田中 |
修理エンジニアの方々って
よそで元々修理をされていた方が、
こちらに入って来られたんですか? |
鈴木 |
そうですね。
ここで人を育てるっていうのはできないんで、
メーカーだったり量販のサービス部門に
いた方がほとんどですね。 |
田中 |
それはやっぱり人づてに聞いて
こちらに入社したっていう方が多いんですか? |
鈴木 |
多いですね。
修理エンジニアはミスターコンセントのサイトの方で
そういう募集をかけてるんですね。
今ねこんな世の中ですから
リストラされてっていうような人が
応募されたりとかね。 |
田中 |
人材活用っていう点でもね、
実はすごくおもしろいなって思ったんですよね。 物と一緒に例えちゃ悪いんですが、
REUSE(リユース)っていうか、
すごくいい力を持ってらっしゃる方が
ここへ来てまた元気になって。 |
鈴木 |
そうそうそうそう。 |
田中 |
リストラされた人が、
いきいき働ける場になってるっていうのが
おもしろいと思ったんですね。 |
鈴木 |
そうなんですよ。 修理は、年とってもできるんで、
割かし年齢層高かったりするんです。
「60才でも大丈夫ですか?」
なんていう人にも
「全然問題ないんで
すぐ面接に来てくださいよ」っていう。
40才越えてますけどっていうのは
全然関係ない話なんで、こっちは。 |
田中 |
ええ、ええ。 |
鈴木 |
そういう面接してくれるところも
今は少ないですからね。
メーカー、サービス業なんか面接をしないわけですよ。
30才越えたらほとんど採用しないですから。
そういうところで
採用されなかった人が来るっていうのは多いですね。 |
田中 |
うーん。
元々そういう力を持って知識を持ってた人が、
なかなか働ける場がないってところに、
この事業がすごくマッチされてるんだなあと
思ってですね。
で、さっきのREUSE(リユース)であるとか、
循環型とか言われている社会の中で、
まさにこれから人間もそうだなあと。
これからの社会のちょっと先を行ってるというか、
これからの社会にふさわしいようなビジョンで
事業をやってらっしゃるなあって
思ったんですけどね。
ところで、ちょっとサイトにも書かれている
鈴木さんの趣味である「ビートニック」の話を
お聞きしようと思うんですけど、
それは今のお仕事をされてる中で
自分のビートニック好きっていうのは
出て来てますか? |
鈴木 |
これはね、非常に出しにくいんですよ。 |
一同 |
笑 |
鈴木 |
ビートは人生だと僕は思うわけですよ。 |
田中 |
ビートは人生! |
鈴木 |
だから、今は人生という旅の途中だと。
だから旅してる気分で仕事をしようと。
結構ハードだったりいろいろしますけど、
そういうのも人生の中にあるだろうと。 |
田中 |
転職を割とよくされてるんですか? |
鈴木 |
割としてる。割とっていうか(苦笑)。 |
斧田 |
普通よりしてるでしょ。 |
鈴木 |
普通よりしてますかね。 |
斧田 |
うん。 |
田中 |
すぐしちゃうっていうか、片手以上くらいに? |
鈴木 |
片手以上っていうかね、
大学卒業して入った会社でしょ、
そこで独立して、4年間独立しちゃったから。 |
田中 |
もともと電気系の? |
鈴木 |
いやいや、全然。
あの、デザインとかそういうのを
マネジメントするのが好きみたいな感じで、 僕はその最初テキスタイル、
服地のデザインの会社に入って
1年で辞めて独立して、
デザインスタジオを自分でやって。
で、4年間でやってニューヨークに行ったの。
そん時はちょっと生地屋の仕事とか情報の仕事を
ちょっと持って行って、
帰って来てここと知り合ってっていう感じですよね。 |
田中 |
ああ。
じゃあ、最初は復職された時は
まさか家電修理とは思わなかった!? |
鈴木 |
ええ、全然思わないですよね。 そういうのはビートなんでしょうね。
|
一同 |
笑 |
中村 |
全部その一言で済ます! |
鈴木 |
アンディ・ウォーホールじゃないけど。 |
田中 |
鈴木さんにとって「ビート」っていうのを
もう少しお伺いしたいなと思うんですけど、
何ですかね。 |
鈴木 |
生き方。 |
田中 |
それ、ロックではないんですよね? |
鈴木 |
ここ難しいところですよね。
感覚的にはビートとロックって
かなり近いものがあるけど、
やっぱりロックはビートがなかったら生まれなかった。
ジャズ絡みだけど、 ロックもヒッピーもヤッピーも
今のコンピューター文化もマッキントッシュも、
たどって行くと
(注)ジャック・ケルアックに行くんだなと。
ブルージーンズもね。
ジャック・ケルアック
Jack Kerouac (1922-1969)
マサチューセッツ州生まれ。
コロンビア大学に入るが、戦争が始まるとともに海軍に志願。
大戦後の放浪体験をもとに書き上げた「路上」によって
ビート・ジェネレーションの代表的作家として
世界的に知れ渡る。1969年孤独のうちにフロリダで死去。 |
鈴木 |
ジーンズも何もかも、
全部もとにジャック・ケルアックが
僕の中にはいるんですよ。 |
田中 |
ああ。ジャック・ケルアックは、
どういうところですか? |
鈴木 |
え? いいんじゃないですかね。
飲んだくれで、
あんまり先考えないで放浪しながら、
40くらいでも警備員やるとかね。
今じゃ全然通用しない生き方ですけど。 |
田中 |
アナーキーではないんですよね。 |
鈴木 |
アナーキー…。これまた近い。 |
一同 |
笑 |
鈴木 |
今はそんな言葉があるのかどうか知らないけど、
ずっと学生の頃は意識はしちゃいますよね。
我々の頃は、「アナーキー」って言葉は大事だった。
ヒッピーとかあの辺の絡みの時は
やっぱり大事な言葉ですもんね。
あなた、よくそんな言葉使いますね。
「アナーキー」なんて言葉を。 |