感心力がビジネスを変える! 田中宏和が、 感心して探求する感心なページ。 |
世に「デザイナー」という職業があることは、 みなさんご承知だと思います。 おもむろに書き出してみました、 年賀状以来の「ほぼ日」出没の 田中宏和でございます。 昨今では、 「デザイナー住宅」といって、 デザイナーばかりが、うようよ暮らしている住まいが 人気なわけです。 うそですけど。 で、しかも「住宅」に比べ、 「デザイナー住宅」は、坪単価が高い。 これは、ほんとです。 つまり、少々値段が高くても、 デザインが良いほうを選ぶという態度の人が 増えていることは確からしいわけです。 デザインというものの価値は上がっている一方で、 「デザイナーとは何をする人か」ということは、 あまり知られていないような気がします。 だいたいの人が「デザイナー」と聞いて、 まず思い浮かべるのは、 テレビでよく見かける、 「個性的」で「感性のするどい人」の代表みたいな 役回りのファッションデザイナーだったり、 芸大か美大を出て何かと絵を描くのが仕事の 「水森亜土みたいな人」ぐらいの印象しか、 みなさんお持ちじゃないんじゃないかと思うわけです。 人がデザインについてどんなことを思っているのか、 そんな一端を知れる調査結果を紹介する 渡り船なサイトがありましたので、 ご案内したいと思います。 演歌のサイトではありませんからね。念のため。 Gマークで有名なグッドデザイン賞が行った 「あなたにとって デザインとは何ですか?」アンケートです。 まず、 「あなたがデザインに関して 強く興味を持っている 商品等のジャンルを挙げてください」との質問。 第1位は圧倒的に「乗用車」、 ついで椅子からインテリア全般に至る 「家具・インテリア」。 第3位の「パソコン・周辺器機」以下、 「家電」「携帯電話」「住宅」の順で続きます。 ま、どれも高額商品の部類に入ります。 また、こんないい質問もしてるんですよ。 「あなたにとってセクシーなデザインとは?」 いいぞ、グッドデザイン大賞事務局! まじめなアンケートにお色気混ぜましたね。 気になる結果ですが、 1位「自動車」、2位「衣類」ふむふむ、 3位「コカ・コーラのボトル」なるほどねえ、 4位「下着」・・・。 こらこら、「下着」ってどういうことや。 “下着のデザインがセクシーなんじゃなくて、 下着を見る場がセクシーなんやろがーっ!“ と声を荒げたくなりますが、 「セクシーデザインの原型は下着」と 頭にメモしておこうと思います。 アンケートの詳しい結果は、 こちらで見られます。 (PDFというファイル形式での閲覧ですので、 アプリケーションをお持ちでない方は ダウンロードしてみてください) さて、何をこう長々と書き連ねているかというと、 今回の感心力の矛先、 って狙っちゃ失礼ですね、 今回の感心力の対象であるところの、 佐藤卓さんをご紹介するためであります。
「ほぼ日」ゆかりの佐藤卓さんの仕事と言えば、 『GUEST&ME』をご存じの ベテラン読者の方も多いはずです。 佐藤さんは 「グラフィックデザイナー」という肩書きですが、 中でも商品のパッケージデザインで みなさんにおなじみの数々を創り出されています。 そのあれこれはこちら。 つまり、先ほどご紹介したアンケートにあったような、 車やインテリアといった 「デザインたっぷり入れときましたで」的な 商品ジャンルではなく、 日用品と言えるジャンルで 大衆を相手にデザインの力によって 商品の個性をつくってきた人なわけです。 わたくしにとっては、 『GUEST&ME』の開発以来、 商品開発や パッケージデザイン関連で困ったことがあれば、 駆け込み寺のように 佐藤卓さんに相談してしまうわけです。 世に「デザイナー」というひとは、 自称も含めてあまた存在するのですが、 佐藤卓さんほど、 まるで科学者なデザイナーを わたくしは知りません。 圧倒的な好奇心の熱量をはたらかせ、 頭の芯を強くこするようにものを考え、 ひとを「あっ!」と驚かせるアイデアを生み出す。 エレガントな仕事っぷりなんです。 わたくしにとっては、 いわば、「あっ!」と感心したいがために、 佐藤さんに仕事をお願いするようなものなのです。 聞けば、この5月に東京の銀座で 個展を開催されるとのこと。 これはこの機会にたっぷりお話をうかがって、 わたくしが仕事柄いただいている感心を みなさまにお配りしたいと思ったしだいです。 (次回、金曜日から、本格的にはじまります!) |
2004-04-19-MON
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