天久聖一の味写道
味写道・その三

小学生の頃、通知表の成績が下がっていて、
オヤジに怒られると思っていた。
なんですか、その話。
じゃがオヤジはなぜか頭をなでてくれた。
どっかで聞いたことがありますね。
なぜなら講評の欄に
「野田くんは正直の上にバカがつく」と書かれておったからじゃ。
それ野田総理が党首討論で言った
子供の頃のエピソードじゃないですか。
ワシにもまったく同じ経験がある。
また嘘がはじまった。
君は正直の上にバカがつく。その上に天然がつく。
天然バカ正直?
その上に桃色、元祖、8時だヨ!がつく。
8時だヨ!元祖桃色天然バカ正直‥‥
その下に物語、ビヨンドがつく
8時だヨ!元祖桃色天然バカ正直物語ビヨンド。
なんなんですか、これ。
‥‥知らん。
オチは考えてからしゃべってくださいね。
それでは今週の味写道。
まずはH・N たかこたろうさまからの作品です。


味写No.516
「スケベ代表」
H・N たかこたろうさん

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わっ!妖怪サミット!
投稿者さまからのお便りによると、
祖母さまの飲み会のお写真らしいです。
さすが年の功じゃ。
これだけパーティーグッズを身につけておきながら、
全然浮ついた気配がない。
完全に着こなしてますね。
なんなんでしょう、このしっくり感は。
もしかするとこれが本来の姿かもしれん。
いつもは人間のふりをしてますが、
仲間たちの前では元の姿に。
「最近どうなの?スケベ代表は?」
「さっぱりよ。
 近頃の若い衆はスケベに無関心で。
 そういうモグラさんは?」
「お先真っ暗よ、モグラだけに。
 それよりアンタ、最近よくテレビ出てるわね」
そういえば向かって右のご夫人、
なんとかく高畑淳子さんに似てますね。
「そうなのよ、なぜかバラエティに呼ばれてる。
 あたしが映ると数字跳ねるみたいね」
実はほかの妖怪さんも来ています。



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「うん、私も見た。アンタひな壇定着してるわね」
「いまや視聴者のメインは中高年じゃからな。
 アンタみたいな熟女がちょうどいいのかもしれん。
 ピーーー!」
いまのアフレコは誰じゃ。
右側の鼻メガネのおばさんです。
なんだか評論家っぽかったので。
最後のピーーー!はオモチャの音です。
こうして夜な夜な集まっては、
世間話に花を咲かせておるんじゃな。
それではしっとりした妖怪オフ会に続いて、
同じくH・N たかこたろうさまからこの作品です。


味写No.517
「防衛の現場」
H・N たかこたろうさん

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後ろの防波堤に「歯舞群島眺望」と書かれておるが。
歯舞が見えるということは、
根室半島の納沙布岬だと思われます。
なんだか向かって左側がやけに物々しいの。
北方領土ですからね。
警備にあたっている自衛隊の方々でしょうか。
その割りには眺望を楽しんでるようにしかみえん。
群がり方が若干、修学旅行生っぽいですね。
そして右のご夫人、
おそらく観光だろうが地元民にも見えるな。
全身小豆色のコーディネートがそう見せるのでしょうか。
真ん中がら空きの構図も斬新じゃ。
警備の最中ですから。
遠慮がちにカメラを構えながらも、
いろんな要素を写したい。
それがこの不思議な味わいを生んだのでしょう。
緊迫感と長閑さが絶妙にブレンドした作品じゃ。
それでは次、H・N ばるばさんの作品です。


味写No.518
「消防ワルツ」
H・N ばるばさん

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なんと優雅な消防士さんじゃ!
お便りによりますと
町会の防災訓練で撮られた一枚だそうです。
投稿者さまからもいまにもワルツを踊りそうと
コメントいただいております。
緊急のときこそこうした優雅さが必要なのじゃ。
そういうものですか。
これはおそらく消火栓を探しているんじゃろうな。
ワルツのポーズで?
そして踊るようなステップでホースをつなぎ、
声高らかに連絡を取り合い、
あふれる想いを胸に放水を開始するのじゃ。
きらめく放水は秋空に美しい放物線を描くでしょうね。
そう、彼にとって消火活動は一種の芸術行為。
美しい消火のためなら多少被害が拡大してもかまわん。
なに言ってんですか。
目的は消火ではない。
いかに己の美意識を表現し観客を楽しませるか、
それが真の消防じゃないのか?
じゃないですよ。バカ!
この季節、
諸君らも火の元にはくれぐれもご用心くだされ。
味写道では随時諸君からの味写作品を募集しておるぞい。
郵送、メール、ツイッター送りやすい方法でよろしくじゃ。
それではみなさまの日曜に幸アレ!(茶柱)
2012-11-25-SUN
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