博士 |
気にくわ〜〜ん!! |
アジコ |
ナニよ! うるさいわね!
プレハブ小屋で出す声量じゃないでしょ! |
アジオ |
ナニが気にくわないの? |
博士 |
祝日の多さが、
気にくわ〜ん!! |
アジコ |
いいじゃないの!
休みが増えて! |
博士 |
無職の中年には関係ないわい! |
アジオ |
じゃあ、黙ってろよ! |
博士 |
今週なんか三連休が2回じゃないか!
日本はこれで大丈夫なのか? |
アジコ |
アンタに心配されたくないわよ。 |
博士 |
やれ、年寄りに感謝だ!
昼と夜の日照時間が同じだ!
そんな理由でいちいち休まれて、
景気回復なんておこがましいわい! |
アジコ |
お年寄りに感謝して、
ナニが悪いのよ! |
アジオ |
そうだよ!
みんなお年寄りに対する感謝の気持ちで
胸がいっぱいなんだよ!
とても学校や会社どころじゃないんだよ! |
博士 |
じゃあ、秋分の日ってなんだよ!
休む理由にならんじゃろ! |
アジコ |
ナニ言ってんの!
秋分がどんな日か分かってんの? |
博士 |
だから、
昼と夜の時間が同じ‥‥ |
アジオ |
それは、ナゼ? |
博士 |
それは、地球が太陽の周りを
回っているからで‥‥ |
アジコ |
アンタ、地球がどんな思いで、
太陽の周りを回ってるか考えたことあるの? |
博士 |
‥‥ありません。 |
アジコ |
あきれた!
博士はこの星の住人として恥ずかしくないの? |
アジオ |
この星はボクたちのためを思って、
回ってるんだよ! |
アジコ |
地球が回るから四季も生まれて、
秋のグルメツアーも、冬の鍋パーティーも、
ヤマザキ春のパン祭りも出来るんでしょ! |
博士 |
そうじゃったのか‥‥
すまんかった。 |
アジオ |
ボクたちじゃなくて、
地球に謝れ! |
博士 |
‥‥ごめんなさい。 |
アジコ |
地面に謝って! |
博士 |
‥‥じめんなさい。 |
アジオ |
じゃあ己の無知を猛省しつつ、
早速今週の味写を紹介しなさい! |
博士 |
‥‥はい。
ではまず1枚目!
ハンドル・ネームSナオさんからの作品です! |
アジコ |
歩行者天国でみかけた、
大道芸人さんだって。 |
アジオ |
ここが天国なら、
このオジサンは天使だね! |
博士 |
なんて哀愁に満ちた、
天使なんじゃ。 |
アジコ |
しかも営業中ね。
この天使は。 |
アジオ |
どんな演し物なんだろう? |
博士 |
あくまで想像じゃが、さしずめ
人間ジュークボックスといったところかな。
あの小さなザルにお金を入れて、
左のリストから曲を選ぶ。 |
アジコ |
じゃあ、最初はあの上に開いた扉も
閉まっているのね。 |
博士 |
なにが起きるかは、
お金を入れてからのお楽しみってワケじゃ! |
アジオ |
え?
ということは料金前払い? |
アジコ |
一曲、いくらなの? |
博士 |
ザルの上に注目!
どうやら2百円じゃな。 |
アジコ |
2百円、
前払いで! |
アジオ |
扉が開いて、
このオジサン!? |
博士 |
なかなかの授業料じゃわい。 |
アジコ |
見物料でしょ!
失礼よ! |
アジオ |
でもいま演奏中ということは、
きっと誰かが2百円を捨て‥‥じゃなかった。
払ったんだね。 |
アジコ |
そうよね!
いったい誰がダマされ‥‥じゃなかった。
楽しんだのかしら? |
博士 |
‥‥手前の少女の表情が、
固いな。 |
アジコ |
なにか目の前の現実から、
必死で目を背けようとしてる表情ね。 |
アジオ |
後悔とプライドが、
幼い心の中でせめぎ合ってるよ。 |
博士 |
2百円も、
子供にとっては大金じゃからな。 |
アジオ |
こういう経験を通して、
少女は大人になっていくんだね‥‥ |
博士 |
しかしこれはあくまで妄想じゃ!
こんな素晴らしい演奏が2百円で聴けるなんて、
きっとお得じゃぞい! |
アジオ |
実際に聴いたら、
もう全財産を差し出しちゃうと思う!
お願い! 弟子にして下さい! |
アジコ |
強引なフォローねえ。
ではオジサンの実力を確信しつつ、
次の作品よ! |
博士 |
お次はハンドル・ネーム
いもこさんの作品じゃ! |
アジオ |
なんてとりとめのない、
エピソードなんだ! |
アジコ |
単に犬が追い払われるだけの話が、
写真とメールで、
こんなに事細やかに報告されるなんて! |
博士 |
しかもそれがインターネットで世界各国に、
発信されるのじゃ! |
アジオ |
情報化社会バンザイだよ! |
アジコ |
シェア(共有)しましょ!
このとりとめのない情報を
みんなでシェアするのよ! |
博士 |
しかし
「自然にシャッターを押した」という感じが、
実に素直に伝わる作品じゃな。 |
アジオ |
とりあえず犬のオブジェと、
犬が入ればよかったんだね。 |
アジコ |
そこに美味しいおかずとして、
ふたりのオッサンが写り込んで。 |
博士 |
中央に配された、公園のプレートがまた、
この位置にあることで独特の存在感を放っておる。 |
アジコ |
あらためて全体を見ると、
おとぎ話の一場面みたいね。 |
アジオ |
そう。
ひょっとして、
なにか隠されたメッセージでもあるのかな?
って気もするけど‥‥ |
博士 |
実はまったく教訓のない、
イソップ童話という感じじゃな。 |
アジコ |
この犬、
数秒後には追い払われるのね‥‥ |
アジオ |
だから、どうした?って話だよね。 |
博士 |
日常のエアポケットに、
もうなす術なしじゃな。 |
アジオ |
なんか久々に、
味写の原点に帰った気分だね! |
アジコ |
ホント。
ごちそうさまでした! |
博士 |
うん。では今週はここまで!
全国のヒマ人諸君!
これからもとっておきの珍味を
よろしくお願いいたしますぞ! |