アジオ&アジコ |
博士、こんにちは! |
博士 |
やあ、こんにちは。
諸君はペットを飼ってるかね? |
アジオ |
ハムスターを飼ってるよ! 放し飼いで。 |
博士 |
放し飼いで? |
アジオ |
ケースの中じゃ可哀想だから。
でも立派に自立して、勝手に繁殖してるよ! |
博士 |
たいした生命力じゃな。 |
アジオ |
それまで家にいたネズミを
追い出しちゃったからね。
いまじゃ我が家の裏番長だよ。 |
博士 |
そりゃ飼育のレベルを超えとるな。
アジコさんはどうじゃ? |
アジコ |
私は黄色いカナリアを飼ってるわ。
夫婦ゲンカの言い争いに合わせて
実にキレイな声で鳴くわよ。 |
博士 |
夫婦ゲンカ featuringカナリアか‥‥
嫌なコラボレーションじゃ。
ところで今週の味写はペット特集だぞい! |
アジオ&アジコ |
わ〜い! 動物だ〜!! |
博士 |
と、いっても紹介する3枚は
全部ワンちゃんだけどな。
ペット写真にも案外、味写は多いもんじゃ。 |
アジコ |
むこうは動物ですものね。
カメラ目線でピースする相手じゃないもの。 |
アジオ |
でもそれだけに撮る方もギャンブルだもんね。
これは期待できそう! |
博士 |
うん。
動物相手にカメラを向ける。
考えてみればもうその行為自体が
味わい深いもんな!
では早速一枚目の味写から紹介しようかの? |
アジオ |
は〜い!
まず最初はハンドル・ネーム
やまさんからの作品で〜す!
|
アジオ |
なんだろう?
この写真全体に漂う不思議な空気感は。 |
アジコ |
このワンちゃんの表情も謎ね。
警戒心もない代わりに愛嬌もない。
撮影者はどなたなの? |
博士 |
投稿者さんのお便りによると、
これは彼自身が小学生のとき、
何気なく撮った愛犬の写真じゃそうだよ。 |
アジオ |
子供がなにも考えずに撮った、犬の写真か。 |
アジコ |
なにも考えてない者同士が醸し出す、
絶妙な距離感が味わい深いわね。 |
博士 |
そしてお互いの無欲ぶりが、
作品になんとも言えん透明感を与えておるな。 |
アジオ |
でもなんだか、よそよそしいよね。 |
アジコ |
ワンちゃんの視線も飼い主に向ける目じゃないわ。
人間に接する際の緊張感がないもの。 |
アジオ |
なんだかがっかりしてるようにも見えるね。
転校生が地味な肥満児だったときのような‥‥ |
アジコ |
デートに現れた彼が
上下ジャージ姿だったときのような‥‥
そんな目ね。 |
博士 |
犬はその家の家族関係を
しっかり見ているというからな。
多分、当時まだ小学生だった彼は
このワンちゃんにとって‥‥まあ、なんというか
そういう存在だったのかもしれんな。 |
アジオ |
つまり「ナメてもいい相手」ってこと? |
アジコ |
ハッキリ言わないの!! |
博士 |
しかし実は彼自身も少なからず
そのことは感じていたらしいな。
これと一緒に送られたもう一枚の写真には
このワンちゃんの別の一面が
見事に写し出されておる。
これがそうじゃ。
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アジオ |
お見事っ! |
アジコ |
会心のジャンプね!
どうぞ味わって下さいと言わんばかりの
一枚だわ! |
博士 |
ここはこのワンちゃんの気持ちになって、
一緒にジャンプしながら叫んでみたいな。 |
アジオ |
よ〜し、じゃあボクから!
「え?! 家電がすべて9割引だワン!!」 |
アジコ |
それじゃ、私も!
「大変よ! 金閣寺が燃えてるワン!!」 |
博士 |
ワシにも叫ばせて!
「ワオ!! 塀の向こうは
ムツゴロウ王国だワン!!」 |
アジオ |
「やったー! 裏庭にトイザラスが
オープンしたワン!!」 |
アジコ |
「キャ〜!! 叶姉妹が柿泥棒してるワン!!」 |
博士 |
「なんで?! また横山弁護士が
報道陣に囲まれてるワン!!」 |
アジオ |
「わっ!! 仮設トイレから
新郎新婦が現れたワン!!」 |
アジコ |
「ギャッ!! 笑点の人たちが
首だけ出して埋まってるワン!!」 |
博士 |
「スゲエ!! 銭湯の女湯に
機動隊が突入だワン!!」 |
アジオ |
は〜スッキリした! |
アジコ |
ジャンプしながらだと、
思いがけない台詞が飛び出すわね。 |
博士 |
うん、自分の中の秘めたる欲求が
正直に出てしまうようじゃな。 |
アジオ |
ロクな欲求じゃなかったけどね‥‥ |
アジコ |
でもこんなに汗かいた味わい方ははじめだわ! |
博士 |
これも動物写真ならではじゃな。
このジャンプがワシらの野生に
火をつけたようじゃわい。 |
アジオ |
よし!
じゃあ体も温まったところで
最後の作品を発表するよ! |
アジコ |
はい!
おしまいはハンドル・ネーム
卓球部員さんからの作品です!
|
博士 |
この一枚に関しては、
意図してペットを撮ったものじゃないんだが、
偶然が思わぬ味を出してしまった作品じゃ。 |
アジコ |
後ろの子犬ね!
一見、この強面のおじさんが連れてる
ペットに見えるけど‥‥ |
アジオ |
実はその後ろの女性が連れている子犬のヒモが、
うまい具合におじさんの手に重なってるんだね! |
博士 |
またこの男性が、微かに照れ笑いを
浮かべとるように見えるのも味のポイントじゃ。 |
アジオ |
「恥ずかしいけど、可愛いもん!!」 |
アジコ |
「だからいつも、一緒だもん!!」 |
博士 |
そんな、飼い主の心情が
伝わってくるような表情じゃろ? |
アジオ |
実際は飼い主でもなんでもないのにね。 |
アジコ |
ホントは阪神タイガースと集金のことで
頭がいっぱいなのにね! |
博士 |
決めつけるでない!
きっと自然と人類の共存について
真剣に考えてる最中じゃぞい! |
アジコ |
ごめんなさい!
そうね。きっと神様に
地球平和を祈ってきたばかりよね。 |
アジオ |
その立派な心がけが、この味写を生んだんだよ! |
博士 |
そうじゃな。
正しき者に対する神様からの粋なはからいが、
このキュートな作品を生んだんじゃろ。 |
アジオ |
今日は可愛い味写をみっつも見れて
最高だったね! |
アジコ |
ええ!
どのワンちゃんにも人間には出せない、
天然の味わいがあったわ! |
博士 |
ふむ。じゃあふたりともごあいさつじゃ! |
アジオ&アジコ |
は〜い!
やまさん、はーたーさん、卓球部員さん!
どうもごちそうさまでした!
とっても美味しかったです!! |
博士 |
うん、よい返事じゃ。
ではみなさん!
これからもこの中年ムツゴロウに、
味写という名のゆかいな仲間を
どしどし紹介して下さいな! |
アジオ&アジコ |
よろしくおねがいしま〜す!
|