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墨攻(1〜8) |
原作・酒見賢一 作画・森秀樹之 |
小学館 各¥610(税込) |
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戦いを勝ちに導く為の戦略戦術というものを
指南し、それを実行に導くための
様々の責任を取る人が墨の民族。
悲しい物語なの。あの‥‥
戦いに負けるかもしれないという国の王様が
その戦略士を一人雇って戦略を組んで、
戦いに勝ちそうになるのよ。
で、勝ちが見えた瞬間に王様は
もしこのまま勝ってしまったら彼の手柄になって
自分の地位が危ういと思って
彼を追放してしまうんだよね。
すると、負けていくんだよ。
これってね、人をリードすべきトップの人間は
いつも最良の決断をするとは限らないという事が
分かる、すごい悲しい物語なんだよ。
しかも、その最良の決断を妨げる一番の理由が、
勝ちに行くための道具としての人‥‥の役割が
終わってしまった、ということ。
戦術、戦略家とかという人は
有事のときに必要だけれども、
平時のときには必要でないということなんだよね。
そうするとたとえば会社の中で、
あの人はものすごくバリバリ働いてる
素晴らしい実力の持ち主だという人が
いつも必要とされて、いつも大切な人かというと
そうでないということなんだよね。
これはね、経営者から見たらね、すっごい切ない。
たとえば企業が成長してるときに
力を出してくれた人が、
企業の成長が止まったときにも
必要かというと決してそうではなくって、
その人がやることによって
負けのサイクルに入っていって
しまうかもしれない。ならばそのときに
その人をクビにするという判断まで含めて
戦略家は雇わないといけないんだ、
っていうようなね、厳しい物語です。 |
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