ダーリンコラム

＜もっとバカに、もっとにぶく＞ 思うんだけどさ、なんで、りこうっぽく見せたいのかね。 「オレをりこうだと思え」って文章とか、話し方とかって、 世の中に満ちあふれてるじゃないですか。 「あいつはバカだ」と言うときの、 言う側の気持ちについては、 池谷さんと『海馬』のなかで話しあったし、 「頭がいい」ってことの根本的な意味についても いろいろ語り合ったけれど、 「りこう」に見せたがる人について もっと語っておいたほうがよかったかもしれない。 「簡単に言えることをむつかしく言う」 「使えない言葉を使おうとする」 「難しそうにみえる引用を自分のもののように使う」 「権威や学歴や専門家に弱い」 「りこうっぽさ」をねらった文章には、 以上のような特徴がある。 こういう条件をネットやメールソフトの フィルターにかけて、 自動的にゴミ箱に行くようにしたら、 暮らしやすくなるだろうねぇ。 「りこう」に見せたい気持ちってのは、 筋肉ムキムキの人が、オイル塗ったりして もりもりしたところを見せたがるようなものなのかね。 いや、ムキムキ系の人々は、 「これを認めてない人のほうが、社会には多いぞ」 ってことを知ってるから、ちがうよなぁ。 「りこうっぽくふるまいたい」という気持ちは、 誰にでもちょっとずつはあると思うわけで、 それは「あんまりアホに思われたくない」っていう程度の、 どっちかというと守備的な表現だと思うんだ。 そりゃ、あなた、ぼくにさえあるよ。 でも、その程度でしょ、ふつうは。 かなわんなぁと思うのは、そんな人たちじゃないの。 「見下したい」という気持ちの入った「りこうぶりっこ」。 ああいうのって、治らないものなのかねぇ。 似たようなところで 「感受性強いぶりっこ」とかも、あるんですけれどね。 これも、人を見下してる場合が多いよなぁ。 なーんだかなぁ〜〜。 このごろ、農業関係のことで全国をとびまわったり、 いわゆる学問はないけれど、 ほんとに深く広い考えを持っている人に会うものだから、 狭いところでギスギスと角突き合わせている 「りこうぶりっこ」の人々が、虚しく見えてさぁ。 ま、まだこんなこと言ってるようじゃ、 ぼくも「りこうぶりっこ」の尻尾を残してる ってことかもしれないんで。 お恥ずかしいことですけどね。 「もっとバカに、もっとにぶく」を目指します。

2002-08-12-MON

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