40代後半くらい。短髪で眼鏡、
ややがっしりタイプ。
大きな声でハキハキ話す。
いつも大きな声でハキハキ話すのか、
この公判だけのことかは、
わかりません。
梅宮辰夫さん似。
厳しい言葉の裏に
あたたかいものがあるような
味のある発言をする人。
阿曽山さんによると、
この検察官の裁判は、
いつもおもしろいそうです。
冷静だが、
人情のあるタイプ。
ナポレオンズ
の
パルト小石さんが
眼鏡をかけたような
雰囲気。
60代後半、男性。職業なし。
Ｋ区の大型スーパーの売り場で、
ストラップ３点とブローチを持ち去った疑い。
Ｙ田と名乗るが、その証明がどこにもない。
志村けんさんに少し似ている。
身元を、氏名を、
父母の名前を、
交友関係を、
日本の警察が調べても
まったくわからないＹ田被告人。
ほんとうにＹ田という名前だとしたら、
気の毒なくらいに何も出てきません。
自称Ｙ田は、過去のない人ですから、
この事件は初犯なわけです。
検察官は、やっぱりそこが
とても気になるんですね。
何か隠してることない？
ないです。
ほか、何かやってない？
やってないです。
やってたら死刑にしてもらってもいい。
保証します。
保証って‥‥
あのさ、ホームレスから抜け出すんだという
気持ちはあるの？
あります。
もうぜっっっっったい、やんないから！
二度としませんから、
深く反省しています。
万一、もういちどあったら
死刑にしてもらってください。
被告人は、この言い回しが
好きですね。
どうやってホームレスから抜け出すの？
東京都の、ホームレスの支援制度っていうのが
あるんだけど、知ってる？
いやうん、これからまたあれして
お金貯めますから。
だから、お金はどうすんの。
またＴさんのところへ行くの？
いい仕事見つけて、
お金貯めて、アパート見つけて
あれしますから。
だ・か・ら、
仕事見つけるまで、お金は？
あなた、いくらあんの？
1000円持ってんの？
（手もとの書類を見る）
所持金は1280円、
1000円‥‥あるのか。
社会に出て
戻る場所はあるの？
お金貯めて安アパートをあれして、
検察官も弁護人も
お金「貯めるまで」どこにいるんだって
訊いてんですよね。
そこを言いたいわけですよ。
やっぱり、前の裁判でもそうでしたが、
被告人の「未来」について
たくさん時間が割かれますね。
そうですね。
くり返しますが、この人は
“自称”ですが初犯です。
ですから、おそらく執行猶予がつきます。
すぐに世の中に出ることになりますから、
みんながそこを
はっきり話そうとするわけです。
まちがっても、もうやんないすから。
刑務所入るんだったら
死んだほうがいいです！
まちがっても、やんないすから！！
では、検察官、論告を。
求刑、懲役１年。
被告には犯罪傾向がなく、
寛大な措置をお願いいたします。
では、被告人、最後に言いたいことは
ありますか？
で？
どうなったんすか？ 結局。
裁判官が、被告人に聞こえるように大きな声で
「求められた刑が懲役１年です」
「判決はまだこれからです」
と説明しました。
そしてその場で、次の公判（判決）の
スケジュールを、
裁判官、検察官、弁護人の３人で
調整するのでした。
この人、いったい
誰だったのかなあ。
あきらかに嘘をついているような
気もするし‥‥
でも、ほんとうにＹ田○○だという
気もします。
いまでも、この人がＹ田だったのか、
初傍聴から時間が経ったいまでも、
我々はときどき話をします。
阿曽山さんの感想を、
どうぞ動画でごらんください。
明日は阿曽山さんの案内にしたがって、
３つめの事件に移ります。
次は、原因がどこにあるのかわからない、
ちょっと不思議な事件‥‥ですよ。
おたのしみに。
2007-01-22-MON
