博士 |
諸君!
君たちは神の実在を信じるかね? |
アジオ&アジコ |
信じマ〜ス! |
博士 |
むむ。深淵なテーマに軽〜い即答じゃな‥‥。
まあよい。では君たちの信じる神様とは? |
アジコ |
私はロマンスの神様! |
アジオ |
ボクはエンタの神様!
博士は? |
博士 |
じゃあワシは‥‥
小僧の神様じゃ! |
アジコ |
さあ!
みんな自分の信じる神様にお祈りを捧げましょう!
ロマンスの神様!
どうぞこの冬、ゲレンデが溶けるほど
熱い恋ができますように‥‥ |
アジオ |
エンタの神様!
どうぞ笑点の円楽さんが
無事復帰できますように‥‥
そして山上兄弟がこれ以上成長しませんように‥‥ |
博士 |
小僧の神様‥‥
アンタいったい何者なんじゃ! |
アジコ |
ナニよ!
自分で言い出しておいて!
知らないの? |
博士 |
志賀直哉の小説なのは確かなんじゃが‥‥
題名のそこはかとない面白さのみが印象に残って、
実際は読んだことないんじゃよ。 |
アジオ |
見た目が小僧なんだよ。
きっと座敷童みたいな。 |
アジコ |
自分を神様だと言い張ってる、
ただの小僧じゃない? |
博士 |
いや、自分を神様だと言い張っている、
見た目が小僧の大人なんじゃないか? |
アジオ |
すごい迷惑な大人だね。
それは‥‥ |
アジコ |
じゃあ、早く祈りなさい!
その自分を神様だと言い張っている、
見た目が小僧の大人に! |
博士 |
え〜と‥‥
じゃあ‥‥
お互いがんばりましょう‥‥ |
アジコ |
クダラナイ‥‥ |
アジオ |
それじゃ今週の味写、
発表で〜す! |
アジコ |
まずはハンドル・ネーム、
レッドさんからの作品です! |
アジコ |
まずはお便りを紹介します!
冬の京都の京極通りの
小さな横道にはいったところです。
お年をめした男性二人が一点を見つめ
何かを待っているのか、見張りをしているのか
あまり見たことのない場面だったので
一枚とりました。
ついでに並んで一枚とっておきました。 |
アジオ |
「ついでに並んで」っていうのが
偉いね! |
博士 |
ふむ。お年寄りふたりでも充分面白い作品じゃが、
彼女が加わることで
さらに豊かな味わいを醸し出しておる。 |
アジコ |
ホント。
老人の佇まいに女性の好奇心が加わることで、
大衆の関心度もグッとアップした感じよね。 |
アジオ |
地元の町長選に、
マドンナ刺客が現れたような
驚きがプラスされたね。 |
博士 |
忘年会の上司の手品に、
若いOLアシスタントが加わったような
悦びがプラスされたわい。 |
アジコ |
彼女がこの作品にもたらした貢献度は
計り知れないわね。 |
博士 |
しかし気になるな。
視線の行く先が‥‥ |
アジコ |
いったいナニを
待っているのかしら? |
アジオ |
猫バスだよ!
この人たちは猫バスを待ってるんだよ。 |
博士 |
ずいぶんお年を召した
トトロじゃな。 |
アジコ |
かれこれ60年近く、
雨の日も風の日もここで猫バスを待っているのよ。 |
博士 |
その間に周りの景色も
すっかり変わってしまったな。 |
アジコ |
最初は緑の多い山道だったこの場所も、
いまは開発が進みこの有様よ。 |
博士 |
激安ビデオ店の入り口で、
猫バスを待つ姿は忍びないわい。 |
アジオ |
こんな環境じゃ
良質のファンタジーなんて生まれないよ! |
アジコ |
改めて、自然保護の大切さを
痛感する一枚よね。 |
博士 |
まったくじゃな。
ではこの状況でビデオ屋から出るに出られない
エロオヤジを想像しつつ、次の紹介じゃ! |
アジオ |
はい!
お次はハンドル・ネーム、
アニキ連絡くださいさんからのこの作品です! |
アジオ |
キマったね!
胸のすくようなスマッシュショットだ! |
アジコ |
七色の光を背負って、ダンスシーンにいま
ニューヒロインの誕生よ! |
博士 |
まさにコメント不要!
しばし彼女のミラクルステージを堪能せよ! |
アジオ |
ジャズダンスに屈伸運動を取り入れた
彼女のステップは、
この冬ブレイク間違いナシだよ! |
アジオ |
テクニックだけじゃないわ!
彼女はソウルで踊っているの!
躍動するボディから伝わる熱いメッセージ! |
博士 |
青春の美しさ、儚さ、そしてこっぱずかしさ!
その全てをこの小さな体で体現しておる。 |
アジオ |
後ろのバックダンサーたちも
要チェケだよ! |
アジコ |
素敵なフィーリングね!
そのセンスでは決して中央の彼女に
ひけを取らないわ。 |
アジオ |
ステージの熱狂が
手に取るように伝わるね。 |
アジコ |
散乱する紙テープが物語っているわ。
彼女たちの偉業をね。 |
博士 |
舞台はどうやら文化祭のようじゃな。
しかし校内でこんなステージを実現するには
様々な困難もあったハズじゃ。 |
アジオ |
「お前たちがダンス?」
そんなクラスからの
冷たい視線もあったんだろうね。 |
アジコ |
教頭からは頭ごなしに反対されたわ。
「ウチは例年通りにソーラン節だ!」って。 |
博士 |
だが彼女たちはくじけなかった。
人前ではソーラン節を踊るかたわら、
深夜の公園に集まって
血の滲むような特訓に明け暮れたんじゃ。 |
アジオ |
そして文化祭当日!
演目は予定通りソーラン節だったけど、
彼女たちには秘策があった! |
アジコ |
全校生徒が見守る中、
遂にステージの幕が上がる!
そして体育館に響いたその曲は! |
博士 |
ソーラン節のディスコREMIX!
東北の民謡を見事にアレンジした
ダンスミュージック! |
アジオ |
「なんだ! 君たち! この曲は!」と教頭。 |
アジコ |
「よく聞きやがれ!
こいつが俺たちのソーラン節さ!」
クラスの不良が言い返す。 |
博士 |
「私たちの負けですな。
ここは若者たちの好きにさせましょう」
教頭の肩を叩く理事長の優しい眼差し‥‥ |
アジオ |
一枚の写真にそんなストーリーが
隠されていたんだね。 |
アジコ |
伝説よね。
この日の文化祭はいまでも学園の語りぐさよ。 |
アジオ |
じゃあこの写真を撮った投稿者も、
きっと感激してるだろうね。 |
アジコ |
先輩の伝説を目の当たりにしたんだもの。
当然よ。 |
博士 |
その証拠に写真の裏をご覧なさい。
あの日の思い出がしっかり記してあるぞい。 |