プロテスタンティズムの倫理と
資本主義の精神
マックス・ヴェーバー
岩波文庫 ¥903(税込)

ボク、大学で経済学部に入ったんだけど、
オカマが経済を勉強するっていうのは
すっごい大変なことだと思った。
ほんとは文科系に行きたかったわけよ、
ボク、こうは見えても
通訳士になりたかったのよね。
それで、J大の外国語科も受かって、
で、K大の経済も受かってて、
どうしようっていうときに、
お袋からね、あんた、外国語出たって
つぶしが効かないわよって言われて。
で、ま、気の迷いで
経済学部に入ったようなもんなの。
それで記念すべき一番最初の授業に、
経済原論ていうのがあって、
それの教科書がこれだったの、
『プロテスタンティズムの倫理と
 資本主義の精神』、すっごいでしょ。
まず、プロテスタンティズム、
これ、オカマに全然関係ないじゃない。
資本主義っていうのもまた
オカマらしくないじゃん。
どうしよう! と思って。
でね、またこれがね、
退屈な授業でもあったんだけれど、
でもね、この本はいいこと書いてたの。
なぜ、なぜね、資本主義社会というのが
ヨーロッパに生まれて、
アジアで生まれなかったのか、
その原点にあるのはプロテスタンティズムで、
それは勤勉と節約と貯蓄という精神であると。
聞いた? 勤勉と節約と貯蓄よ!
これこそね、どういうのかな、
“反ほがらか”なわけじゃん!
資本主義社会で生きて行くっていうことは、
ほがらかであることを、一回、棚上げして、
苦手な勤勉と節約をやんなきゃいけないんだよ。
貯蓄も必要なんだよ、
貯蓄が全ての経済活動の
原資をなしているわけだから‥‥ていうのに
気が付いたわけよ。18歳のジョージくんは!
でもね、気が付いたんだけど、
それが実践できてるかどうかはまた別な話。
だけどやっぱり頭の片隅で、
そういうのはあるわけ、
だから‥‥丸の内のOLのみなさまも、
勤勉はどうでもいいから、
節約と貯蓄、は頑張りましょうねって
エールを送りたいの。
今度のボーナスが出たら、
そのボーナスのほとんどを使って
エコノミークラスで
バリのピタマハに行きましょう‥‥それもいい、
それもいいけど、ちょっと我慢して、
二回分のボーナスを蓄えて!
バリ島にビジネスクラスで行って
アマンリゾーツに泊まりに行きましょう!
それが『プロテスタンティズムの倫理と
資本主義の精神』ですっ!

とじる