |
ああ、僕、伴宙太と星飛雄馬が抱きあって涙する
オープニングのシーンで、何回×××……
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つねさん |
ほんまかい?(笑)あんた、でも、
あんた的には、伴宙太と左門豊作でしょうが。
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ジョージ |
違うのっ、星飛雄馬に
自分を照らし合わせるわけよっ(うっとり)。
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ノリスケ |
ああ……。
テレビ、横にして見たりしなかった?
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ジョージ |
あーっ、話がだいぶ違うところにいってるわよ!
やめなさいよっ。なんか、ほんっとに。
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ノリスケ |
それは飛雄馬に嫉妬?
でもねえ、割って入れない、
体育会系世界への、憧れのような気も。
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つねさん |
裏腹ね。
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ジョージ |
そうそう、それで思い出したけど、
面白いのがね、英語で嫉妬することを何て言うか、
っていうと……
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ノリスケ |
ジェラス?( jealous)
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ジョージ |
でしょう? だけど、もうひとつの訳があるの。
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ノリスケ |
ん?
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ジョージ |
エンビィ。(envy)
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ノリスケ |
エンビィって、そう?
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ジョージ |
そう。あの、GUCCIの香水にもなっている。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
嫉妬される私。
嫉妬されるぐらい素敵な私、っていうんで。
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つねさん |
たかびーなわけ? ちょっと。
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ノリスケ |
ゴージャスなニュアンスがあるんだ。
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ジョージ |
なんかね、んーとね、
ある人を褒める褒め言葉で、
けっこう素敵な部類に属するのが、
アイム・エンビー・オブユー、
っていうのがあるの。
私は、あなたのことをうらやましいと思うなー、
っていう。
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ノリスケ |
それ、褒め言葉?
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ジョージ |
褒め言葉なんだよ。
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ノリスケ |
へー。
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つねさん |
それ、ほんとに褒めてるの? それって。
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ジョージ |
うん、ほんとに褒めてる。
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つねさん |
へー。
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ノリスケ |
ジェラスだと……
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ジョージ |
そう、アイム・ジェラス・オブユー、になると、
押しピンか何かが、靴の中に入ってる感じ。
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つねさん |
髪の毛ひっぱってやる、とか?(笑)
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ジョージ |
そそそそ。だから、んーと、嫉妬、
嫉妬、っていうと悪い言葉のように思うけど、
前向きに? 人を愛するエネルギーに、
あるいは自分を愛するエネルギーに
変えることはできるような気がするの。
……嫉妬されたことって、ある?
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ノリスケ |
恋愛で?
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ジョージ |
何でも。
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ノリスケ |
露骨に?
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つねさん |
あ、僕あるよ、やっぱり。色々(笑)。
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ノリスケ |
ねえ。あるんだろうな、と思いながらね、
目をつぶって見ないようにとかしてるんだけど(笑)。
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つねさん |
そういうの、恋愛でもあるでしょう?
あなたの場合。あったもんね。知ってるもん。
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ノリスケ |
……あった。あれはね……
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つねさん |
ひどかったよね。
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ジョージ |
ひどかったんですってー?
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ノリスケ |
解決しないもんね。
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つねさん |
まだね。未だにね、
横取りしたって思われてるんでしょうね。
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ノリスケ |
そのことを考えると、
暗い径に入っていく自分を感じるわ(笑)。
出口なし、よ。
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ジョージ |
ん、だから、人間だれでも、
嫉妬される対象になりうるんだということを、
一回、認識しといたほうがいいと思うよ。
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ノリスケ |
そうなの。自分がぜんぜん普通というか、
真っすぐ生きているつもりでも、
ある人にとっては違う……
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つねさん |
だったら、それは、ほら、
日照権の話じゃないけど、ね?
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ノリスケ |
うん。あの、高いビルにはぜったい影ができて、
そこに住んでる人がワーワー、ワーワー。
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つねさん |
知らず知らずっていうのは、
あるのかもしんない。
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ジョージ |
そうだね。
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つねさん |
高嶺の花の人とつきあっちゃったから、
ブチブチ、あーんなブサイクなくせに、
デブなくせに。
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ノリスケ |
貶(おとし)める。
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つねさん |
うん。
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(つづきます)