── |
さて、グッズから離れて
『MOTHER』の話も聞かせてください。 |
ボーズ |
はいはい。 |
── |
もう、ランダムイメージでいいんですけど、
思い出すのはどういう場面ですか。 |
ボーズ |
なんだろう。いっぱいあんだけどね。
『MOTHER2』の、キャラクターが、
すげえ小っこくなるのとかびっくりしたなあ。 |
── |
ああ。地底大陸ですね。恐竜とかいるとこ。 |
ボーズ |
そうそう! あれ、やられたよな!
あれ、ゲームの中でもトップ5に入るくらい、
「やられた!」って感じ。ショック。 |
── |
あのアイデアは、
開発者の糸井重里も自慢げに話してましたよ。 |
ボーズ |
でしょうね。あそこはやられたよなあ。
あれと、『ドラクエV』で
主人公が奴隷になっちゃうのとが、
ゲームにおける「やられた!」において
双璧かもしれない。ガーンっていう感じ。 |
── |
(笑) |
ボーズ |
とくに『MOTHER2』は、
そういう「やられた!」が
いっぱい入ってるんだよね。
すごく痛快に裏をかかれるようなことが
すげーそそるんですよ。
『MOTHER』シリーズって、
やっぱりそれが詰まってるからね。
もう、やられっぱなし。
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── |
やられた三昧(笑)。 |
ボーズ |
やられた三昧(笑)。
どせいさんとかも、ものすごい、やられますよね。
あの文字とかさあ。そういうものの多さがね、
やっぱり『MOTHER』だよなあって感じ。 |
── |
1作目でいうと、フライングマンとか。 |
ボーズ |
フライングマンねえ……。
ほんと、すげえこと思いつくよな、糸井さん。 |
── |
(笑) |
ボーズ |
感心する。ほんとに。やられるもんなあ。 |
── |
でも、なんていうか、
子ども相手にわかりやすい話じゃないですよね。 |
ボーズ |
うん。そうそうそう。
子どもがいちいち「やられた!」って
なるわけじゃないんだよな。
でも、なんか、こう、グサリと来るじゃん。 |
── |
残ってるんですよね、そのグサリが。 |
ボーズ |
変なこといっぱいやってるからね。
だいたいもう、キャラクターがいちいち変! |
── |
はい(笑)。 |
ボーズ |
いまだとカードとかフィギュアとか
子どもが集めたくなるようにつくってあるけどさ、
(攻略本の敵の写真を指さしながら)
『MOTHER』に関してはさ、べつに、
このモンスター集めて戦わしたくないじゃん。 |
── |
あははははははは。 |
ボーズ |
それは差だね、かなり。
『ドラクエ』とか『ポケモン』とくらべて。
こいつら集めて仲間にするのとか、嫌だもんなあ。 |
── |
1体1体の大きさとか、まるで把握できないし。 |
ボーズ |
メチャクチャだもんねえ、ほんと。
こいつはどういう大きさなんだ?
でかいのか、どうなんだ、っていう。
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── |
住んでる世界も食ってるものも
何もかも違うような感じですよねえ。 |
ボーズ |
一個の国のモンスターじゃないもんね。
だって、ツッパリのにいちゃんみたいな
そんなキャラもいるもんね。 |
── |
いるいるいる。最初は犬とかカラスとか。 |
ボーズ |
けど、全部でひっくるめてみると、
なんでこんなに統一感があるんだっていう。 |
── |
そうそうそう。 |
ボーズ |
それはたしかに不思議ですね。確かに。
こんだけムチャクチャな感じなのに。
そのへんのセンスが異常な感じしますよね。
やっぱ変なんですよね、やってる感じが何か。
よくわかんないけど。 |
── |
その、「変」も独特ですよね。
たとえば、たんに変わってりゃいいっていうのなら、
当時、『ドラクエ』が売れたあとに
キワモノっぽいRPGって
けっこう出たじゃないですか。 |
ボーズ |
うん、そうですね。 |
── |
そういうのが「変」っていうだけで
残ってるかというと、
そうではなかったりして。 |
ボーズ |
そうですよね。なんていうか、
年月で風化しない「変」さがあるんだよな。
確固たるポイントを抑えた「変」。
しかも総合力というか、
統一感みたいなのがすごく強くて、
こういう言い方すると
ちょっとずれるかもしれないけど、
アートとして成り立っているみたいな
感じがするんですよねえ。 |
── |
ああ、なるほど。
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