お金をちゃんと考えることから
逃げまわっていたぼくらへ。

第11回 今のお金の哲学のもとは、徳川時代だと。


邱さんとdarlingの対談本をお届けしています。

立ち読みの話題のつづきは、日本人の
「お金にまつわる先入観」に移ってきていますよ。

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【今のお金の哲学のもとは、徳川時代だと思います。】

徳川時代から以後になると、
ひとつの藩の中で
収入はこれだけしかない、
と決められていましたよね。

収入をおコメでもらって、
そのコメをみんなに配る、
という方法になっていたから、
それまでとは、
だいぶ感覚が違ってくるんですよね。

もともとみんな
経済知識のない人ばかりでしょう。
藩の財政の仕組みが
どうなっているのかも知れないし、
五百石といっても
額面通りもらえていた藩なんて、
日本国じゅうでも
四つしかなかったそうですからね。
糸井 少なくても、がまんしてたんだ。
あとはみんな、
百五十石ぐらいとか、三分の一しか
もらってないようなものばかりなんです。
それなのにどうして
額面を五百石と記しているかと言うと、
額面が肩書を示していたから。
だから実質が伴わなくても
高くしたがったんですね。
糸井 「部長補佐」みたいもんだなあ。
そういう中で生きることになったら、
まあ考えたらみじめな話ですけど。
金はいらんというか、
「金のためにやってるんじゃない」
というプライドでもないと
生き甲斐がないでしょうね。

お金に対するそういうサムライ的発送は、
日本の国で、ここ三〜四百年くらい、
という感じがしますよね。
糸井 それは、短かいということですか?
日本の歴史の中で
そんなに長いものでは
ないのではないかなあという気がします。

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明日につづきます。


感想が素晴らしいので、
また紹介いたしまっす。

>「お金をちゃんと・・・」購入したいです。
>うちの父は建設業(型枠業)を営んでいます。
>何年も前から「今後は単価が下がる」ことを見越して、
>対策を練ってきましたが、
>予想以上に建築単価が下がっているらしいのです。
>(九州だけでしょうか?)
>父は悩んだ挙げ句、大工さんの給料を
>下げてもらうよう、お願いしたそうです。
>大工さんもツライだろうけど、
>父はもっとツライだろうな・・・と思います。
>
>色んな職業があって、どの職業も大変だと思うけど、
>大工さん達のお給料、仕事の量に見合ってないです。
>ユニクロや百均が流行っていて、
>「安いにこしたことはない」って思っていましたが
>物が安くなるということは、
>その分効率よく、多く売らないといけないのでしょうね。
>人件費を削減しないといけないのでしょうね。
>でも、体を使う大工さん達は、
>いくら道具を機械化したって
>一日にできる仕事量は限られています。
>人でないと出来ない仕事がたくさんあります。
>父は本当に悩んでいます。
>
>でも、父は
>「生まれ変わっても、この仕事をする」と言いました。
>それほど、今の仕事が好きなんですね。
>そんな父が私は大好きです。
>一日も早く、建設業に従事する人達が、
>そして父が
>安心して働けるようになりますように。
>
>この本を読んで、何か感じ取れたらいいな・・・
>私が読み終わったら、父へプレゼントします。
>
>(※編集部の判断で、匿名にいたしました)


みなさんからの感想メールは、
家族や友人や結婚している人との経済基盤を
いっけん生々しく語っているようですが、
何か、恥ずかしいものではないんですよね。

露悪主義でもなく、
美しく見せようとするわけでもなく、
という加減がすごいなあと思って、
毎日メールを読んでいます。

ありがとうございます。

2001-02-10-SAT

TANUKI
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