ノリスケ |
女の子からカマかけられたり
聞かれたりするのって、
聞きはしないで欲しいな、っていうの、
あるんだけど(笑)。
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ジョージ |
うん、そうだねー。
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ノリスケ |
ズケズケ聞くようなメンタリティの
女の子と、友だちではないけど。
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つねさん |
でも、たまにやっぱり、あったよ。
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ノリスケ |
でも、聞きたいだろうな、って思う。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
ただ、あれだな。
「あなたってホモ?」って言われるほうが、
「あなた、なんで私にこんなに優しいの?
私の気持ちが分かるの?」って
聞かれるよりは、楽よ。
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ノリスケ |
あ〜。
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つねさん |
そうね。
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ジョージ |
「あなた、ホモ?」って言われたら、
「ウンっ!」て言えば、それで済むけど、
「あなた、なんで私の考えてることが、
そんなによく分かるの?」って聞かれたら、
「だって僕も女だもんっ」
て言うしかないんだもん(笑)。
それじゃあ、答えにも何にもなんないもんっ。
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ノリスケ |
聞くときにはどうしたらいいか、
っていう話は?(笑)
単刀直入に聞いたほうがいいのか?
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つねさん |
聞かないほうがいんじゃない?
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ジョージ |
聞かれるシチュエーションにも
よるんだろうけど。
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ノリスケ |
よるよね。
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ジョージ |
たとえばね、たとえば、もし女の子が、
「お前、処女?」って聞かれて、
それで、素直に「違う」って、
何の抵抗もなく答えられるような
メンタリティの持ち主であれば、
だれかれかまわず
「あんたホモ?」って聞いていいよ。
そんなことだよ。
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つねさん |
そうだねー。
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ジョージ |
処女とホモはいっしょ。
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ノリスケ |
そっか。……そうなのか?
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ジョージ |
誰も処女かとは聞かれたくないでしょ?
で、とくに、この女、
絶対に処女じゃないよなっていう女には、
聞かないじゃん?
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ノリスケ |
そうだね。置き換えてみると……、
誰もホモかとは聞かれたくない。
で、とくに、この男、
絶対にホモじゃないよなっていう男には、
聞かない。そうだ、そうだ。
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ジョージ |
ね?
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つねさん |
セクハラだよね。
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ジョージ |
で、たとえば、
10歳ぐらいの女の子に「処女?」。
ま、酷な話だよね。そういうふうに思って、
置き換えて考えていただければ。
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つねさん |
あんた、10歳、処女じゃなかったじゃん。
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ジョージ |
ありゃっ!
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ノリスケ |
ありゃりゃりゃっ!!
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つねさん |
ありゃっ。……ま、それは置いといて(笑)。
でも、結局、話さないっていうことはさ、
あんまり話したいもんじゃないんだよね。
だって話したいんだったら、
さっき言ったカミングアウト小僧みたいに、
だれかれかまわず言いたいわけだから。
そこらへんは察してあげてほしいよね。
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ノリスケ |
そうだね。
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ジョージ |
ん、たとえば、
ゲイであることを売り物にして
生きているような人たちには、
どんどん聞いてもいんだと思うんだよ。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
たとえば、その、
オカマ言葉を操って、仕事してる。
たとえば、美容師かなんかで、
すっごいナヨナヨしたオカマ言葉使って、
なのに、けっこう、
彼女がいるみたいどうとかこうとか、
っていう人に対して、
「ホモなんですか? それとも、
どっちともいけるんですか?」
って聞くのはね、失礼じゃないと思うんだよ。
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ノリスケ |
うーん。
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ジョージ |
だって、それを売り物にして
商売してるんだから。
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つねさん |
そうねー。
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ジョージ |
だけどね、がんばって生きてるお兄さんなのに、
たまに小指が立っちゃったりとか。
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つねさん |
つつましく生きてて。
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ノリスケ |
キャーとか、つい言っちゃうとか。
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つねさん |
たまに声が裏返ったりとか。
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ジョージ |
給湯室にゴキブリが出てきたら、
まっ先にキャーッとかって
逃げちゃう、のにヒゲ面で、
短髪の人をつかまえて、
「もしかして、ホモですか?」って聞くのは、
もう、聞かれた瞬間に、
彼はケツの穴ギュッと絞まって、
もう、天地逆転するぐらいに、怖いのよっ!?
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つねさん |
あ゛〜。
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ジョージ |
あ゛〜、って。やっちゃった、
やっちゃった、やっちゃった、って
もう一晩中反省会しちゃうんだよ。
自分のどこがダメだったんだろう?
独身なのに、いつもパリッと
糊の効いたシャツを着てるのがいけないのかしら?
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つねさん |
カラオケでミニモニ歌ったのがダメなのかしら?
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ジョージ |
普段着でPapasしか着ないのは、
やっぱりやめなきゃいけないのかしら?
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ノリスケ |
知らないうちに腰から歩いてたのかしら?
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つねさん |
着メロがアイドルだったのは、
ダメなのかしら?
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ジョージ |
エディ・バウアーはそろそろ
止めなきゃいけないのかしら?
とかって、一生懸命反省会をするの!
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つねさん |
それは酷だよね。
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ジョージ |
そう、酷。で、そういうときには、
その、聞く前に、たぶんそうだろうな、って
ずっと思えば、それでいいんだよ。
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ノリスケ |
うん。
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ジョージ |
たぶんそうだろうな、だけど、
たぶんそうであることによって、
もしその人から、
何の迷惑も被ってないんだったら、
あえて聞かないほうがいいよね。
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ノリスケ |
そうだね。
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つねさん |
そうね。ああ、そうだよね。
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ジョージ |
そう。でもね、たとえば、たとえば、
たぶんそうだろうなー、
って思ってる人のとこに、
なんか知んないけど、
毎日毎日夕方ぐらいに
男から電話が掛かってくるとか(笑)。
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つねさん |
ごめんね(笑)。
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ジョージ |
あるいは、急に誰かが訪ねてくるとか。
んで、会社の出口の電信柱の陰でもって、
ヒゲ生えたおじさんが
ウルウルしながら待ってるとか。
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つねさん |
それ、やられたことあるでしょう?
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ジョージ |
そういうのを見たときには、
どうしようかなー? 聞いてあげようかなー?
なんか困ったことないんですか?
ぐらいの愛情は注いでもいいかな?
と思うよ(笑)。
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ノリスケ |
いやあ、うっかり出ちゃう自分っていうのが、
なんか、時々反省するよ。
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つねさん |
ああ、あるんじゃないの?
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ノリスケ |
こないださ、クィーンズ・シェフで
(註:伊勢丹経営のスーパーマーケット)
買い物してたらさ、
小学校3・4年ぐらいの男の子がね、
豆腐を投げて遊んでたの。
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ジョージ |
ああ。
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ノリスケ |
パックの豆腐だけど。
で、落としたりしてんの。
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ジョージ |
あ、許せないね。
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ノリスケ |
許せない、でしょう?
で、こんのやろう、って思って、
何て言って怒ろうかって決める前に
口から出ちゃったのが……
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つねさん |
出ちゃったのが?
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ノリスケ |
「おやめなさいっ」(笑)。
「お」が付いてるの。
しかも、裏声なのお〜〜〜!
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ジョージ |
やった。やっちゃった。
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ノリスケ |
「お」が!
……子供、ポカーンとして。
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ジョージ |
男のおばさんに叱られちゃったー。
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ノリスケ |
もーお、あれは反省したよ。
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ジョージ |
でも、たとえば、あれだよね、人を見て、
この人独身だからそうじゃないのかしら?
っていうのは、まず、見当違いだよね。
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ノリスケ |
あ〜。
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ジョージ |
それと、この人、
物腰が柔らかくって女っぽいなー、
っていうのだけでも、やっぱり見当違いだよ。
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ノリスケ |
んー。
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つねさん |
でも、短髪でヒゲで、物腰柔らかかったら、
たぶんそうだね。
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ジョージ |
確率はかなり高いけど、でも、
もしかしたらデザイナーさんかも知れないよ。
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つねさん |
あー、そっかそっか。
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ジョージ |
何なんだろうねー。たとえば、えーっと、
一緒にエレベーターに乗って、
男の人と2人っきりになったときに、
急にオドオドし始めたりとか……
ノンケは、オドオドしないんだよ。
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つねさん |
あ、わかるよ。
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ジョージ |
まず、空気が変わって、
ネットリとした感じになってくるのよ。
で、急にオドオドし始めて、で、
どこ見ていいのかわかんなくなって、
ソワソワし始めて、ずーっと、
階数表示の斜め上45度かなんかを見て、
で、エヘンとかってせき払いをし始めたら、
ああ、この人は緊張してるんだって、
わかるでしょ。
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ノリスケ |
あー。わかる。僕もそうだ。
そのことを覚えていた友人の奥さんが、
ずいぶんあとから言ったもん、
エレベータで二人になったときの
態度で、ああこの人は、
女の人に興味がないんだなって思った、
って。
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ジョージ |
そうよね。でもだからって、いきなり
「ホモだわ、ホモだわ」って言わないでね。
女と2人っきりで緊張するっていうことは、
いい人なのね、って思えばいいんだよ。
そうかな? って思わずに。あ、いい人なんだ。
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つねさん |
そっか。
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ジョージ |
だって、ジャンケンポンでいうと、
男は女に負けるんだよね。
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ノリスケ |
はい。女がグーで男がチョキってこと?
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ジョージ |
そう。で、オカマは、男に勝つんだよ。
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ノリスケ |
あ〜。じゃ女ってこと?
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ジョージ |
ちがうの。さらに、女はオカマに勝つの。
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つねさん |
じゃ、女がいちばん強いの?
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ジョージ |
女がいちばん強ぉーいの。
だってぼくたち、弱いもーん、なんか。
女に襲われたらどうしようって思わない?
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ノリスケ |
ああ、おそろしいっ。
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つねさん |
うん。
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ジョージ |
僕、昔ね、やっぱり今みたいに
居直ってなかったころ?
いつかは結婚しないといけないのかも知れない、
っていう脅迫観念に襲われて、
かなりな頻度で、
目が覚めると女が腰の上に乗っかって、
暴れてる夢を見て、
ギャーッて目覚ましたことあるもん。
息止まりそうだよー? そんとき。脂汗かいて。
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ノリスケ |
やだー。やだやだやだっ! こわいっ!
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ジョージ |
やでしょー?
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ノリスケ |
考えたくないー。
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ジョージ |
それ、すーごい怖いと思うよ。
ほんっとに。だからいたわって、
オカマのことー。女の人は絶対いたわって。
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つねさん |
いじめないで、って?
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ジョージ |
いじめないでっ。
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つねさん |
お願いだから、そうなの?
って聞かないで(笑)。
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ジョージ |
そー。で、つついちゃダメ。
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ノリスケ |
(笑)
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ジョージ |
道に落ちてる犬のウンコつつくみたいに、
絶対つついちゃダメっ。
ま、ウンコみたいな存在でもかまわないから、
つついちゃダメー。
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つねさん |
そうね。
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ジョージ |
ほっといて。したら、
勝手に乾いてどっかに行くから。
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ノリスケ |
次回は? また来週くらいに、お話しましょ。
テーマは……
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ジョージ |
次回は、涙よ。泣いたこと!
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つねさん |
エバンゲリオンの22話じゃないです。
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ノリスケ |
なんで、そういうこと……オタクッ!
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ジョージ |
あなたは、泣いたことがありますか?
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