京都
「知りあいの宿」を
つくろう。
夏休み、京都は案外空いている。




ほぼにちわ。もうすぐお盆ですね。
京都では、8月16日の夜に
「大文字」(だいもんじ)と呼ばれる、
お盆の送り火があります。
日が暮れてシルエットとなった山々に、
まっ赤な「大」という炎の文字が浮かび上がります。
暑さがピークになるこの時期にあっても、16日前後は、
京都の町は人でいっぱいになるんですよ。
(もし、15、16日にご宿泊の予定があれば、
 お申し込みをお急ぎくださいね!)
さて、ほぼ日「知りあいの宿」銀閣のサカベさんに、
京都の甘味について訊こうかな、と
電話の受話器に手をかけたところに、背後から、
独特のイントネーションをもった声が
飛び込んできました。
「どぅも、すいませ〜ん。いてはるやろか?」
なんと! サカベさんと森さんが、
東京魚籃坂の明るいビルに
ひょっこりおいでになったのでした。

どぉも、こんにちは。サカベですぅ。
あ、森ですぅ。
いや、東京もあっついですなぁ。
── どうしたんですか!
遠いのに、急に、東京まで来て!!
ちょっと用事があって東京に来たんですけど、
お会いしたくなってねぇ! 急に来てすいません。
みなさんからいつお問い合わせがあってもいいように、
「ほぼ日」専用ケイタイは、
このようにいつも持ち歩いております。


これが、サカベさんが持ち歩いている
「ほぼ日」専用ケイタイです。
「ほぼ日」を通じて、たくさんのみなさまに
京都へ、「銀閣」へ、おいでいただいています。
みなさま、ありがとうございます!
── いま、お電話しようとしていたんですよ。
ちょうどよかった。
京都の甘味について
お伺いしようと思ってたんですが‥‥
そうですね! でも、
この時期は、大文字をはじめ、
京都ではいろんなイベントがあるんですよ。
「ほぼ日」を通じてのお客さまにも
イベントに関するよく質問をいただくので、
まずはそれをお伝えしたいと思うんです。
書きなぐりですけれども、
サカベの案内メモ
どんどんできあがっているんです。


みなさんの質問によって
どんどん充実していく「サカベメモ」です。
── わー、すごいメモができつつあるんですね!
京都の夏祭りの有名どころといえば、
祇園祭と大文字、あとは、花火大会ですね。
でも、せっかくサカベさんにお訊きするんですから、
あまり有名でないものも、知りたいところです。
それやったら、
「興味ある人はめちゃめちゃ行きとうなる」という
通ごのみの、京都の行事をご紹介しましょか。
そらもう、地元の人さえ
知らんもんばっかり

ご紹介しますよ!
── そんな極端な。
まずは、8月10日まで、五条坂で
夏の陶器まつりが開かれます。
五条通の両側で、陶器がわんさと売られるんです。
最後の日は安くなりますよ。
でもいいのは早く売れてしまうので、お早いめに。
── 京都は、夏に陶器市が
そこここで開かれますからね。
陶器をまとめて安く買うチャンスです。
でも、10日までですから、
はやく行かないとだめですね。
同じく10日までで、
西福寺(せいふくじ)にて、
六道まいりが行なわれます。
── 冥界への入口があるといわれる、
六道ですね。
ええ。そのお寺で、
夜に、ふだんは見ることのできない
地獄絵図が公開されています。
ぐずぐずになっている人とか、
ガリガリの骸骨とか、
いっぱい描いてあって、
こわいですよ。
── こわいこわい!!
でも骸骨がガリガリなのは、当たり前ですよ!
こわいけど、行ってみたくなりました。
すでにすごく地元密着型情報になってきていますが、
ほかには、ありますか?
六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)では
8月10日まで萬燈会があります。
ここは、重要文化財の空也上人像で知られていますが、
このお寺で、「大」の形の人形文字に点火して、
先祖の精霊を迎えます。
── 「先祖」って、誰の?
地元の人の。
‥‥まあ、この時期はお盆ですから、
「先祖を迎えて、大文字で送る」儀式が
あちこちであるんです。
── 地元の人の霊を迎えても、ちょっと‥‥。
そうですよねぇ。
うーんと、ほな、ちょっと毛色を変えましょか。
これまた9日〜10日
島津創業記念資料館特別無料公開があります。
ノーベル賞を受賞した
田中耕一さんの受賞メダルを見れますよ。
── またもや10日までですか。
ギリギリですね。
見れるのは、メダルのほかに?
ノーベル賞受賞対象になった技術
展示されています。
── 技術の展示!
はい、技術が見られます。
あとは、日本最古の顕微鏡とか、暗箱式カメラ、
パイプオルガンなど、明治から昭和初期の
めずらしい機具も展示されています。
まあ、科学に興味のある方には、
おもしろいんじゃないかと。
── そうですね、この機をのがすと
見られないような気もしないでもないけど、
京都まで来て、科学は、どうかなぁ?
あれ? 京都といえば田中さん、じゃないのかな?
── どんどん分野が
限られてきているような気が。
ほな、これではどうでしょう。
本が好きな人に、耳より情報!
8月11〜16日に、下鴨神社の境内で
納涼 古本まつりが行なわれます。
約40店の古書店が参加し、
80万冊以上の本が出ますよ。
── それは大規模だ!
京都の神社で古本に見入るというのも、いいですね。
観光で時間が限られているときは、
ちょっと無理かもしれないけど。
そこに行くと、何か特別なイベントがあったりします?
お楽しみ抽選会がありますよ!
── お楽しみ‥‥。
何が当たるのかな?
ああ、何が当たるのかは、
わからないんですけどねぇ。
‥‥でも、ほんま言うたら、
昼間の神社でセミがジージーいうてるとこで、
ぐぐーっと古本見るのは、
あっついですわ。
── では、この「納涼」というのは。
うそですねぇ。


「サカベメモ」にも、
納涼に「うそ」と書き込みが。
── 暑さをも忘れて見入るのが真の本好き、と、
こういうことですね。
もうちょっと日付が遠くて、
とっておきの情報って、ありますか?
では、とっておきをご紹介しますよ!
松上(まつあげ)というんですけれども、
川原に立てられた
松の形をした高さ20mの「大笠」と呼ばれるものに、
松でできたヒモの先に火がついた
松明(たいまつ)1000本余りを
一斉に投げて点火する、火の祭典があるんです。
これは、いいですよ!
わたしは、大文字よりおすすめです。
── おお、すごい!
1000発の火種で、バーッと燃えあがるんですね。
運動会の玉入れみたいにね、
四方八方からワーッと点火するんです。
すごいですよ。
── これは、いつ行けば
見ることができるんですか?
8月15日、24日にあります。
場所は、日によって違うんですが、
花背(はなせ)、広河原(ひろがわら)、
雲ヶ畑(くもがはた)など、
京都の中心からちょっと離れたところなんですよ。
まわりにお店がないので、
お夕飯は、町なかで食べてから行くほうが
いいと思います。
300名限定の、鑑賞バスというのに
乗って行きます。
── 観光バスではなく「鑑賞」バスなんですか。
はい、鑑賞バスというやつに。
大人は2000〜2300円くらいで、
これは、必ず予約がいります。
開始時間が夜の8時とか9時なんで、
帰りがめっちゃ遅くなるのが難点ですね。
ですから、夜11時くらいまで
起きていられる人限定です。
子どもさんとかは、
眠たぁ眠たぁ(註:すごく眠く)なります。
── 場所が遠いですからね。
見に来てる人は多いけど、ほんまに静かなところで、
ボワーッ!と燃える大きな火を見るのは、
すごいですよ。
その鑑賞バスの会社「京都バス」に電話して、
ちょっと訊いてみますね。
── 行動が早いなあ。

だいじょうぶ、まだ空きはあるそうです。
これ、ほんと、おすすめですよ。
電話で予約をしてから、
はがきが送られてくるシステムになっていますので、
ご希望の方は、早いめに
お問い合わせしてみてください。
(「京都バス」の電話番号は
  075-871-7521です)

── では、最後に、
「ほぼ日」の読者の方ならではのイベントを、
お教えください!!
そうですねぇ。えーっと、
これなんかどうでしょうかね?
── 何、なに?
8月31日の日曜日、午後1時30分〜2時
京都市動物園の100周年記念で、
アカゲザルについての
飼育などのエピソードを
職員が話す
、というのがあります。
── アカゲザルの飼育!?
何か京都と関係が!
雨天のときは、延期になるみたいですね。
── たった30分間なのに!
「ほぼ日」やから、この際おサルを見とかんと、
と思われたら
ぜひ足を運んでくださいね。
── はあ、ありがとうございます。
知らないことだらけで度肝を抜かれました。
じゃあ、本題の「京の甘味」について
お話しましょうか。
あ、もう帰らなあかんわ。
お客さん待ってはるし!
また「銀閣」から電話しますわ。
ほな!!
あかんわ、こら。
京都でお待ちしてますわ!
バターン!
── ‥‥疾風のように去っていく
森さんとサカベさんでした。
甘いものの話は、また次回、
火曜日につづきます。
みなさん、おたのしみに!

2003-08-08-FRI

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