アムスでダンス。
J-POPはオランダの夜に流れる

第5回 イベントの裏側で


どこに行っても、何をしていても、
人生のささやかな幸せのひとつに、
たまたま出会った人を「この人いい人だなあ。」
とふと思える瞬間というのがあります。
そしてさらにその人を「尊敬できるなあ。」
と思うほどに知り合えれば、
それはもう人生の確実な幸せのひとつです。
もちろんいつでもどんな人にでも
尊敬を持って接っすることが出来れば
ありたいのですが、毎日多くの人とすれ違ってはいても、
なかなか良くお互いを知る機会もありませんし、
それはそれほど簡単なことでもありません。
仕事場の人や学校、親戚関係の人などの外に、
友人と呼べるようになるほど、
人と知り合い出会えるのは、どこのどんな人でも
年に数人ぐらいなのではないかなあと思います。

何か神妙に始めてしまいましたが、
リオ吉が尊敬することに、おそらくほとんどの人が
賛同してくれると思いますが、
「好きなことをやってる人」っていうのがあります。
なぜなら、好きなことをやって生きていくことって
すっごく大変なことだと思うんです。
だって簡単だったらみんな好きなことで
ご機嫌に生きていってるはずで、
「ゴキゲンを創造する」ほぼ日なんて
いらなくなってしまいます。
今回日本からはるばるスシサウンズに参加してくれた
Qypthone(キップソーン)も
まさにそんな人たちでした。

なんとキップソーン、前日ベルリンで公演した後、
当日の電車移動(8時間ほど)という
強行スケジュールでやってきました。
しかもよく4人で運べたなと思える量の
荷物機材を持って。
迎えの車が駐禁を切られたりしながら、
アムスのセントラルステーションから
会場近くのホテルまで移動して、
チェックインしたときにはすでに
予定の時間より1時間遅れ。
しかもメンバーもくたくたの様子。
休ませてあげたいのですが、
時間が押していることを告げると、ニコッと笑って、
力を振り絞るように会場に向かいます。
食事(会場側が気を利かせて日本風に天ぷらを
作ってくれました。うれしそうだった。)を
慌しく済ませると、すぐにサウンドチェックを済ませ、
開場を待つということになりましたが、
演奏が近づくにつれて元気を取り戻して、
ステージに臨んでくれました。

サポートアクトのPitchtuner、
そしてQypthoneともにすばらしい
パフォーマンスでした。




アンコールを含めた公演後には、
タケシさんはDJを買ってでて、
ここは渋谷? な音空間を最後まで作ってくれました。
他のメンバーは手売りでCDを売った後、
テレビのインタビューを1時間と
疲れきっているはずなのに
遅くまでがんばってくれました。

イベントの裏側にいるとたった一日のイベントでも
本当にいろんなことが起こります。
それだから入念なつもりで準備はするのですが、
その日になって時間とともに立ち現れる問題っていうのが
必ず起こります。まして海を隔てて
違う言葉違う文化での準備となりますと、
問題の起こらないイベントなんてありません。
と言い切ってしまってさらにこんなこと言うと
怒られちゃうかもしれませんが、
実はその起こる問題をひとつひとつ解決していくことが
イベント当日の裏側の醍醐味なのです。
その日初めて会う人達がある目標に向かって
否が応でも協力しあわなきゃいけない状況に
おかれますから。これって特にイベントでなくても
実は毎日そうなんだとも思いますけども。

日本から欧州へ公演しにやってくるには、
相当なエネルギーが必要です。
しかもこちらでは全くの新人バンドとして
始めなくてはなりません。そういうことを覚悟の上で、
もっともっと多くのミュージッシャンが
キップソーンのように出てきてくれればと願っています。

ほぼ日を見てきてくれた方も
もちろんたくさんいらっしゃいました。
世界は繋がってますね。
他にも本当に多くの方々に来ていただいて
表裏いろいろ協力してもらいました。
ありがとうございました。




リオ吉

Club Vegas version Tokyo (no. 2)

日時2003年11月2日(日曜日)午後8時会場
場所Winston International,
   Warmoesstraat 129, Amsterdam

入場料23時まで5ユーロ、23時以降7ユーロ

Band: Ikki
Show: Coco


http://www.clubvegas.nl/tokyo/


2003-10-27-MON


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