Lesson942
101の決心
2019-10-23
「実力60の自分が、
実力100の相手に勝てるわけない」
と、あきらめるのは、早い。
表現の世界で、下克上はある!
ダントツでチカラがあって、
みんなから、一目も、二目も、おかれていて、
「絶対あの人が1番だ」と言われていた人が、勝てない。
かわりに、それまで目立たなかった、
それゆえ、みんなからノーマークだった人が、
彗星のごとく輝いて、1番になる、
そんなことが、表現の世界では、ある。
そんな時、実力100の人は、
「どうして私が、あんな人に負けるんだ?!
私の方が圧倒的に優れている。」
と悔しがり、こんなふうに腐ってしまうことさえある。
「まわりは、みんな、見る目のない馬鹿ばっかり。
低俗で、ミーハーで、幼稚で、
優れた内容も、高度な技術も、わからないんだ。」
でも、本当に人の心を揺さぶるものは何か?
実力100の人の、手抜きの70に、人は感動しない。
一方、実力60の人が、自己ベスト60を出しきって、
さらにその先へ、殻を破り、全身全霊で、
限界突破、61に迫るとき、
表現が咲く。
見る人は、心を揺さぶられ、
魂を解き放たれるように、感動する。
人は、「うまい」ものを見たいんじゃない、
それよりは、「勇気」のようなもの。
人間が勇気を持って、
潜在力まで目覚めさせる勢いで、咲くところを
見たいんだと思う。
だから、たとえ村上春樹のような文豪と、
同じ場で表現しなければならなくなった人がいたとしても、
「自分が表現することに何の意味もない」
と、絶望する必要はない。
意味はある。
どんな実力の人も、いまの自分として、
咲くことはできる。
人を感動させる可能性だって充分ある。
実力60の人は、
100の人が視野にいたら、
それだけでへこんだり、劣等感をもったりしがちだ。
でも苦しいようで、実は楽しいのはその時期だと思う。
全力が引き出される環境にいる幸せ。
実力60が、実力100と競うには、
全力60出しきって挑み続けるしかない。
常に自己ベストが引き出され、
おまけに潜在力まで覚醒する。
なにしろ、ありあまる「伸びしろ」がある。
60を61に、と表現が咲く。
次は62、63‥‥と、どんどん殻を破って進んで行ける。
そういう時、人は、輝いている。
一方で、
ズバ抜けてデキる、実力100の人が、
全力ださなくても、85点くらい出しておけば、
つねに、そこでは余裕で1番になれる環境にいて、
それでも、
毎回、自己ベストの全力100を出しきるというのは、
めちゃめちゃストイックでないと難しい。
さらに、その先、101を目指すのは恐ろしく厳しい。
100に来るまでに、
凄まじい努力を積み上げて、完成に近づいている。
伸びしろが少ない。
かといって、いったん壊して進むもうにも、
完成度は積みあがっていて、あまりにももったいない。
そんな時期に、
自分よりはるかに実力が劣ると思える60の人が、
脚光を浴びたり、自分より評価されたりしていると、
「世間は見る目のない馬鹿ばっかり‥‥」、
と、腐ってしまっても無理はない。
「まわりは見る目のない馬鹿ばっかり‥‥」
そうかもしれない。
でも、本当にそうか。
まわりは、案外ちゃんと見ている、
肌で、心で、感じている、
私にはそう思えてならない。
まわりは、実は、こう思っている。
「この中で、ダントツ、あなたが1番うまいのは、
よくわかっている。」
「でも、」
「だからこそ、」
「あなたなら、もっとできるのではないか?」
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●「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
無料で聴けます。
聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
(MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
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ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!
▲『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。
『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!
『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
――山田ズーニー。
▲『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。
『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!
▲文庫版でました!
あなたの表現がここからはじまる!
『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)
ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/
おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。
「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!
『考えるシート』文庫版、出ました。
『話すチカラをつくる本』
三笠書房
NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。
『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫
自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!
『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社
『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社
『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書
内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)
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