感心力がビジネスを変える!
が、
感心して探求する感心なページ。

第5回 修理されたい家電を探す。

今回登場する人達
サイバー
コンセント
事業部部長
鈴木優


趣味が
犬との会話と
散歩という
事業部長。
タンデム
ワープ社
代表取締役社長
斧田正彦


サイバー
コンセントの
プランニングに
関わる。
タンデム
ワープ社
ウェブデザイナー
中村元


サイバー
コンセントの
ウェブデ
ザインに関わる。
感心力の男
田中宏和


今回は
写真の頭が
切れてしまった
感心力の男。

前回までのあらすじ:
ビデオが壊れて知った、
家電修理受付サイトに取材に行きました。
サイバーコンセントの事業部長鈴木さん、
サイト制作・運営の斧田さん中村さんの話に
根掘り葉掘り感心中。
ミスターコンセントとは、
http://www.mrcnet.co.jp/
サイバーコンセントの親にあたるリアル店鋪です。



田中 修理ビジネスって、
壊れないと需要が出ないですよね。
その辺の難しさについて伺いたいと思います。

「売る」っていう話であれば、
DVD買いたいなとかそういう気持ちが
ふつふつ湧けば買いに行きますよね。
ただ、修理って自分のところにふと来る、
事故に遭ったみたいなことで、
そのはじめてお願いする時に
「あ、ミスターコンセントにお願いしよう」とか、
「あ、サイバーコンセントにアクセスしよう」って
いうのが消費者の頭の中に入ってないと
なかなかお客さんにつながっていかないですよね。
鈴木 はい。そういうために店をオープンすると
ミスターコンセントの例でいうと
初年度は、かなり販促活動を
つまり、DMやチラシとか
そういうことをやるんですよ。
営業的にはサービスの営業をやるんです。
うちは、ほんとに
小売業的なサービスのやり方ですね。
田中 こういう西葛西のようなリアル店舗であれば、
マンションにチラシを投函したりすることで
まず覚えてもらって、
「修理の時にはあそこに行こう」っていう
コミュニケーションが必要になりますよね。
一方サイバーコンセントであれば、
お客さんが住んでるところとか関係なしに、
お願いしてもらえるっていう
チャンスが増えますよね。
ネット上で特にPRはされたんですか?
鈴木 あんまり露出っていうのは意識しなかったですね。
最初オープンの時に、プレスリリースを
斧田さんの方でやっていただいたくらいですかね。
あとはミスターコンセントのチラシに
サイバーコンセントのアドレスを載せたり。
で、まあ日経や、ニッポン放送で紹介されたりして
何か自然に人が集まってきたって感じですね。  
田中 そうなるとサイバーコンセントのプロモーションには、
ページの更新が大切になってきますよね。
何か更新の方針とかあります?
斧田 基本的には販促っていうのがあるんですよ。
修理のサービスとはいえ、
「季節感」っていうのがあったりするんですよ。
春には引っ越しが多くなるとか、
冬間近になると暖房器具を出すとか、
お正月近くになるとプリンターを引っ張りだそうかと。
そういった季節感ごとの
販促に絡めた更新っていうのができりゃいいなと。
田中 「季節感」って面白いですねえ。
家電が壊れやすい季節ってあるんですか?
鈴木 梅雨なんかはね。
ビデオがなんとかとか、
テレビとか多くなりますよね。
田中 へぇー。冬にもそういう傾向はあるんですか?
鈴木 冬は家電が壊れるっていうよりも、
プリンターを普段使ってないけど
年賀状書くためにプリンター出してみたら
使えなくなってたとか。
実際、使えなくなってたケースのほとんどが
使ってないから使えなくなるんで、
普段から使ってれば問題ないけど
使ってないから目詰まりなんかを起こしちゃう。
他にもクリーニングできないとかね。
そういう故障を
ミスターコンセントかサイバーコンセントに来れば、
中2日くらいで直して返しますよっていうのが
売りなんです。
田中 はあ。
鈴木 あと3月になれば入卒園シーズンで
カメラが必要になる。
これもずっと使ってないもんですからね。
その時に使おうと思って使えない。
だから事前に直しておきましょうよっていうのを
販促の中に組み入れていこうとしています。
田中 季節性があるものなんですねぇ。
中村 メール受付担当者が言ってたのは
「雷が落ちると、
 モデムやビデオが来るね」
って。
で、実際来るんです。
鈴木 そうなんです。
その辺は雷に非常に弱いもんですからね。
田中 たまたま僕のケースは
ブレーカーが上がって壊れたっていう
ケースだったんですけど、
ブレーカーが上がると家電が壊れたりするんですか?
鈴木 急激に電流が流れたりとか、
そういうことがあればありますよね。
中村 パソコンでよく来ますよね。
ブレーカーが落ちちゃって
パソコンがいっちゃったっていうケースが。
田中 あぁ、やっぱり。
中村 パソコンの修理は
来ねえんじゃねえかって思うけどね。
鈴木 なんてったって、
パソコンを使って頼むんだから(笑)。
中村 壊れてんだから、サイトも見れないじゃないですか。
当初は「あんまりパソコンの修理は来ないよ」って
言ってたんですけど。
鈴木 実際はパソコンの修理は全体の1/3くらい。
田中 へぇー。
鈴木 もっとかな?
半分くらいはパソコンになっちゃってるかな?
中村 あとMDってものすごく壊れやすいんですよね。
鈴木 壊れやすいね。
田中 あ、次がMDなんですか。
ランキングでいうと、パソコンが半分くらいで。
鈴木 パソコンとあと、オーディオ。
その次がビデオ、テレビか。
田中 リアル店舗との間で
修理する製品の構成比の違いってあるんですか?
鈴木 全然違いますね。
リアル店鋪の場合は、
パソコンの構成比は25%くらい。
地方によって違いますけど、大体20〜30%くらい。
そこをなかなか越えられないんです。
やっぱり、「黒もの」といわれる
ビデオ、テレビが多いですね。
4割とか占めてましたから。
構成比は全然違いますね。
田中 ああ。そういうもんなんですか。
鈴木 「白もの」は全然来ないですよ。
田中 「白もの」って冷蔵庫とかですよね。
そういう商品は
サイバーコンセントだとあんまり来ない?
鈴木 できない(笑)。
中村 冷蔵庫、洗濯機はできない。
鈴木 できないっちゅうか、
そもそも来ないっていうのもあるんです。
要するに、商品をこちらに送ってもらうのを
日通に頼んでるんですけど
もう箱のサイズっていうのが
決められちゃうんですよ。
そうすると、
テレビは25インチ以上は運べないよ、と。
まぁ、「白もの」は少ないよね。

  
<ワンポイント用語解説>
家電界では、AV機器は「黒もの」、
その他は「白もの」と呼ばれてます。
「〜もの」というと
専門用語っぽくなりますよね。
「最近、アミノものが流行ってる」
そんな風に使いましょう。
中村 そうですよね。
炊飯器がたまーに。
あと電子レンジくらいですか。
田中 ということは、
これからはパソコンを中心に、
修理のお客さんを拡げていこうと
考えられているわけですね。
鈴木 そうですね。
中村 そこの狙いはアップグレードなんですよ。
田中 あ、アップグレードですか。
鈴木 パソコンって実際の修理っていうか、
マザーボードが壊れたら別ですけど、
記憶装置、ハードディスクの不良が一番多いんですね。
実際純正の部品を替える必要っていうのは、
メーカーとか
よく純正の部品しか使わないって
言いますけど、
純正も何もみんな同じ部品を使うわけですよ。
はんこ押してあるか押してないかの違いだけで。
田中 ああ。なるほど。
鈴木 うん。富士通のはんこが押してあるか、
NECのはんこが押してあるかで、
その元はクァンタムだとか
そういうハードディスクメーカーの
みんな同じディスクなんです。
で、アップグレードしちゃって、
みんな40ギガとか60ギガとか
大きいの付けた方が安いんですね、かえって。
田中 ほーう。
鈴木 で、そういう需要を見込んでやってます。
田中 ああ。特にこれから動画とか保存するようになると、
ディスク拡張したいっていう需要は
増えるかもしれませんね。
鈴木 と思うんですよね。

<ワンポイント考察>

3年ほど前、まだITが泡立っていた頃、
「クリック&モルタル」という
「ビジネスモデル」がもてはやされました。
どちらも恥ずかしい言葉になりつつあります。
「クリック&モルタル」とは、
ネット上の店を表す「クリック」と
実店鋪を表す「モルタル」
(家のモルタルづくりのそれです)を
組み合わせた言葉で

ひとつのブランドが
両方でほぼ同じサービスを行って、
相乗効果を生み出すというものでした。
この「サイバーコンセント」と
「ミスターコンセント」の関係は、
まさにそうです。
それぞれお客さんが
かぶってないことがわかります。

それにしても、
ブレーカーはちょくちょく飛ばして
喜ぶようなもんじゃなかったんですね。
みなさんの家電を壊れにくくする術の
参考になればうれしいです。

2003-02-28-FRI

BACK
戻る