あの人の、
『MOTHER』の気持ち。
〜ボーズさん(スチャダラパー)の巻〜





第4回
「そろそろ下の糸井さんや田尻さんが」


ボーズ (攻略本をぱらぱらめくりながら)
ポップだよね、『MOTHER』は。
絵とか、色づかいがかわいい。
── なぜか古くさくないんですよね。
ボーズ うん。たしかに。
── フォーサイドの街の絵とか、
いま見てもすごくいい感じ。
ボーズ フォーサイドってどれだっけ?
あ、これか。あああ、ほんとだ。いいねえ。
── 当時は「でかい! 広い!」って感覚があって、
すごく印象に残ってるんですよ。
なんか、ゲーム史上、こんなに広いところない
くらいに思ってた(笑)。
ボーズ うんうん(笑)。ビルも高いし。
あと、『MOTHER』って、
フィールドと町の切れ目がないから
余計に広く感じるんだよね。
── そうそうそう。
ボーズ なんか、話してると思い出すなあ。
そうそうそう、『MOTHER』って広いんだよね。
マップも町も広くて、すごく歩くんだ。そうそう。
……そっか、町とフィールドの切れ目がなくて
わりとテクテク歩くっていうのは、
『ポケモン』で見慣れちゃったっていうのもあるな。

── ああ、なるほど。
ボーズ 『ポケモン』とスケール感が似てんだよね、世界の。
── 『ポケモン』をつくるとき、
開発者の田尻(智)さんの意識のなかにも
『MOTHER』はあったと聞いています。
もちろん単純な引用とかではなくて
リスペクトだったりアンチだったり
すると思うんですけど。
ボーズ そういうところ、感じるよね。
だから、『MOTHER』とか
『ポケモン』を見てて思うのは、
やっぱり、その、
もうちょっと下の世代の糸井重里が
こういういのを作んなきゃいけないんじゃないかな。
田尻さんがやった
その下がまたやんなきゃいけないみたいな。
── もうそんな?
ボーズ もうそんな。
そうするとまたね、きっと変わるんだよね。
── はぁ〜、そうかぁ。
ボーズ そんな感じがするんだよなあ。
『MOTHER』の世界って
当時はすごく変わったものだったけど、
『ポケモン』やってると当たり前になってくるし。
そういう感じで、
そろそろ下の糸井さんや田尻さんが
出てきたらおもしろいと思うんですよ。
── 「もうそんな?」とか言ったけど、
思えば最初の『MOTHER』から14年だし。
ボーズ もう、みんな親になってたりするでしょ。
── ほぼ日に来たメール読んでると、
最初の世代はそういう感じですね。
「子どもにやらせます!」とか。
「子どもにすでにやらせてます!」とか。
ボーズ そうなんだ(笑)。やべえよ、取り残されてる。
子どものほうからも来てるの?
── 来てます、来てます。
『MOTHER2』だと、
小学校のころ遊んでた人が
ちょうど二十歳くらいだから
直撃してるんですよ。
ボーズ ああ、そうか。
いまあらためてプレイすると意味がわかったりね。
なんか、いいなあ。いい話だねー。
う〜ん……にしても、キムタクは変わらないなあ。
── またその話ですか(笑)。
ボーズ 変わんなすぎてまずくねーかっていうくらい
変わんないよ。すげー。
── ボーズさん、人のこと言えないですよ。
ボーズ あいたたたた(笑)。
貫禄のつかないミュージシャンだからね。

── ありがとうございました(笑)。

2003-05-22-THU

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