田中 |
今、見積り依頼ってどれくらい来てるんですか? |
鈴木 |
えーっともう累計で2500位です。 |
田中 |
当初の予想されたのと比べていかがです? |
鈴木 |
一応月400を目標にしてました。
それが月に700とか800とか来ても
やっぱりそんなに対応に人も使えないんで。 |
田中 |
ああ。見積りを一人ひとりのお客さんに書かれてますよね。
何人くらいのスタッフで
対応されてるんですか? |
鈴木 |
スタッフはですね、一人とか二人です。 |
田中 |
えっ、一人か二人でその月700くらいの対応を
されてるわけですか!? |
鈴木 |
そうですね。
当初目標が400ですからね。
400っていうのは、
一人で修理を受付けて
見積り診断してできる数字なんです。
店舗運営をベースに弾いた数字なんですが。
メールですし、調べなくちゃいけないし、
商品見えないですから、
それより全然大変なんですけど。 |
田中 |
一人ひとりの症状に合わせたものを
返信して行かないといけないわけですよねえ。
それはものすごい時間と知識がいる
タフな対応なんじゃないかと思うんですけど。 |
鈴木 |
それは店頭で培ったデータがありますので、
症状が決まると、
店頭の端末で料金を決めていけちゃうんです。 |
田中 |
じゃあ、もともと(注)店頭にそういうシステムがあったので
それをサイバーというかネット上にも
活かしていけるわけですね。
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(注)店頭にそういうシステム
サイバーコンセントは、
ミスターコンセントという家電修理店舗の
インターネットサービス版なんです |
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田中 |
で、見積り依頼があって、
おそらく最初のメールの印象とかで
申し込む人の比率が変わってくると思うんですけど。
実際申し込む方ってどれくらいなんですか? |
鈴木 |
えっとやっぱりねえ、
この歩留まりは非常に悪いんですよ。
他で見積って比較してみようとか。
とりあえずどんなもんかやってみようとか、
そういう方が多いんで。
で、あと簡単な料金体系しか入れてないんで、
まあ思ったより高いとか思ったりとかですかね。 |
田中 |
ええ、最初はどうしてもそうなりますよね。 |
鈴木 |
中にはまったくの素人じゃなくて、
メーカーさんからメールが来たりとかいうのは
もう歴然とあるんですよ。
当初はもう富士通とかソニーとか
そういうところのドメインで入ってくる人が
ものすごい多かったんだよね。 |
田中 |
寿司屋に寿司職人が来るみたいな
そういう感じなんですね。 |
鈴木 |
そういう感じですね。ええ。 |
田中 |
僕も返信をいただいた時に
9000円っていう価格で、
冷静に考えると、
「ビデオデッキ、今安いしなぁ」となりますよね。
でもその時に、
ここで直してみたいなと思ったのは
サイトに書かれてる考え方というか、
「REDUCE(リデュース)宣言」っていうのがですね、
あ、これはやっぱりおもしろい
と感じたからなんです。 |
鈴木 |
うん。 |
田中 |
単純にお金の比較じゃなくて、
ビジョンというか考えに、
これは乗りたいみたいなところが
自分にはあったんですよ。
「REDUCE宣言」のいきさつを
教えてもらえますか? |
鈴木 |
おととしくらいから、
家電リサイクル法が出来た時にね、
REDUCE
(リデュース:発生抑制、ゴミを出さない)、
RECYCLE
(リサイクル:再生利用)、
REUSE
(リユース:再利用)で
何が一番大事かっていうときに、
RECYCLEじゃないしREUSEでもないし、
REDUCEだと。
ゴミをとにかく、地球環境とか考えると、
REDUCEが一番前に来るはずだという
考えなんです。 |
田中 |
そのRECYCLEと違うみたいなところを
ちょっと説明していただければ。 |
鈴木 |
ゴミをゴミにしなければ
使えちゃうわけですよね。
RECYCLEはその後に来る。
REDUCEの後に物は動いてくるんで、
その最初の段階っていうことです。
家電リサイクル法の中でも
RECYCLEっていう言葉ばっかり出てきますけど、
当初から作ってる人たちは
REDUCEが一番大事な法律っていうのは
言われてました。 |
田中 |
例えば中古品市場ってありますよね。
ここを通ってくる間にも多かった
中古車センターとか本の「BOOKOFF」とか、
買い取って他の人に売るっていうのとは
違うわけですね。 |
鈴木 |
ええ、それはしてないですね。 |
田中 |
その辺やっぱり、
買い取り転売、中古転売ではないっていうところは
何か意識されてますか? |
鈴木 |
基本的に「物を売る」考えがないんです。 |
田中 |
ああ。やっぱり「修理」っていうことが。 |
鈴木 |
「直す」ことにこだわりたい。
そういうことですね。
やっぱり「物を売る」となると、
中古でも何でもね、利ザヤとか、
我々が思う考えと違う要素が
かなり入ってくる。
修理する時にあらかじめ売ることを想定するとか、
ちょっと違う文化に入って行っちゃうんです。
「修理するっていう文化」から、
「販売の文化」になっちゃうのは避けたかった。 |
田中 |
修理の方が、よりピュアなサービス業ですよね。 |
鈴木 |
そういうことですね。
それを実践していきたいっていうことです。 |
田中 |
はあー。
元々ミスターコンセントっていう会社があったのは、
その(注)親会社が3Qグループで
量販店を展開されているという背景が
あったはずですよね。
で、その量販店部門との組み合わせを
考えられたわけじゃないんですか?
|
鈴木 |
じゃなくてですね、
3Qの中にはカスタマーサービスっていう
量販についたサービスがあるんです。
で、ミスターコンセントっていうのは
量販の補完機能じゃなくて、
サービスだけで経営を
成り立たせて行こうという形で、
全部が分社になってるんです。
量販の補完じゃなくて、
それだけで成り立たせるための
営業活動をするわけです。 |
田中 |
ついつい最初、普通であれば量販店があって、
その相乗効果で修理部門ということだなと 思ったんですけども、
インターネットで調べているうちに
親会社の3Qグループの社長のお話を読んでですね、
あ、これは違うんだと思って、
そこでもまた面白さを感じて、
さらにびっくりさせられたんです。 |
鈴木 |
ええ。
量販のサービスは
売りにつながるサービスですから、
修理できるものであってもしないっていうのは
明らかにありますからね。
お客さんが言わなければ、
できるだけ売りにまわす、
そういう形を取ってますからね。 |
田中 |
ということは、
売るっていう立場、それを掲げた会社と
修理、直すってことは、
そもそも根本が違うってことですよね。 |
鈴木 |
ええ。
で、まあ一応日本のソリューション、
「直すっていうソフト」を売るという
考えなんですよね。 |
田中 |
はい。
「直すっていうソフト」を
言わばバラにして展開されてるところが
ほんとすごいと思うんです。
これ実際のところ事業として、
どこまで行くんだろうかって、
個人的に興味があるんですけども。 |
鈴木 |
えーっと、まあ当初は、
ミスターコンセントで400店舗目指すと。
今はもうデフレの問題とか出てますから、
ちょっと今足踏みしてるんですけど、
一応そのくらい目指したいなと。 |
田中 |
「直すソフト」を売るっていうと、
他に靴の「ミスターミニット」であったり、
自動車の「カーコンビニクラブ」とか、
他の業態でもちらほらと
全国区を目指そうってところがあるのかなと
思いますけれども。 |
鈴木 |
はい。カーコンビニもミスターミニットも、
修理とかサービスをする部分はみんな横にね、
一つにポータルとして入れちゃって、
一緒に進めて行ければおもしろいかなって考えは、
今でも持ってますよね。 |
田中 |
ああ。修理のポータル。なるほど。 |