感心力がビジネスを変える!
が、
感心して探求する感心なページ。

第10回 IT嫌いの電話ナレッジマネジメント。

前回までのあらすじ:
ビデオが壊れて出会った家電修理受付サイトの
サイバーコンセント。
事業部長の鈴木さんから感心ネタが
ざくざく豊作中であります。


今回登場する人達
サイバー
コンセント
事業部部長
鈴木優


趣味が
犬との会話と
散歩という
事業部長。
タンデム
ワープ社
代表取締役社長
斧田正彦


サイバー
コンセントの
プランニングに
関わる。
タンデム
ワープ社
ウェブデザイナー
中村元


サイバー
コンセントの
ウェブデ
ザインに関わる。
感心力の男
田中宏和


今回は
写真の頭が
切れてしまった
感心力の男。



鈴木 うちは毎日会議やってますから。
朝9時から。
田中 え、毎朝ですか?
鈴木 毎朝。電話でつないで。
朝礼っていう部分で
毎朝全店つないで会議やってる。
田中 あ、全店電話会議なんですか? へえ。
鈴木 うん。これはね、
一回聞いたらおもしろいですよ。
田中 あ、もし機会があれば是非。
鈴木 この全店電話会議はね、
他の会社がわりかし来て、
うちも取り入れたいって
いうのがあるんですよ。
だけど、ふつう毎朝っていうのが
できないじゃないですか。
うちは年中無休だから
1年中 朝っぱらから会議やってる。
田中 何分くらいなんですか、それ。
鈴木 えっとね、30分くらい。
69 60店舗あるから普通でいくと
1店舗ごとの報告があるだけでも
かなり時間がかかりますよね。
鈴木 だからそれは分けとくの、曜日によって。
田中 あ、なるほど。
鈴木 この曜日は指定する店舗、この店とこの店とか。
あと時間を30分とか分けとくの。
田中 でも指定の無い日の店舗でも
聞くことはされるわけですよね。
鈴木 そうそう、聞くんですよ。
田中 ああ。
鈴木 何でダメなんだよ、っていう話を。
69 めちゃくちゃナレッジマネジメントですよねえ。
鈴木 すごいでしょ? 
電話会議が最大のナレッジマネジメントですよ。
うちは世の中で言ってる
ナレッジマネジメントとは
かなりギャップがあるけど、
言われてみれば最高のナレッジマネジメントだよね。
毎日みんなに情報公開してる。
コンピューターじゃなくて言葉で情報公開してる。
田中 はいはい。おもしろい!
鈴木 昨日何があったとかって。
69 長崎ですごい解決法が見つかったとしたら。
鈴木 それは全部。バーって共有されるわけですよね。
69 あいつの真似をしてうちもやれば。
鈴木 みんな真似をしろっていう感覚なんですよ。
田中 ソリューションビジネスって、
やっぱりナレッジマネジメントが
一番大事だって話になりますよねえ。
鈴木 そう、だから
「昨日何かなかったの?」って聞いたら、
無い方が悪い。
あるとそれが生かせる。
田中 ああ。
むしろ問題は隠さずに、
どんどんどんどん上に上げて
オープンにしていこうっていう発想なんですね。
鈴木 そうそうそう、オープンにする。
だから、ときには無差別に
急に店鋪を指名しちゃう。そういうことやってるね。
田中 ビジネスの行い方自体がネット的ですよね。
オープンでスピードで、
すごく個人個人を大事にされるっていう。
鈴木 そうそう、そうなんですね。
にもかかわらず、
会社自体はすごくアナログっていうか、
もっとアナクロに近い気もする。
だけど考え方は、ナレッジマネジメント。
そういう言葉が普通に出て来ちゃえるような感じ。
これはちょっと日本中で
あんまり真似できる企業はないんじゃないかと。
田中 ええ。真似できないですねえ。
鈴木 みんなネットでつないだりしてるかもしんないけど、
意外と情報共有っていうのは
なかなかみんな出来てないと思うわけですよ。
田中 はいはい。うちもそうだ。
鈴木 言葉でひとりひとりインタビューしながら、
そういう大切な情報を引き出す。
そういうナレッジ共有っていうのは
少ないと思うんですよね。
田中 会社でもそういう掛け声はあって仕組みはあっても、
結局役立つのって
酒飲んでる時に聞いた話だったりってことに
なりがちですよね。
アナログなところで
濃いナレッジが交換できたりしますもんね。
鈴木 うんうん。
田中 それは3Qグループの中でも
ミスターコンセントでされてることなんですか?
鈴木 いや、3Qグループが
みんなでそういうことをやってるのね。
量販部隊もサービス部隊も、
ミスターコンセントもみんなやってるわけですよ。
69 量販店においても
例えば、商品陳列で、すごく魅力的な陳列を
思い付いたってやつがいたとしたら。
鈴木 それをデジカメで全店に配信させるとかね。
あ、そりゃいいじゃんかって、
写真撮って送れって、全店配信。
田中 先ほどおっしゃったように
社長と上層の一部の方以外全員が
現場の情報を分かってるってことになりますもんね。
鈴木 うん。
うちはそれに分社で分権が進んでるもんだから、
社長との距離が遠くないわけですよ。
田中 フラットですよね(笑)。
鈴木 毎日朝礼やってるから、みんなに近いですね。
会ったことないのに
みんな毎日、声聞いてるんだから
どんな人間かっていうのは分かるじゃないですか。
田中 はいはい。
鈴木 この情報はあいつに聞いた方がいいやって感じで、
電話会議で指名したりして。
毎日やっていると、
どいつがこんな情報持ってるっていうのは
何となく分かってきますよね。
田中 そりゃおもしろいですね。気がぬけないなぁ。
電話といえばオンラインなんですけど、
時々オフラインで会われたりされるんですか?
年に1回どっかに集まって社員旅行とか。
鈴木 あ、そうそう。
社員旅行なんかしませんけど、
会議で集まりますよ、一か所でね。
2日とか3日かけて全店に発表させるんです。
年に2回くらい。
田中 あ、その時あの何々店のあの人か、
みたいなのがわかるわけですよね。
鈴木 そういう感じで分かる人はいるよね。
田中 ええ、ええ。
鈴木 いつも電話会議には出てないのに
新しい人がいると
会ってみないとわかんないですもんね。
田中 いやあ、おもしろいですねえ。

<ワンポイント考察>

この時代に、
「全員」×「電話」×「朝礼」ですよ!

もうびっくりしました。
いつ指名されるかと思うと、
ふだんから注意力は増しますし、
全員が「ヒアリング学習」できますしね。
会話って、
人類史上一番の情報共有法なんでしょうねえ。

2003-03-07-FRI

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