おそらく50代、やや長髪。
羽田孜さんに似ている。
若めの検察官。
ピンクの
ネクタイをしている。
被告への尋問の際、
なぜか口調が変わり、
ふるさとの訛りが出る。
これまで傍聴した
裁判に比べて、
年齢がかなり上の弁護人。
白髪で、べっ甲の
ような眼鏡着用。
やわらかい物言いで、
「男はつらいよ」の
おいちゃん、
松村達雄さん似。
50代男性。
知り合いの女性の家に侵入した疑いで
法廷に立つ。前科4犯。
Gジャンのベストを着ている。
終始小声でうつむきかげん。
今回の傍聴、最後の法廷は
簡易裁判所です。
被告人は、占有離脱物横領と
住居侵入の罪に問われています。
いままでの被告人と比べて、
ちょっと若めであることが
とりあえずの印象です。
まずは、検察官の冒頭陳述をどうぞ。
被告は、平成18年8月、T区にて
自転車時価3000円相当を持ち去ったのち、
アパートの施錠を解いて住居侵入しました。
被告は中学を卒業し、中華料理店に勤務後、
窃盗をくり返しています。
住所不定、前科4犯。
自転車を持ち去ったのが
「占有離脱物横領」、
アパートに侵入したのが
「住居侵入」です。
これまでの4犯の罪は
おもに「窃盗」だったということでしょう。
4か月前にも、同じ被害者宅に
酒代無心のため窓から侵入し、
罰金刑を受けています。
ここがポイントです。
過去に同じ罪で捕まって
罰金を払っているんですね。
被告人と被害者の女性は、
10年前に知り合いました。
部屋で面倒を見てもらっていたが、
お金をもらえないと暴れるなどしていました。
つまり、同棲していたが
うまくいかず、別れたということですね。
もと同棲相手に対する犯行です。
そして今回、被告は
被害者のアパートの
管理人の部屋で食事をとったあとに、
滞在しているS地区に帰るのが面倒になり、
「被害者の部屋で寝る」と言って
管理人の家を出たということです。
被告人は、被害者の家に侵入する前に、
そのアパートの管理人さんの家で
食事をしていた、と??
被告人は、
管理人さんとも知り合いなくらい、
被害者宅に通いすぎていたんですね。
というか、いま、この東京で、
管理人さんとそこまでの関係を築けることなんて、
住人だって、ないっすよ。
それが、事件前にいっしょに食事をしてた‥‥って!
被告人は、管理人の部屋を出たあと、
被害者の部屋の
ドアにかかっている
カバンから鍵を出し、
それを用いて施錠を解き、
中に侵入した、ということです。
不思議ですね。
おかしいな、
この被害者は、4か月前に
同じ被告によって住居侵入があって、
それが警察沙汰になったというのに、
鍵の入ったカバンをドアに
ぶら下げておくなんて、
どういうこと?
どういうことなんでしょう?
被害者の不思議な心境に
なんとか近づこうとする我々ですが、
続いて弁護人の尋問に入ります。
まず、自転車は
捨ててあったの?
ゴミんとこに、捨ててありました‥‥
被告人、声がとても小さいです!
被害者のKさんとは、どこで知り合ったの?
10年前に、S地区の路上で知り合いました。
飲食店で会ったって
言ってたけど?
あ、飲み屋でも会ったけど、
道路上で‥‥ええ。
交際して、同棲したの。
‥‥はあ、3年くらい。
交際は、なんで解消したの?
生活がもたなくなって、
いったん別れて、
でも何回か泊まったり。
お金をもらうようになって、
それで、自分でアパート
探すようになって。
侵入して、
もう来ないでくださいって言われて、
それなのに、どうして行くのかな。
ほかに頼る人がないのかな?
‥‥‥‥(首を傾げる)。
4か月前にもKさんちに入って
罰金払ってるでしょ?
またやったら、刑務所に入るって
思わなかったの?
朝近くになって入ったから、
帰ってくると思わなかったから。
被害者と被告人の関係が、
不思議です。
阿曽山さんによる事件の概要を、
動画でごらんください。
息子に諭すような口調の
弁護人による尋問、
そして、法廷が居酒屋さんに
場面が転換するような
人情味あふれる検察官による尋問、
明日に続きます!
2007-01-23-TUE