博士 |
な、なんじゃ?
この土門拳ばりの迫力写真は! |
アジオ |
とても家族のスナップ写真とは思えない
迫力だね‥‥ |
アジコ |
なにか家族の幸せというよりも、
人間の生命力をテーマにしたような‥‥ |
博士 |
身内を被写体になんという重厚なテーマを
表現しておるんじゃ! |
アジオ |
お父さんは多分、
芸術家なんだね‥‥ |
アジコ |
従来のスナップ写真では
飽き足らなかったのよ。 |
博士 |
ふむ。
妻と娘を通して、
そこに戦後を生き抜く人間の逞しさ、
日本人のアイデンティティーを
表現したかったんじゃろう |
アジオ |
そして斬新な構図からは写真芸術の可能性、
前衛表現への挑戦が見て取れるね。 |
アジコ |
でも、
家族の本音としては‥‥ |
博士 |
もっと普通に
とって欲しかったじゃろうな‥‥ |
アジオ |
これじゃ娘さん、
ボーイフレンドに見せられないもんね‥‥ |
アジコ |
奥さんももっと美人に
撮って欲しかったでしょうよ‥‥ |
博士 |
このご家庭の家族アルバム、
じっくりと拝見したいもんじゃ。 |
アジオ |
さぞ志の高い
アルバムだろうね。 |
アジコ |
では家族写真の新たな可能性を発見したところで、
次の作品です。 |
アジオ |
お次はH・N マリさんの作品です。 |