MOTHER3について
糸井さんと伊集院光さんのマザー3トークの時におじゃまして、
その次の日に初めてマザー3にとりかかったのでした。
最初は一日一時間半と決めたはずだのに、
もちろん進むにつれてそんな制限は守れるわけがなくて、
(昔自分のこどもに「ゲームは一日一時間」と言っていたなあ、確かわたしは)
なんていうことを思い出したりして、でもすぐに忘れたふりをして、
五日めにエンディングをむかえました。
その次の次の日には二回めにかかって、
七日後にエンディングをむかえました。
またその次の日に三回目にかかり、
十日後に終え、そのまた次の次の日に四回目……。
八月のお盆直前の現在、十二回め、第八章のなかばの世界におります。
なんでこんなに繰り返しおこなってしまうのだろうかと、考えています。
一回めはただただ驚き、
二回めはマザー3の世界のことを少しがんばって考え、
三回めはがんばらないでゆっくり考え、
四回めにはそれまでの三回には全然気づかなかったことにちょっと気づき
(ぶたのこととか)、
五回めにはタツマイリのどの家に誰が住んでいるのかという家族地図をつくり、
六回めには合宿のひとたちの会話を書き取ったりしました。
うん。
やっぱりその。
おもしろいのですね。
だから、何回も、繰り返しおこなってしまうのですね。
いや、おもしろいものは、この世の中にたくさんあるんですよ。
でもね、いつまでたっても面白くあってくれるものは、なかなか、ない。
(よくさがせば、ほんとうはじつはあるけれど)
わたしがやるマザー3と、あなたがやるマザー3は、きっと、
ちがうんです。
わたしのマザー3があって、
あなたのマザー3もあって、
両方あって、
両方どころか、やったひとのぶん全部のマザー3が、
別々に、それぞれに、いろいろに、あって。
もっともっとやり続けると、
きっとゲームの筋や意味はわたしの中ですりきれてしまって、
ただ「マザー3の中の空間をただよっている感じ」に
なっていくような気がします。
うふふ。
ちょっとこわいですね。
こわくて、きもちよくて、へんで、かわいくて、
んーもう、な感じです。
そうそう関係ない話なんですけれど、
どせいさんストラップ(マザー1+2のときに手にいれましたのです)を
携帯電話につけていると、
なぜか満月をちゃんと毎回見られる
(満月の晴れた夜に、満月をちゃんと見る機会は、東京ではあんがい少ない)
のでした。
ふしぎ。
川上弘美
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