京都
「知りあいの宿」を
つくろう。




この「知りあいの宿」企画がはじまって、
季節がひとめぐりしようとしています。
「知りあいの宿」のサカベさん、
また来ましたね、夏が!


サカベ
梅雨だというのに、この暑さ!
ちょっと出歩いたら、
へにゃへにゃになります。
── わたくしも最近、体力に限界が‥‥。
旅にでも出てゆっくりしたいのですが、
京都の夏は、その、暑いですよね。

サカベ
たしかに京都は暑いです。
しかし、暑さをはらう知恵は、すごい!
── よく考えれば、昔はクーラーのきいた部屋は
ありませんでしたし、
車も地下鉄もなく、
移動はいつも炎天下だったんですよね。
歴史の知恵を活かす、しかも暑い京都では、
どんな暑気払いの方法があるんですか?

サカベ
まずは服装があかんのですよ。
夏はゆかた。
これしかない!
── サカベさん、だんだん
「言い切り」キャラになってきましたね。

サカベ
言い切っているのには理由があるんです。
見つけましたよ、
3500円〜で浴衣と帯と下駄を
そろえられる
店を。
しかも、いいですか。
レンタルではなく買い取りです。
着付けもしてくれます。どうや!
(※祇園祭の時期7月13〜16日には、
 着付けはできません。
 この時期以外なら、きものお買い上げの方に
 着付けをしてくださいます)
── レンタルではなく、買うのですか?
3500円で? それはすごい。

サカベ
「みむろ」という呉服屋さんがご提供です。

みむろ
京都市下京区烏丸通り松原西入ル北側
075-344-1220(ご担当:上田さん)

ぜひ、お問い合わせくださいね。
ゆかたでリメンバー日本のこころ!
酷暑で疲れたからだをいやす旅に出発しましょ。
── 出発したくなってきました。

サカベ
きゅうり封じというのがありましてね。
── 突然、きゅうりですか。

サカベ
きゅうりに名前と年齢をつけて
ご祈祷をしてもらい、
からだの悪いところを
そのきゅうりでさすって、川に流すと、
病気を持ち去るといわれているんです。
きゅうり代が1000円かかるんですけども。
── ということは、きゅうりは持ち込み不可、と。
いや、それはきっと、
きゅうり代というわけではなく、
ご祈祷のお金ですね。
きゅうりに「名前と年齢をつける」とは?

サカベ
自分のことでもいいし、
おじいちゃんに具合の悪いとこがあったら
おじいちゃんの名前でもいいんです。
きゅうり封じは
7月20日、21日と8月20日に御室仁和寺
五智山蓮華寺で
行われます。
一方、神光院で行なわれるきゅうり封じは、
祈祷したきゅうりを、病名を書いた紙で包み、
からだの悪いところをなでて庭に埋めます。
こちらは19日と21日です。
── 方法はちがえど、
病はすべてきゅうりで封じ込めるんですね。

サカベ
きゅうりで封じたあとは、かぼちゃをどうぞ。
かぼちゃ供養というのがありましてね。
鹿ケ谷(ししがたに)かぼちゃって
食べたことあります?
── 京の伝統野菜、鹿ケ谷かぼちゃですね。
たぶん食べたことはないです。

サカベ
ほんまに? いやー、
きっつぅ、おいしいんですよ。
土用の日にかぼちゃを食べたら
中風にかからない、
という言い伝えがありまして、
1日だけ、鹿ケ谷の安楽寺で、
かぼちゃの無料接待
があるんですよ。
(安楽寺拝観料400円がかかります)
7月25日はぜひ、かぼちゃを食べに
いらしてください。
── お医者さんに行く前に、昔の人は
季節の野菜を取り入れた風習で
からだをいたわることを
こうやって考えていたんですね。

サカベ
びわ湯というのもありましてね。
これも鹿ケ谷に近い真如堂(しんにょどう)で、
暑い夏をしのぐのに、ぴったりのお茶が
ふるまわれるんです。
(拝観料500円がかかります)
びわ湯というのは、
びわの葉のほかに、6種類の葉が入った
お茶のこと。
真如堂の宝物を虫干しする行事で
このびわ湯が出されるので、
宝物も見学できるんですよ。
こちらは、かぼちゃと同じ7月25日です。
── 7月後半は、京都でからだをいやす旅が
できそうですね。

サカベ
もっと早い時期だと、
ハスの葉酒というのがありましてね。
宇治の三室戸寺というお寺なんですが、
えーっと、
ハスの葉っぱで酒を注ぎ茎より酒を飲む
たいへん珍しい体験が‥‥
── サカベさん、セリフが棒読みになってますよ。

サカベ
いやじつはわたくし
これだけ行ったことがないんですよ。
まえまえから、おもしろそうやなあと
思てるんですが。今年は、行こうかな。
7月4日、午前9時から先着500名です。
料金は入山料とあわせて1500円。
── ハスも薬膳の一種なのかもしれませんね。

サカベ
薬膳! いいこと言わはりますねぇ。
今日は、夏にぴったりの、
からだにうれしい、とっておきのお店を
ご紹介します!!
京料理ではありませんけど、
暑くてちょっと調子悪いかな、というときにも
ぜひ寄ってみてくださいね。

素夢子古茶家(そむしこちゃや)
京都市中京区烏丸三条西入
075-253-1456
10:00〜21:00
水曜休業
★おすすめメニュー
 オーガニックカレー \1000


漢方茶専門の薬湯を出すお店なんです。
カレーや冷麺(水キムチつきで\1000)なども
おいしいし、店のたたずまいもいい。
いろんなお茶がおいてありますよ。
胃もたれには漢方茶、
疲労回復には10種類の漢方が入った
十夢母茶などがおすすめです。
Chinese 兪(ゆう)
http://chineseyoo.fc2web.com/
京都市下京区新町仏光寺上ル船鉾町397-1
075-351-7750
11:30〜22:00
月曜休業
★「ほぼ日」をお読みのみなさまだけの
 夏バテ防止特別メニュー
 宮保鰻魚(コンポーマンユイ) \1200(単品)

この中華料理屋さんのご主人は、
薬膳料理も得意なんです。
「ほぼ日」のみなさんのために、
からだにいい一品を考えてくださいました!
それは宮保鰻魚、
うなぎと加茂なすのピリカラ炒めです。
材料は、うなぎ、加茂なす、しめじ、ねぎ、
甘長トウガラシ、赤ピーマン、クコ、しその葉、
山椒粉など、からだにいいものばかり。
この宮保鰻魚は、メニューには載っていないので
「ほぼ日(ほぼにち)を見て来ました」と、
ご主人に言ってみてくださいね。
お昼は、750円のランチや
定食のコース1050円もあります。
1050円のコースは、サカベおすすめ!です。

「ほぼ日」スペシャルの
からだにやさしい一品、うれしいですね!
京の伝統野菜「加茂なす」は、
血糖値の上昇を抑え、
糖尿病、肥満を防ぐ働きがあると
いわれているそうですよ。
昔の人びとのように、ゆかたを着て、
きゅうりに病を封じ、夏の野菜で暑さをしのぐ。
この時期に、京都の「昔の夏」へ
出かけてみるのもいいですね。
7月からはまた、「知りあいの宿」の料金が
お得になります。

 

2004-06-30-WED

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