感心力がビジネスを変える!
田中宏和が、
感心して探求する感心なページ。



第四回
デザイン力が日常を変える



佐藤 日常の中でも、
会社の中でね、
書類一つとったって、
そういう会社の中で回ってる書類をね、
何かもうちょっと無駄なく
便利にできないだろうか、とか
考えられますよね。
田中 それは、もう立派に
「デザインをすること」ですものね。
そうやって、自分でもデザインで
なにかを変えていけるんだと思えると、
希望がわきますね。
佐藤 うん、そうそうそうそう。
それは誰だってできるじゃないですか。
「システムをちょっと考えてやろうかな」なんて、
そんなもの考えて提案したらね、
それが使いやすかったらね、
もう、会社の中で偉い人になります。
問題を解決してくれるやつになりますよ。
で、そんなことの積み重ねで、
自分の周りの環境って
良くなってっちゃうって気がしますよね。
田中 デザインは、
なにかと環境改善の万能薬ですね。
佐藤 だから、仕事以外にも、
たとえば事務所のドアの開け閉めが
うるせぇと思ったらね、
「うるせぇ!静かに閉めろ!」って
言うんじゃなくて、
だれが閉めてもうるさくならないように、
あのドアをするためには
どうしたらいいんだろうか、
って考えるっていうね(笑)。
それはもうプロダクトや音のデザインですよね。
だからもう、山ほど身の周りに、
デザインで解決するチャンスって、あるように思う。
たとえば仕事場の照明だって、よく考えてみたら、
「この照明でいいのかな?」ってことになりますよ。
照明のことなんか考えてる人って、
あんまりいないじゃないですか、職場で。
「俺が考えてやろう」って思えば、
「蛍光灯の色を変えていいですか?」って、
会社に言ったっていいわけだし。
田中 主婦にも役立ちますよね。
家の、ちょっと模様替えっていうのも、
デザインですものね(笑)。
佐藤 そう、なんかこう、文句言うっていうことは、
そこにチャンスがあるっていうことですよね。
不満に思ってるわけだから。
「なぜ?どうして?」っていう、
「なんでこうなの?」っていう、
不満でもあるわけですよね。
もっといい方法があるだろう、とか、
そこには何か解決する方法があるかもしれない、と。
そんなところから考えると、
すべての人が、
そうやってクリエーターであるべきだと
思いません?
田中 うん、そう思いますね。
問題解決業っていうふうにすると、
今までの職業分類的な人の並びと違う、
新しい人の並びが見えてきますよね。
営業マンもお医者さんもデザイナーも同じで、
そこで問われるのは、
やっぱりクリエイティビティですもんね。
佐藤 そうそう、政治家だってそうですよね。
アイデアを出すって限りは。
昔、お役所仕事っていう言い方が
あったじゃないですか。
同じことを、
考えもしないで繰り返すっていう意味で。
でも、そういう現場においてもね、
もっと速くしてやろう、
もっと無駄なくしてやる方法ないだろうかな、
って考えたら、それはクリエイティブだよね(笑)。
同じことをもっと無駄なく速く、
もっと楽をしようと考えたら、
それにはアイデアが必要でね。
考えれば出てくるじゃないですか。
だって、楽をしてやろうっていうのも、
ひとつのチャンスだもんね。
だから、お役所仕事を徹底的にやったら、
それはもう、ほんとにクリエイティブですよね。
そうやって考えてくとね、
もう全てのことが、
面白いんじゃないの。
田中 佐藤さんを一日市長にする自治体が
出てほしいですね(笑)。
でも、あまりお役所仕事を速くすると、
仕事が無くなる人が出てきそうですけど。
そういう、気持ちの持ち方や働き方の見方で、
自分の仕事の質が変わりますもんね。

ワンポイント考察

もうすべての人が
潜在的デザイナーなんじゃないかと思いますね。
たとえば、
リビングの模様替えで、
家族が仲が良くなったとしたら、
それを行ったお母さんは、
人間関係デザイナーなのであります。

まずは、佐藤さんが、
辻占いのように、
街角に座ってですね、
「あなたの悩みをデザインで解決します」って、
やって欲しいですよね。
デザイナーから
人生のリフォーム業へ、ですよ。

毎日を生きることで、
人は知らず知らずのうちに
間違ったデザインをしてるってことが
ありそうですよね。、
目覚まし時計をベットの左に置いているがために、
遅刻がやめられないとか。

デザイン視点で生活を見つめなおすと、
いろいろ発見がありそうですね。

2004-05-03-MON

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