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「あー、余裕ありましたねえ」
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平塚引きずりまわしの刑にしたろかと思いました。
ミスターコンセント平塚店。
駐車スペース4台分ぐらい。
一方、となりには巨大なヤマダ電気です。
こちらは、駐車スペース100台ぐらいでしょうか。
いかにもゲリラなロケーションに笑っちゃいました。
ビートニックな事業部長、鈴木さんに出迎えられ、
裏口から店内に入ります。 |
田中 |
あー、西葛西店と同じつくりなんですねぇ。 |
鈴木 |
そう、うちは、だいたいどこも一緒のつくり。
30坪を同じ店内構成で作ってるんですよ。 |
これなら店間の人事異動があっても、
すぐに慣れます。
ここで、感心のスイッチが入りました。
店の一番奥まったところの事務机の上で、
電話にマイクが差し込まれてます。
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田中 |
あ、これ、今日の電話会議で使うんですね。 |
鈴木 |
そう、今日はぼくが担当している
キャンペーンについても話をするから。
2月の達成目標について、
各店に現在の達成状況を聞くんです。 |
「聞く」って、それ、
例の「詰める」ってやつだ。
怖そうだが、楽しみであります。
店内には、
店長の石川さんを始めとした修理スタッフ、
そして鈴木部長。
9時5分前に全員電話の前に集合です。
この店の時計はいつも明石標準時に違いありません。
電話がスピーカー設定にされ、
朝礼ことTCSのはじまりです。
TCSとは「テレフォン・カンファレンス・システム」の
略称です。
今日は、全国の7、80名+我々2名が参加です。 |
司会 |
おはようございます! |
全員 |
おはようございます! |
うわーっ、電話の向こうで合唱してるみたいに聞こえます。
ちなみに鈴木部長は、
「ぅう〜〜っす!」としか言ってませんでした。
(証拠物件の録音有り)
鈴木部長、
実はビートニックな体育会系だと判明しました。 |
司会 |
今日は2月最後の日曜日です。
各店、お引き取りのアップ・・・。 |
と流暢に本日の全体目標が、
コンパクトに語れれました。
続いて、 |
司会 |
再修理の事例について、
あらためて確認しておきたいと思います。 |
あの「事例」ですよ。
ここまで連載を読んでくださってるみなさん、
おわかりですよね。 「事例」とは、
「ナレッジマネジメント」の具にあたるもので、
営業上の良いケース、悪いケースを 「事例」と呼び、
このグループでは全社員で共有しています。
司会の方から、
再修理の事例では、
まず「申し訳ございません」から入る、など、
お客さんにどう接客していくかが、
整然と説明されていきます。
これは、野球でいうなら、
ランナー一塁の時にショートが
どうベースカバーするのかというような、
基本プレイの確認なんだと思います。
(体育会系たとえ終わり) |
司会 |
では、各店の状況です。 |
ここからは、北陸、東海、九州、関東などなど、
各エリアの各店鋪からの自己報告コーナーです。 「富山、本日の目標、
お預かり●件、売り上げ▲円です。」
とか、 「掛川、本日の目標、
お預かり●件、売り上げ▲円に変更します。」
とか、延々続きます。
同時に、昨日起こったトラブルなども、
あわせて報告されます。
「数字」と「事例」の効率良い連絡になってます。
なんといいますか、
まとめてタクシー無線を聞いている気分といいますか、
ラジオで「気象通報」と「ズームイン朝!」を
聞いている気分といいますか、
これは相当マニアックな番組です。
あ、朝礼でした。 |
鈴木 |
今日はみんな静かだな。 |
平日は、もっとうるさいようです。
魚市場のセリのように進行してるんでしょうか。
ただ、みなさん電話会議慣れしてるから、
一人ひとりの声がはっきり聞こえるんですね。
日頃の訓練だと思います。
本部から、ソニーのビデオカメラの
とある部品が無いか、
全店へ問い合わせが入りました。
応答無し、どうぞ。
ここで、第一部クライマックスが訪れます。 |
本部 |
3Q十訓! |
全員 |
3Q十訓! |
本部 |
3Qマンは、 |
全員 |
3Qマンは、 |
本部 |
地域の人に愛されるよう努めます! |
全員 |
地域の人に愛されるよう努めます! |
サイバーコンセント、ミスターコンセントの大元締め、
3Qグループの十訓から
今日はその一つが唱和されました。 |
司会 |
鈴木さん、キャンペーンのほうお願いします。 |
あ、鈴木さんがマイクを握ってます。
第2部のはじまりです。
まず、現在実施中の販促キャンペーンで、
昨日ポイントあげた人が各店個人名で紹介されていきます。
次々に、人の名前と数字。 |
鈴木 |
各地区の申告残について、聞いていきます。 |
全国の各店長の呼び出しがはじまりました。
まず、目標数字と現状の数字が読み上げられ、 |
鈴木 |
この差をどうやって詰めていきますか? |
出ました。
「数字詰め」です!
「269、あと33、2、429・・・」
鈴木部長によると、
このシーンでは「感情を入れちゃうとダメ」だそうです。
数字と他店の事例を引き合いに出して、
淡々と詰めていくというスタイルでした。
そして、全国の店長の「目標への詰め」の報告が、
具体的でしたねえ。
あまり詳しいことはここに書けませんが。
ビジネスの現場で働く「ほぼ日」読者のみなさま、
この「詰められるほうの恐れとおののき」、
おわかりいただけますよね。
スリリングであります。 |
鈴木 |
関東地区は、
西葛西の内山店長にがんばっていただいて・・・、 |
うわ、先日お会いした内山店長!
「がんばれー」と、
69乗組員もその時、心の中で叫んだそうです。
鈴木部長による各店への「詰め」終了。
そして、やおら締めの言葉が。 |
司会 |
今日も一日ぃい〜、
(ひと呼吸おいて)
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全員 |
スマァアーイルですっ!!!
(朝礼終わり) |
きっと「今日も一日笑顔です」という
意味なんだと思います。
「なんて言ってたんですか?」と
鈴木部長に聞くのも野暮ですし、
夢が壊れそうなんでやめときました。
「腸もいちいちスマップです!」
では無かったと思います。
そう信じたいです。
ちなみに鈴木部長は、
語尾の「ですっ!!」しか言ってませんでした。
(密告です)
約15分ぐらいで朝礼、いやTCSは終了しました。
学校時代の朝礼と言えば、
全員起立姿勢で
校長先生の長過ぎる話に
倒れる生徒が出るのが相場でしたが、
こちらは電話ですから、
朝礼中にコーヒー飲んでても、
パソコンをいじっていても、全然オッケーなんです。
ただ、気持ちを集中してないと、
詰められますから、
より大人な世界観がここにはあります。
そして、このTCSについて、
鈴木部長にさらなるヒアリングに入ったのでした。 |