アムスでダンス。 J-POPはオランダの夜に流れる |
第1回 アムスでJポップ アムステルダムからこんにちはです。 リオ吉ともうします。 このたび「ほぼ日」で、 小生とその友人各位が当地で始めました J-POPカルチャーを広めるためのイベントのことを お知らせさせていただきつつ オランダのことなどを 書かせていただくことになりました。 よろしくお願い致します。 そのイベントといいますのは、 クラブベガスバージョントーキョー。 上の2点はこのイベントのフライヤー(ちらし)です。 ここヨーロッパでは 日本人向け日本語書店などに小さなコーナーが あったりはするんですが、 ごくごく一部のアーティスト (有名どころではピチカートやコーネリアス、 あるいは喜多郎さんなどといったところ)を除けば、 日本の音楽は、CDを買おうと思っても ほとんど売っていない、ラジオやテレビで 聞こうと思ってもほとんどかかることはない、 雑誌などのメディアで情報を得ようと思っても ほとんど載っていない、 のないないずくしであるのが実情です。 デザイン関係などのビジュアル物は 大きめな本屋さんで多少売っていたりもするのですが、 こと音楽に関して一般の、 特に音楽を追ってはいない欧州人が 日本の音楽を耳にすることは まずほとんどないと言ってもかまいません。 そんなわけですから、日本に特に興味を持っておらず、 アジアへも出かけたことのないような人々が抱く 日本の文化のイメージは、 高層ビル群を背景に黙々と職場へ向かう人々の群れや、 ロボットがキャシーンキャシーンと動く 自動車工場の中などで黙々と働く人々などといった 超近代的イメージでとまってしまっているか、 江戸の侍や忍者などの昔のものや、 フジヤマ・ゲイシャ・ウキヨエ・キモノしか 浮かばなかったりするかもしれません。 「クレヨンシンちゃん」や「千と千尋」は 大ヒットしてますし、ほとんどの人がスシは 食べたことがあるようにはなってきましたが、 まあ、これは、一般の日本の人々がオランダといったら、 チーズとチューリップか、 詳しい人で飾り窓とコーヒーショップが 出てくるぐらいであるのと同じような感じでしょうか。 んなわきゃねーだろ。 と、約6年半前にリオ吉がオランダに来てから、 いくつかのJ-popイベントを手探りでやってきました。 というのも、玄人的に音楽を聴いている人々の間では、 得にここ数年の日本の音楽の注目度は かなり高くなっているのです。 ライブハウスの人やクラブの人から 何か日本モノができないかと、 相談を受けることもときどきあるのです。 そしてこの十月から、 アムスのレッドライトディストリクトと呼ばれる、 飾り窓や、マリファナ売ってるコーヒーショップが たくさんある赤線地区、というか 規模の小さい歌舞伎町みたいなところにある 小さいけれど由緒正しい ウィンストン・インターナショナル (WinstonInternational)というクラブで、 このバージョントーキョーなるイベントが 毎月開催できることにやっとこさなったのです。 ぱちぱち。 ここがウィンストンです。 『アムステルダム』 人が必要とする生の喜び(comfort)や あらゆる進取性(novelty)を この地のようにた易く得られ、 このような自由の感覚を享受できる場所を、 いったい世界のどの地にあると挙げられようか。 ----- デカルト 1628年 これはそのクラブウィンストン・インターナショナルの オフィスの壁に張ってあったものを リオ吉が訳しましたが、はい、デカルトさんです。 「われ思うゆえにわれあり」と思われたあのデカルト。 出典の真贋はともかく (どなたか確認できる方いますでしょうか)、 日本で言えば江戸時代の初めに このように呼ばれていた土地があったわけで、 そういうことを誇りに思っている人たちが 運営しているクラブにおいて J-popのイベントを毎月やっていきます。 もちろん、どこにいっても、 地上に楽園はないわけで、 いいところもあれば悪いところも当然あります。 そういうことも報告しながら このイベントのことをお伝えしていければ と思っています。 リオ吉
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2003-10-14-TUE
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