博士 |
びえ〜ん!
先日、日本テレビでやってたドラマスペシャル
「火垂るの墓」を見逃してしまったぞ〜い! |
アジオ |
なんだって!
この非国民! |
アジコ |
原作者の野坂昭如先生に
謝って! |
博士 |
え!
原作ってあの野坂先生なの!
大島渚をマイクで殴った? |
アジオ |
そうだよ! |
博士 |
ダニアースの
CMに出てた? |
アジコ |
そうよ! |
博士 |
ダマされた! |
アジコ |
なによ。
ダマされたって。 |
博士 |
いや、なんかあまりにイメージが
かけ離れていたんで‥‥ |
アジオ |
仕方ないな。
じゃあ、このテープ貸してあげるから
我慢しなさい。 |
博士 |
おお、ビデオがあるのか。
ありがたい。
‥‥ん? なんじゃ。このカセットテープは。 |
アジオ |
テレビの側にラジカセ持って行って、
録音したんだ。 |
博士 |
昭和の子供か!
‥‥う〜ん。ところどころで家族の声が。
しかしこれはこれで味わい深い‥‥ |
アジコ |
ところでみんな、
火垂るの墓の名台詞といえばナニ? |
アジオ |
「滋養なんてどこにあるんですか!」
これ、ジブリアニメの方のセリフだけど。 |
博士 |
清太が医者に食ってかかるシーンじゃな。
こんなに切実なツッコミは聞いたことがないわい。 |
アジコ |
私は「おからの炊いたんもありますよ‥‥」よ。
節子が空腹で幻覚を見るシーンね。 |
博士 |
悲しいシーンなのに、つい
「おからのタイタン」? どんな星? と
気になってしまうな。 |
アジオ |
博士は? |
博士 |
ワシもアニメの方であった台詞じゃが
「泳いだらお腹減るやん!」じゃ。 |
アジコ |
無職の博士に
ピッタリの台詞だね。 |
アジオ |
ひょっとして博士が
就職しないのも‥‥ |
博士 |
働いたらお腹減るやん!! |
アジオ |
‥‥じゃあクダラナイおしゃべりも
終わったところで
今週の味写、発表で〜す! |
アジコ |
まずはハンドル・ネーム、
うえるりゃさんの作品よ! |
アジオ |
なんだろう?
この微妙にブレた少年の表情は‥‥ |
アジコ |
おかしいわ。
親子で電車に乗ってる子供の顔は、
もっと活き活きしているものよ。 |
博士 |
ウンコを
我慢してるんじゃないか? |
アジオ |
それはむしろ、お父さんの方だよ。
この口の結び方は間違いないね! |
アジコ |
オシッコを我慢してるんじゃない? |
博士 |
いや、それもお父さんの方じゃないか?
この伏し目がちな感じは怪しいぞい。 |
アジオ |
じゃあ、
オナラを我慢してるんだよ。 |
アジコ |
それだってお父さんの方よ!
お尻に力を入れてるのが一目で分かるもん。 |
博士 |
なんと我慢強い
お父さんなんじゃ! |
アジオ |
じゃあ、この子はきっと
そんなお父さんの気持ちを察して‥‥ |
アジコ |
この子はこの子なりに苦しんでいるのよ。
お父さんの力になれない自分を責めて‥‥ |
博士 |
心の優しい少年なんじゃな。 |
アジオ |
ウンコ、オシッコ、オナラ‥‥
せめてひとつでも自分が代わって
我慢してあげられたら‥‥ |
アジコ |
でもそれが出来ない
自分が悔しいのね。 |
博士 |
いや、
この少年は我慢してるぞい。 |
アジオ |
え?
なにを我慢してるの?
ウンコ? オシッコ? オナラ? |
博士 |
‥‥涙じゃよ。 |
アジオ&アジコ |
!! |
博士 |
大好きなお父さんがこんなに苦しんでいるのに、
なんの力にもなれない自分。
そんな自分に思わずこみあげる悔し涙‥‥
それをこの少年はいま、
必死でこらえておるんじゃ! |
アジコ |
なんて感動的なお話なの! |
アジオ |
じゃあ、お父さんから
顔を背けているのも? |
博士 |
いまにも泣き出しそうな自分の顔を
見られたくなかったんじゃよ。
それで思わず顔を背けてしまった。
この少年の顔が微妙にブレているのは
そのせいじゃ。 |
アジオ |
泣かせるよ!
でもあともう少しの辛抱だよ! |
アジコ |
次の駅でトイレに行けるわ!
がんばれ! お父さん! |
博士 |
ふむ。
では壮絶な生理現象と戦う、健気な親子に
エールを送ったところで次の紹介じゃ! |
アジオ |
はい!
お次はハンドル・ネーム、
プルリモンさんからのこの作品です! |
アジコ |
世の中なにが起こるか
分からないわよね。 |
アジオ |
まったく油断できないよね。 |
アジコ |
だっていままで電車の中で
普通におしゃべりしてた友達が‥‥ |
アジオ |
突然、宗教的な光に
包まれることもあるんだからね! |
博士 |
しかし目の前で友達がいきなり
神々しく生まれ変わるとは‥‥ |
アジオ |
友達の意外な一面だね! |
アジコ |
意外すぎるわよ!
それに本人は全くそのことに
気づいてないじゃない。 |
博士 |
宗教的な光に包まれながらも、
顔は思いっきり素だしな。 |
アジオ |
ズルイよ!
赤縁メガネで神々しいなんて! |
アジコ |
迷惑よ!
スウェットをイイ感じで着こなした女神なんて! |
博士 |
しかしこんな光に包まれると、
やはりなにかを期待してしまうな。 |
アジオ |
なにを期待するの? |
アジコ |
奇跡ね!
いったいどんな奇跡を起こすのかしら?
この教祖様は。 |
アジオ |
メガネを前後させて、
目を大きくしたり、小さくしたりする! |
アジコ |
それ、ケントデリカットの
芸じゃないの! |
博士 |
耳をでっかくする! |
アジコ |
マギー審司でしょ! |
アジオ |
声が遅れて出てくるんじゃ‥‥ |
アジコ |
いっこく堂! |
博士 |
五木ひろしの動きを
ロボット風に‥‥ |
アジコ |
それはコロッケ!
もう! どこが奇跡よ! |
博士 |
コロッケの芸は奇跡じゃないか!
彼のモノマネは単なる模倣じゃない!
あの芸は既に模倣の範疇を超え、
本人以上の本人を創造しとる!
それはもはや奇跡と呼んでよいのでは? |
アジコ |
なに熱くなってるのよ!
なにか「よいのでは?」よ!
バーカ! |
博士 |
いや、尊敬するコロッケ殿を
悪く言われたもんだから、つい‥‥ |
アジオ |
でも奇跡といえば、
こんな味写が撮れたこと自体が
奇跡じゃないかな? |
アジコ |
それもそうね!
奇跡を起こしたのはむしろ
撮影者の方かもしれないわ。
一瞬のシャッターチャンスで
友達を神様にしたんだから。 |
博士 |
ふむ。
ふたりにはこれからも友達以上、
教祖未満の関係で仲良くやって欲しいもんじゃな。
それでは今週はここまでじゃ。
来週もまた味な世界で
みなさんをお待ちしてますぞ! |
アジオ&アジコ |
チャオ〜! |