京都
「知りあいの宿」を
つくろう。



3月に入ったとはいえ、
寒い毎日がつづきます。
「ほぼ日」の明るいビルでは風邪が大流行。
京都ではどうでしょう、
「旅館 銀閣」のサカベさん!


サカベ
ジャーン!


── なんですか、この、おいしそうな‥‥
おでんですか?


サカベ

京都は、お大根であったまってます。
ふふふふ。
京都京都言うたかてね、寒い季節の料理は
湯豆腐だけやあらしまへん。
聖護院かぶらをはじめ、淀大根など
大根は、京都の伝統野菜のひとつでも
あるんですよ。
今日は、サカベとっておきの
おいしい大根の料理が食べられるお店を
ご紹介しましょう!
サカベのいっつも行ってるお店です。
どの店にもやさしいご主人がおります。
ひとりでも行けます。
気を遣わんでよろしい。
もうね、ほんまに、思い切ってご紹介します。




── うっわー、
だしがしみて、おいしそうです。
メモには「清子さんの大根」と書いてありますが、
これはどこのお店の大根で?

サカベ
あ、これは私の母がたいた大根です。
店とは関係ありませんでした。
── なんでお母さんの料理の写真が
まじってるんですか!

サカベ
京都ではしょっちゅう家で
大根を食べてますにゃわ、
ほほほほほほ!
さ、行くよ。
── はい。
(清子さんというのはお母さんの名前?)


サカベ

まずは、五条烏丸の近くにある「あんけ」
お野菜の天ぷらや
小芋のたいたん(煮もののことです)、
アスパラバター焼きなど
野菜のお料理が上手なお店なんですが、
大根のおでん、最っ高です。


細く伸びた入口。京都ならではの風情です。


おでんの大根。しっかり味がついています。

── よだれが出ます。

サカベ
大根もええけどね、
ここではぜひ最後に、
鯛茶漬けを食べてくださいね。
どんな美食家の方でも「おいしいおいしい」と
言ってお帰りになります。
お番茶のお茶漬けでね、
いりごまがかかっていてね、
鯛の身がまた、ぶあついんだ。
お茶碗のふたを閉めて3分間待つんだね。
がまんできなくって、のぞいたりしてね‥‥。
── ううう、わかりました。
大根のあとは鯛茶漬けを必ず食べます。
ここのお店は、ひとりで入っても大丈夫ですか?

サカベ
ぜんぜんどうもないよ。
やさしいご主人がいらっしゃいます。
京都の街なかのことを
よう知ったはるので、
いろいろ話しかけてみてください。


「あんけ」ご主人。ひとりでもお気軽にどうぞ。
── やさしそうなご主人ですね。
こういう店を一軒知っていたら心強いです。


サカベ
次に、仏光寺の木屋町を下がったところにある
「豊(ゆたか)」
このお店が出す大根も絶品です。
── ここも、おでんの大根ですね。


あっさりした色づきですが
お味はしっかりしみこんでいます。


サカベ
ご主人は、ごっつう大きい方なんです。
昔、砲丸投げをしたはったんです。


大根に愛情をたっぷりそそぐ、豊のご主人。

この図体の大きいご主人がね、
大根がお鍋のだしから浮いていないかどうか、
お箸でしょっちゅうチェックしはるんですよ。
「よしよし」てなかんじでね。
ご夫婦でやってらっしゃるお店で、
いっぽう奥さんは
ハードル飛んだはったんですけどね。
── 旦那さんは大根を終始箸でさわる砲丸投げ選手、
奥さんはもとハードル走者。
楽しく迎え入れていただけそうなお店ですね。

サカベ
このご主人も、京都のことに、
特に花街界隈のお店にくわしいので、
いろんなことを訊いてみてください。
和風ハンバーグや
和風カレー丼などもおいしいお店です。
そして、京都の大根というて
忘れたらあかんのが。
── 忘れてはいけないのが?

サカベ
千枚漬けです。
京都に千枚漬けのお店はたくさんありますが、
サカベのおすすめは
「村上重(むらかみじゅう)」



高瀬川のほとりに暖簾をあげて170年。
聖護院かぶらを使った、ここの千枚漬けは
最高です。
昆布と塩加減のバランス、ぬめり、
すべてがエエんです!


── 千枚漬けは冬の味覚なので
急いで買いにいかないといけませんね。

サカベ
千枚漬けはほかの漬物にくらべて
値段が少々高めなんですけれども、
おすすめです。寒い時期にしかないものね。
それから、この季節に
ぜひ味わっていただきたいのが、かぶら蒸し。
かぶら蒸しは、かぶら大根をすりおろして、
なんやかんやして、
あんかけにしたものです。
── (なんやかんやして?)

サカベ
「河久(かわひさ)」のかぶら蒸しは、
鯛、百合根、海老、しいたけ、アナゴ、
銀杏などが入ってて、
えらい具だくさん。
ぐちゃぐちゃに混ぜて、
わさびでいただきます。
これは、からだがあたたまります。


河久はお昼も営業しています。
もちろんランチでも「かぶら蒸し」は注文可。
── おなかにやさしそう。
この、かぶら蒸しを持っているのは
ご主人ですか?




サカベ
若ご主人です。
この方のお父さんがご主人で、
池部良さんに似ていて、男前です。
桂三枝さんにも似ています。
── ‥‥なるほど。
ではご主人の男前ぶりもたのしみに
うかがいたいと思います。


サカベ
冬の大根は、ほんまにみずみずしいよ。
春をすぎると、
カスカスになりますからね。
── みなさん、なるべく3月のうちに
大根を味わいに行きましょう。


サカベ
大根は、ほんまに
京都の冬の味覚の代表ですからね。
なにせ、京都には、
大黒さんが大きい大きい
ふたまた大根を背負うてはる絵馬が
あるくらいですから。
── 大黒さまがふたまた大根を?
どこの神社で?

サカベ
それがね、
7、8年前にどこかで見て、
以来ずっと気になって
探しつづけているんです。
私はいったいあれをどこで見たんでしょうか。
── うーん、ほんとに見たんですか?

サカベ

疑ってる?
えーっとね、こんなやつです。


サカベさんのイメージを絵にしたもの。

── ‥‥ほんとの話ですか?

サカベ
あ、疑ってる!
このページをごらんのみなさま、
ご存知の方がいらっしゃったら
この絵馬について、
お教えいただけないでしょうか。
ほんまにずうっと見つからないから、
長いこと心のなかの
「サカベの七不思議」にしまってあるんです。
── 七不思議に?

サカベ
ええ、七不思議のひとつめは、
「新京極の四条から三条に向かう道は
 なんで坂道なのか」。
これはペラペラペラペラ‥‥
(以降、「サカベの七不思議」の説明がつづく)

大根を背負った大黒さまについて、
ご存知の方、postman@1101.comまで
どうぞメールをくださいね。
では、残り少なくなった寒い季節、
大根をふうふう食べ、
春が来るのを待つことにしましょう。
鍋の底でしっかり味をしみこませた大根が
京都であなたをお待ちしています 。


「ニュー銀閣イン」の
朝ごはん


こんにちは。
「ニュー銀閣イン」フロントの安西です。
「ほぼ日」の知りあいの宿プランで
たいへんご要望の多かった、
「ニュー銀閣イン」の朝食ができました。
トースト、コーヒー、卵、ちいさいサラダに、
お好みのジャムまたははちみつがついて、
210円です。



朝、ホテルでゆっくりすごしたいみなさん、
どうぞご利用ください。
(ニュー銀閣インに
  お泊まりの方が対象です)



2005-03-07-MON

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