そもそものはじまりは、
去年の6月にさかのぼります。
そのころぼくは、
「ほぼ日手帳」のデイリーページ下段に掲載する
さまざまなことばを選ぶ作業をしていました。
ほぼ日刊イトイ新聞に掲載された
膨大なテキストの中から
心に残ることばを抜粋し、編集し、
手帳に掲載する順番を決めていく作業です。
なにしろコンテンツが多いですから、
各コンテンツからことばを抜粋する作業は、
何人かのスタッフで手分けして行いました。
ぼくもいくつかのコンテンツを担当したのですが、
とりわけ、大仕事だったのは、
1年分の「今日のダーリン」と「ダーリンコラム」から
糸井重里のことばを抜き出すことでした。
丸三日をかけて、
ぼくは糸井重里がつづった
1年分のことばをすべて読み直しました。
そして、プリントアウトされた紙に、
アンダーラインをひいて、抜き出していく。
この作業が、どれほど難しいものであるか、
あるいは、どれほど楽しいものであるか、
おわかりいただけますでしょうか?
結果、ぼくは、予定の分量を
遙かにオーバーすることばを抜き出していました。
日々つづられ、すでに一度読んだはずであることばの中に
こんなにも発見があるとは思いませんでした。
ぼくは、抜き出したことばを記した紙の束を抱え、
翌日、糸井重里に申し出たのでした。
「糸井さん、これを本にしちゃいけませんか?」と。
(つづく)
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