サカベ |
最近、もんのすご、寒いですよ。 |
── |
東京も寒いですよ。 |
サカベ |
いや、ちがう。寒さが、ちがう!
足もとからヒュワーっと冷えて
全身が芯からつめとおなって、
きっつう寒いんです。
しつこい冷えなんです。 |
── |
足もとから伝わる冷え‥‥、
おそろしいですね。 |
サカベ |
そんなときに
いくら暖房で体をあたためても、
なかなかうまいこといかへんのです。
中身からあたためないと!
つまり、早くあったまる方法は、 鍋しかない! |
── |
言い切りますね。 |
サカベ |
底冷えの土地柄からか、
京都は鍋料理がさかんです。
しかし、この「知りあいの宿」のページを
ごらんになってお問い合わせいただくみなさんは、
じつは、ひとり旅のお客さまが多いんですよ。 |
── |
「ひとりde鍋」は、ちょっと勇気が要りますね。 |
サカベ |
そこで!
ひとりでもおたのしみいただける
鍋料理を出すお店をご紹介いたします。
しかも、サカベよりぬきでおすすめの
30〜40年の歴史ある、親しみやすい、
いいお店ばかり。 |
── |
おお、これは保存版ですよ、みなさん。 |
サカベ |
京都のお鍋というと、
湯豆腐を連想すると思いますが、
実際は、鶏鍋や、すき焼きが多いです。 |
── |
意外と肉系なんですね。 |
サカベ |
寒いときにはあっさりしたものより
ちょっとお味がついていたほうが
よろしいときがあるんです。
それに、旅行中、会席料理ばかりだと
飽きてしまうでしょ。 |
── |
なるほど。 |
サカベ |
お鍋というても、ひとりで
目の前で火をグツグツさせるのは
ちょっと気が引ける、という方も
いらっしゃるでしょう。
ここでは、お店の人がこしらえて
アツアツのままに出した鍋をいただく、
というスタイルのものを、おもにご紹介します。 |
── |
鍋焼きうどんスタイルですね。 |
サカベ |
京都では、そうやってひとりで
鍋を注文する人が多いんですよ。
湯豆腐かて、家庭では
ひとりずつの鍋で食べることもあります。
まず、ひとつめにご紹介するのは
サカベが昔から通っている、 風景というお店です。
風景の、かき鍋。
風景は、昼も夜も営業しています。
四条高倉の大丸さんの裏、
錦小路通り入口近くの角のビルです。
ひとりでも安心して入れる家庭料理の店で、
鍋の具は、かきのほかに、豚、鶏、うどんすき
から選べて、980円です。
揚げものやサラダ、
定食(1100円〜夜でもOK)などもあって、
ボリュームいっぱいのお店です。
おなかが減っていて、
いろんなものを食べたい方におすすめです。
ここのご主人は、ジョン・レノンのファンです。
|
── |
この、右に写っているのがご主人ですか? |
サカベ |
いいえ、残念ながら、
この写真を撮ったときには
ご主人はいらっしゃらなかったんです。
ご主人は、むかし
「ジョン・レノンのファンなのに
ジュリーに似ていると言われて困る」
と嘆いていましたが、
はっきり言いまして、ジュリーにも似ていません。 |
── |
そうですか‥‥。
「松チャン」と呼ばれている、
人気のご主人だそうです。 |
サカベ |
次は、四条河原町近くの 珍竹林(ちんちくりん)。
高瀬川に面していて、
45年は続いているお店です。
ここでは、ひとり鍋の、
すっぽん鍋、石狩鍋、寄せ鍋、鴨鍋
などがあります。
昼も夜も営業しています。
どれもおいしくて、
お値段はそれぞれだいたい1500円くらい。
雑炊や釜飯の単品もあるし、
おいしいお茶漬けやおにぎりを
鍋の仕上げにいただくと、
おなかいっぱいになりますよ。
ここの雑炊は
体がものすごあったまります。
珍竹林の、かき雑炊。
だしまきも、おつまみ類も
上品でとてもおいしい。
おつまみの持ち帰りもできます。 |
── |
ううー、行きたいです。 |
サカベ |
しかし、ひとつだけ
気をつけなくてはいけないことが。 |
── |
なんでしょう? |
サカベ |
ここのご主人が眠くなるからか、
21:00くらいに突如ラストオーダーが訪れます。 |
── |
お酒が飲みたくなるようなお店なのに‥‥。 |
サカベ |
そのあたりのいさぎよさが魅力でもあります。
どうぞ珍竹林には、早めに行ってくださいね。
そして次は、
嵐山は天竜寺の向かいにある、いわを。
京都で湯豆腐といえば南禅寺界隈が有名ですが、
庶民の、ほんまの湯豆腐を味わいたいなら、
いわをを覗いてみてください。
湯豆腐600円。
豆腐まるごと一丁は入っています。 |
── |
豆腐に自信あり、といった風格を感じます。 |
サカベ |
いわをは、安くてほんまにおいしいです。
天とじ丼(プルプルの卵で地元大人気)と
湯豆腐をセットで召し上がることを
おすすめします。
親子丼やうどん、にしんそばもおいしい。
しかし、この店も、
ひとつ気をつけなければいけないことが。 |
── |
ジョン・レノン、眠くなるご主人、と来て、
次は? |
サカベ |
この店、あまりに人気がありまして、
混んでいます。いまの時期は、
並ぶと思っていたほうがいいでしょう。
ただ、ひとりだと相席にさせてもらえるので、
順番が繰り上がって中に入りやすいです。 |
── |
ひとりのときは、いわをに。
並んで、キューッと寒くなってから、
地元の人と相席して、
湯豆腐をたらふく食べましょう。 |
サカベ |
では、そろそろすごいのを登場させましょうね。 三嶋亭です。 |
── |
すき焼きの! |
サカベ |
そうです。
文明開化、明治6年より三条寺町に創業。
1階がお肉屋さんになっています。
ここは、ひとりでは入りづらいかもしれないので、
おふたり以上で、会席にちょっと飽きたな、
というときにぴったりだと思います。
ここのすき焼きは、あまりコテコテしていなくて
どんどん食べられます。
先日、サカベ家3人で行き、
あまりにもおいしくて、
気がつけば糸こんにゃくと麩だけが
鍋に残っている状態となっており、
写真を撮るのをすっかり忘れてしまいました。
ですので、横の、よその人の鍋を
撮ってきました。
三嶋亭すき焼き。横のみなさん、
ご協力ありがとうございます。
横のみなさんです。
もちろん、掲載のご了解は得ています。
ありがとうございます。 |
── |
三嶋亭のすき焼きが好物、とおっしゃる方が
たくさんいらっしゃいますね。
それほどの名店です。 |
サカベ |
おいしいですよ、ほんまに。
そして最後は、ちょっと変わり種ですが、
こちらを。
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── |
これは‥‥街角で物資を配給? |
サカベ |
鳥長(とりちょう)という、
錦小路御幸町の鶏肉屋さんが
お店の軒先で売っている鶏鍋スープです。
この時期、京都はほんまに冷えるから、
こういうスープを出してくれはるんです。
白菜、鶏肉のお団子、ネギなどが入っていて、
一杯300円です。 |
── |
ここもまた、人気のようですね。 |
サカベ |
そうですね、この写真を撮ったときは
10人ぐらいが召し上がっていました。
地元の、錦の商店街の人は、
「お持ち帰り」をする人もいます。
錦で買物をしているとき、
ここでひと息つくと
おなかも満たされてうれしいかんじですよ。 |
── |
コーヒーを飲むかわりに、いいですね。
さて、「旅館 銀閣」は、
紅葉の時期は毎年予約が難しいのですが、
寒くなりましたので、
そろそろ大丈夫でしょうか。 |
サカベ |
今年の11月は、ありがたいことに
みなさまから
お問い合わせをいただいたにもかかわらず、
満室で、ほんとうに
申しわけございませんでした。
12月は、まだ空き室がございます。
どうぞ「旅館 銀閣」のホームページで
お調べいただくか、
「ほぼ日」専用携帯までお問い合わせください。 |
── |
「旅館 銀閣」にも、名物のお鍋が
あるとか? |
サカベ |
はい、雪花菜(きらず)鍋といいます。
白味噌におからを裏ごししたスープがベースの
ヘルシーな鍋です。
具も野菜もたっぷり。
京野菜、つくね、エビ、豚、はまぐり、鶏など
たくさんの具が入ります。 |
── |
豪華ですね。
宿の夕食で、いちばんいいポイントは、
食事のあとに、そのまま部屋で
ごろーんとできることですね。 |
サカベ |
専門のスタッフがていねいに
お客さまの前でお鍋をつくりますので、
前日までのご予約が必要です。
おふたりさま以上で、
おひとり5250円(付き出しつき)です。
「ほぼ日」プラン夕食つきご利用のお客さまは、
会席かお鍋か、どちらかをお選びいただけます。
(2泊のお客さまは、
2日目が雪花菜鍋になります) |
── |
これ、たいへんおいしそうなのですが、
チラシの写真しかありませんね。
鍋の実物を撮ったものは、ないんですか? |
サカベ |
森もおかみも食べているんですが、
これまた食べ終わるまで
写真を撮るのを
毎回すっかり忘れてしまうそうです。 |
── |
ハハハハ。 |
サカベ |
また、機会があれば送りますね。 |