に
「知りあいの宿」を
つくろう。
京都のオンシーズン中のオンシーズン、
秋がやってきました。
どこを歩いても美しく、
何を食べてもおいしい。
この季節は、どこを切っても
「いい京都」が出てきます。
う〜ん、行きたいですねえ、京都!!
サカベ
ほぼ日テレビガイド男子部
のみなさんは
おいでになったんですけどねぇ、
なんや、体育会系の仕切りで
テキパキしたはりましたよ。
──
昨日まで、男子部が失礼いたしました。
ほんとうはくっついて行きたかったんです、
空のきれいな、歩いていて気持ちのいい、
秋の京都へ!
サカベ
なんやかんや言うて、
秋の京都はいうことなしです。
いうことなしのなかでいちばんいうことないのが
食べもん
です。
──
ですよねえ。
丹波の松茸に、湯豆腐‥‥、
サカベ
そんな高いもんばっかり食べてたら
京都のもんは破産してしまいますよ。
今日は、京都の
錦(にしき)市場
から
ほんまにおいしいもんを
ご紹介しましょ。錦市場は、
「錦(にしき・『に』にアクセントです)」または
「錦小路(にしきこうじ)」とも呼ばれています。
食べもの屋さんの並ぶ錦市場は
寺町から高倉までの細い道を指すのですが、
すぐに歩き切ってしまえるような通りです。
平安建都からある道で、ひとたび通りへ入ると
町屋が残っていたり、
店の奥に日本家屋の古い柱が見えたりします。
──
京都へ行くと、錦市場へは
いつも寄りますよ。
たったひとすじの通りなんですけど、
いわゆる「京の台所」的な場所ですね。
だいたいは、おみやげ用に、
新幹線に乗る2時間前くらいから
お総菜を買い込みはじめます。
旅から帰宅したときの軽い晩ご飯にも
「京都」を味わえるので、おすすめです。
サカベ
錦には、昔ながらのお店が多いです。
あるお店のおじさんが
「160年になったか、うちも‥‥」
なんて、ふつうにおっしゃっていました。
──
ひゃくろくじゅう‥‥、
まあ、ふつうなんでしょうね。
サカベ
最近は、祇園の遊び方も変わってきているから、
それを支える錦市場も
変化してきては、いるんですよ。
でも、サカベは、
新しいお店は紹介しません。
──
え!(しばし固まる)
うわー!!!
京都っぽい発言です。
サカベ
リニューアルされたお店はご紹介しますけどね。
──
ひえー!!
サカベ
ま、冗談ですけどね。
──
は、ハハハ。
サカベ
なぜわたくしが、
料亭ではなく
デパ地下ではなく
錦をおすすめするかというと!
──
というと!
サカベ
●
ちょっとずつ買える
●
お手ごろ価格で京都を味わえる
●
おっちゃんおばちゃんが、いい!
この3つの理由からです。
サカベがご紹介するお店は、
味もさることながら、
おっちゃんおばちゃんが
ものすご、いいかんじの方ばかり。
京都弁のふれあいを楽しんでくださいね。
敷居は高くありません。
「ひとつでも買うてくれはったら
よろしいよ! おおきに!」
と、買ったものをおばちゃんから
直接手渡される、これがいい!
ほんまに、いつ行っても楽しいところです。
たとえて言うなら、
駄菓子屋さんに行ったときの
感覚に似てますかねえ。
──
あの
「欲しいものがどっさり並んでいる感覚」
ですね。
サカベ
買わんとこ、と思ても、
買ってるもん。
──
では、さっそくご紹介いただきましょう。
サカベ
まずは、
森食品
。
はったい粉やそば粉、
うき粉、よもぎ粉などを扱っています。
──
は、はったいこ‥‥?
サカベ
きな粉よりこまかくで、
おだんごにつけてコネコネする粉です。
水あめにまぶす粉、というか。
──
これはまた、京都っぽいですね。
サカベ
そうですかいな?
──
和菓子をつくる人にはたまらないでしょうけど‥‥
和菓子用の粉を店のいちばん前で売ってるなんて
京都でしかないんじゃないでしょうか。
さすが錦、地元密着。
サカベ
そんなこと言わんと、観光の方も
買うてくださいよ。
──
いや、おだんごコネコネしないですし‥‥
サカベ
ほな次!
エビいろいろ、
大安
さん。
──
お魚屋さんですね。
タイのアラ200円。安い!
サカベ
ここはエビが有名なんですよ。
お料理屋さんに卸してるええエビから、
家族で食べる用のお手軽バージョンまで
いろいろと種類があって。
おいしいんですよ、ここのエビ!
──
へえええええええ。
写真ではエビは奥に写っていますが
一尾70円〜350円まで、種類がありますね。
こういうのも、
上野のアメ横とはまた違う雰囲気で、
こぢんまりして京都っぽい。
見ているだけでおもしろいですね。
サカベ
そんなこと言わんと、観光の方も
買うてくださいよ。
──
持って帰るの、タイヘンですし。
帰り際だったら大丈夫かもしれませんが‥‥。
ここはひとつ、友達へのおみやげに
できるものがほしいですね。
サカベ
ほな、おみやげにぴったりの!
田邊屋
(たなべや)のかつお節。
花かつおを、袋づめして売ってます。
ここのかつお節は、ほんまに
味も香りもよろしい。
おだしをとって、おすましにしたり、
冷や奴の上にチョコンと乗せたり。
──
じつは、京都で食事をしたときに
いちばん感動するのが
「だし汁」のおいしさなんです。
ここのかつお節を使うと、もしかして‥‥
サカベ
‥‥いけますよ。
──
だしのとり方なんかもついでに訊いたりして。
軽いし、友達へのおみやげにもいいですね。
ちょっとかさばるけど。
サカベ
おだしひとつで、料理の味が
ぜんぜん変わりますからね。
ちなみに、
あづま屋
という調味料屋さんの
ご主人が言うことにゃ!
──
言うことにゃ!
サカベ
「うまいもんつくるには
調味料!」
──
なんかすごい説得力!
サカベ
そういう意味で言うと、
あづま屋は京都の老舗の味を
ぜんぶ集めた店です。
糸井重里さんがお好みの
祇園「原了郭」の黒七味や一味なども
置いていますよ。
そして、みそはオリジナルで
本格的においしいです。
こまかい調味料を詰め合わせにもしてくれるから
おみやげにいい!
──
どれを選んでも、
はずれがないということですね。
サカベ
きっつぅ、おすすめです。
このあづま屋さんは、200円で
ほうじ茶のソフトクリームも出しているんですよ。
毛氈の席がありますから、
買い物途中の休憩にどうぞ。
──
ほうじ茶の?
サカベ
はい。ふつうはお抹茶ですよね。
そやけど、ここはほうじ茶。
──
じゃ
、茶色いんですか?
サカベ
そうです。
香ばしくて、おいしいんです。
買物疲れも吹っ飛びますよ!
じゃ、ここから本格的に
お酒にピッタリの京のおばんざいを買いに、
行ってみよぅー!
──
サカベさん、ちょっと行数の都合上、
おあとは次回にしてもよいでしょうか。
サカベ
ハッ!
京都のもんは、ほんま話が長くて、
このコンテンツをお読みのみなさん
毎回すんません。
では、次回、
ヨダレをふくタオルを用意してお待ちください。
錦の食散歩、
もりだくさんすぎて次回へ持ち越しです。
秋の「知りあいの宿」プランは
新しい料金で、
秋の終わりの11月30日まで続けます。
2004-09-28-TUE
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