これほど発売を待望したソフトはなかった。
通勤電車で、ベッドで、お風呂で
(ちなみにGBAで発売されて
一番うれしかったのが、この“お風呂プレイ”)、
『MOTHER3』をコツコツとプレイしているときは、
文字通り“至福の瞬間”だった。
とある明け方、ベッドのなかで『MOTHER3』をクリアしたとき、
不思議と涙が出ることはなかった。
ものすごーく感動しているのだけれど
「一刻も早くこの気持ちを誰かに!」という興奮はなく、
気持ちがポカポカして、
なんだかボンヤリしてしまう感じ。
ああ、これが「奇妙で、おもしろい。そして、せつない」なんだ。
所詮は数字の羅列でしかないコンピュータゲームの、
しかも小さな小さなGBAのカートリッジに、
ありったけの幸福と、ちょっぴりの哀しみを込めた
糸井さんとスタッフのみなさんに、こころからの感謝を。
そして、Bボタンを長押し→離してダッシュ! で
野山をタタタタタっとかけめぐった“想い出”を
何度も何度も思い返しながら、
幸せな気持ちで、ぼくは眠りについた。
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