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新宿二丁目のほがらかな人々。
おねぇ言葉や裏声とかで語る別角度批評。

嫉妬。その4
女の嫉妬、男の嫉妬。

ジョージ 少なくとも、年齢に対する嫉妬っていうのはさ、
嫉妬したって絶対解決できないわけでしょう?
ノリスケ うん。解決不可能だよね。
ジョージ 若いから、あなたお肌がピチピチして、
羨ましいわって言うんだったら、
一生懸命ピテラか何かを注入してですよ、
コラーゲン注射でも何でもして、
努力すれば何とかなるかも知れないんだけど……
つねさん でも、年齢ってね、
毎年いっこずつ増えてくから。
ジョージ そう、だって、若返るかっていうと、
絶対若返らないわけでしょう?
それを嫉妬するのはどうかな、と思うな。
ノリスケ そしたら、年を取ることって素敵なことなんだよ、
っていうことを体言していくしかないよね。
つねさん うん。
ジョージ で、何より、あんたたちいいわよね若くって、
て言われた若い女の子はどう思うかっていうと、
私ぜったい年取りたくない、
って思うと思うんだよ。
つねさん あ〜。でも、男の場合ってさ、
あんまりそこらへんて、少なくない?
若いからっていうの。
ジョージ 男はそういう嫉妬はしない。
つねさん あんまり。
でも、それこそ嫉妬1回したら、
1個ずつなんか、
何かが欠けていくような感じがする。
ノリスケ 自分の大事な「部分」が。
つねさん うん。
ジョージ 自信がないから嫉妬をするんだろうね。
つねさん で、まただんだん自信がなくなってくんでしょ?
ジョージ うん、そうだね。
ノリスケ 自分には何でもできるみたいに
思ってるのが若いってことなのかな?
年取ってくると、仕事をしてると……
ジョージ あのね、若いことの特徴っていうのはね、
何でもできると思ってるんじゃないんだよ。
今までできたことのない経験が少ないだけなの。
ノリスケ ん〜!
つねさん はー、はー、はー。
ジョージ 若さの良さって、失敗のなさなんだよね。
つねさん 要するに経験がないわけね。
ジョージ そう。逆に若さの悪さって、
成功のなさなの。
ノリスケ うん。
つねさん うん。
ジョージ で、自分はやること、
ぜんぶ成功するはずだと思いながら、
勘違いしながら年をとっていくの。
で、年をとっていく過程で、
2種類の人がいるのね。
失敗もしたけれども成功もした人、と、
失敗しかしなかった人。
ノリスケ うん。
つねさん うーん。
ジョージ うん、で、失敗しかしなかった人っていうのは、
小さな成功をしてるはずなんだけど、
それを成功と思わないで、
自分はできないできないできない、
って思うんだよね。
つねさん ほんとはね。
ノリスケ あ〜。
ジョージ んで、成功した実感がある人っていうのは、
ものすごい小さくてささやかな成功を、
大切にした人なんだよ。
つねさん うん。
ジョージ で、そういう年のとり方をすると、
失敗もたくさんしたけれども、
自分の人生って、
決して捨てたもんじゃないなーと思って、
若い子たちを優しく見れるんだよね。
つねさん あー。
ジョージ あんたたち、一生懸命張り切ってるけど、
これからいい失敗をたくさんしなさいよ、
って思いながら見れるんだよ。
つねさん あ゛〜。いいね。
ジョージ だけども、失敗ばっかりしてきた
大人っていうのは、若い子見て、
おめえら失敗しないと思ってるだろうけどよ、
これから失敗だらけの人生なんだー、
って思って見ちゃうんだよ。
ノリスケ おー。
つねさん でも、そういう人って、
上にいけないよね。
ジョージ でも、それがねえ、
行っちゃうの、そういうの。
ノリスケ 前の会社の上司、そういう人だったよ。
そういう現実もあるのよね。
つねさん は〜ん。
ジョージ だいたい、人の失敗のことばっかり
嬉しそうに言って、
自分は成功したことしか言わない、
とかっていうのは、最低だよ。
でも、そんなんばっかりだもん。
ノリスケ 僕は前、そういう人のとこで働いてた。
ジョージ だって昔はね、
それが上手だったら出世したんだもん。
つねさん ああ、そうね。
ジョージ で、ほんとの上司っていうのは、
自分の部下を見て、
自分の失敗したことばっかりを言うの。
で、そいつの部下とか同僚の成功の話を
嬉しそうにするやつを見て、
あ、こいつはほんとにいいやつだ、
と思って出世させなきゃいけないんだよ。
ノリスケ うん。
ジョージ だけど、変な上司っていうのは、
なんか、私がやりましたっ、
私がこうしましたっ、
あいつはできませんでした、って言うと、
おお、お前は良くできるやないか、
っつって出世させちゃうんだよね。
つねさん ああ。
ジョージ 大っ嫌い。で、そういうやつに限って、
すっごい嫉妬深いの。
つねさん あ〜、そうね。
ジョージ あのね、女の嫉妬ってさ、
たいてい一対一なんだよ。
ノリスケ あ〜。あんたとあたし。
ジョージ そう。だけど、男の嫉妬って、
お前と俺らになってるの。「俺ら」。
つねさん は〜。集団意識働くんだ。
ジョージ で、あいつってけっこうできるぞ、っていうと、
「どう思う、あいつ?
 仲間外れにしてやろうぜ」
とかっつって、すっごいの、そんときは。
ノリスケ 恐ろしい。
ジョージ 恐ろしい。怖いよ〜。怖い。
つねさん 僕、そういうの見たことない。
ジョージ あの、よく、OL系のドラマで、
お局さまが出てきて、
お局さまがみんなまとめて、
弱者友の会みたいなの作って、
1人の女いじめるとかっていうの、あるじゃん?
つねさん ああ。あれ、実は女社会じゃなくて、
男社会なわけ?
ジョージ だけど、あれもね、最終的にはほとんどが、
お局さま1人がなんか、へこんで、
他のみんなが仲良くなるっていう、
これは女の世界なんだよね、やっぱり。
ノリスケ うん。
ジョージ でも、男はね、最後までそうだからね。
つねさん あ〜。
ジョージ も、追い出されるまで、そうだから。
ほいで、追い出されるでしょ?
そいつが追い出されると、
たとえば10人いて、1人追い出されると、
残った9人の中で、また1人、
って放りだされるから、怖いよ〜。
つねさん ああ、犠牲者が出るのね。すげ〜。
ジョージ 怖いっ。
つねさん 怖いよ〜。
ジョージ 僕、ほんとにあれだよ、
オカマに生まれて良かったと思う。
つねさん ワッハッハッ!
(つづきます)

2001-07-25-WED

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