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Lesson31 伝える
自分のことをわかってもらえない。
もっとうまく自分を表現したい。
そんな人は多いようです。では、もし、
すべて伝えることができたら、
自分の全部をわかってくれたら、
あなたは、そこで何をしようと思いますか？
伝えることが、うんと、うまくなった果てに、
どう？ なりたい。
今日は、ちょとだけ、それを考えてみましょうか。
それ無しには、伝える技術を磨いても、
むなしいから。
まず、３日ほど、時計を戻して、
クリスマス、あなたは
何を感じ、どんな風に過ごしましたか？
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寂しい人
ああ、よかった。
なんとか一緒に過ごす人、確保！
イブの夜に、ひとりでいるなんて寂しいもの。
いや、それより、
イブの夜に、ひとりでいるって、
寂しい人だと、人から思われるのがイヤだもん。
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１２月２４日、４：００ｐｍ．
私は、新宿東口を歩いていました。
人のそうめん流し状態と言えるほど、
ものすごい混みよう。
すれ違う人々に目を向けたら。
若いカップルでした。
手をつなぎ。
次も…、その次も…、次も次も…、
まさか、そんな。いや、その次も、そのまた次も…。
ものすごい…、次も、つぎも…
その列は、某デパートまで、途切れることなく。
デパートのアクセサリー売り場は、
真っ黒。
つまり、ショーケースが、人で見えないまで
黒っぽい冬服のカップルが押し寄せていました。
親の世代にはクリスマスを祝う習慣がなく。
私がこどものころは、家族で祝うもので、
それがいつ頃からか、
恋人のための一大イベントデーとなっていました。
世界的にも珍しい解釈です。
恋人のためのクリスマス、仕掛け人たちは、
さまざまな音楽や、ドラマを生み、
時の力で、日本の恋人たちを解放したかったのでしょうか？
だとしたら、大成功です。
でも、
恋人と過ごせるかどうか？
その、ただ一つのモノサシの中で、
淋しがったり、
見栄をはったり、
つらがったりした人がいたとすれば、
それは、ちょっと窮屈なことかもしれません。
その窮屈な檻に閉じ込めているのは自分で、
カギなどかかってはいない。
そこから自由になるにはどうしたらいいと思いますか？
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祈る人
今日はミサに参加しました。
人のために祈れる、これは人間のすごいところです。
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１２月２４日６：００ｐｍ．
クリスチャンではない私が、
なぜか、教会のミサに出ていました。
大勢の、祈る人がいました。
「祈り」は、小論文の目で見たとき、
根本思想を変える、とか、整える
というような役割をもつのではないかと思います。
「伝える」
ということで言えば、
イエスは大切なことを伝えたくて、
伝わって、この２０００年です。
２０００年、ほろびないメッセージなど、
いったい今、どんなメディアが放てるのでしょうか？
やっぱりエゴを離れた表現の強さに打たれ、
表現力の向上と、自分の欲得とを
ついセットで考える自分が
ちっちぇー、つまんねぇー
と思えました。
そう思ったら目頭がツンとしました。
一生消えないエゴですが、
でもシュミレーションは出来ます。
もし、あなたが伝えたいことが、
あなたの地位の向上にも、
金にも、人気にも結びつかないとしたら、
それでも伝えたいことがありますか？
それはなんでしょうか？
それを伝えて、どうしたい？
どうなれば、あなたの心は満足でしょうか？
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喜ぶ人
今日は静岡の大学生に
クリスマスディナーを届けに行きました。
すごく楽しかったですうー。
あんなふうに素直に喜んでもらえると
来てよかったなあって思えますよね、ほんとに。
おそらく一生忘れることはないと思いますもん。
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１２月２４日、９：００ｐｍ．
ほぼ日の編集部がある鼠穴ビルに
邪魔してました。
読者にプレゼントを配っていた自転車部隊が、
次々に帰ってくる。
あれ？ みんなにプレゼントを届けて来たはずなのに、
荷物が増えているのはなぜ？
プレゼントをもらった人が、歓んで、
メッセンジャーに
メッセージやお土産をことづけているからだ
とわかりました。
かばんから、ことづけを取り出す
メッセンジャーの表情から、
外のようすが見て取れます。
自転車部隊の１７歳の少年が、
転んで、顔におおきなガーゼを張っていました。
鼠穴のスタッフの人たちは、中継をしたり、
料理をつくったり、
ゲストをもてなしたりで、
休む暇なく働いています。
すべて淡々としています。
みんな多くは語りません。
帰る時、
玄関まで見送ってくれたスタッフは、
ほぼ日の年越し部隊だと言いました。
すごくいい笑顔でした。
新宿、ミサ、鼠穴。
三つの光景から、クリスマスを計る、
もうひとつのモノサシが見えてきました。
自分がいる位置や、
自分の表現の限界点も。
来年は、そっからもっと自由になりたいなあ。
クリスマス、
あなたは、だれに、何を伝えましたか？
ではまた２００１年にお会いしましょう。
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