アズーリにべったり密着50日!
フランコさんは特別なスポーツ記者なんだぜ。

仙台は大パニック!?

こんにちは、フランコです。
僕の最初の記事をたくさんの方が読んでくださったと聞き
とても嬉しく思っています!
メールもたくさんいただきました。どうもありがとう。
ミッチャンさんという女性からのメールで
「日本語が上手ですね!」と褒めていただきましたが
いいえ、僕は日本語、まったく書けません。
この原稿は僕がイタリア語で書いたものを
僕の友人が、日本語に翻訳してくれているのです。
ちなみに、いただいたメールは、口頭で英語に訳してもらって
聞いているんですよ。
 
さて、今回のお話は、アズーリの選手がとっている
「食事」のこと、それから前回の
“例の件”についての続報です!
写真も撮ってきましたので、ご覧ください。

チームドクター、
日本食を禁止する!

刺身、寿司、味噌汁の何一つとして
胃に悪いわけではないことをよく知っている
日本びいきの僕ですが(といいつつ刺身は苦手)、
それでも、オリーブオイルたっぷり、
パルミジャーノチーズどっさりの
スパゲティやピッツァの方が
やっぱりいいなあ……と思います。
(ナポリ風ならなお良いです。)
 
アズーリの選手達はどうでしょう?
 
イタリアのチームドクターは選手達に
「伝統的な日本食を食べることを禁止します」
と言い渡しました。
普段食べているイタリア料理の方が
選手達にとって良いはずだと信じているからです。
 
28日、「街の料理店で、決して日本食を食べません」
と約束をさせられたあと、
アズーリの選手達は何時間か仙台の繁華街を
散歩したり買い物したりする自由時間を与えられました。
駅前にはトッティが現れ、
ヨドバシカメラでカンナヴァーロが買い物をしたりして、
街は一時大混乱になってしまいました。
サインや写真を求める何百人もの少年少女が人垣をつくり
このイタリア代表の二人のセクシーな選手を追いかけ、
引き止めたおかげで、彼らはチームドクターとの約束どおり
日本食を試食するなんて時間は、まったくとれませんでした。

↑フランチェスコ・トッティは、
現在日本人ギャルのセックスシンボルですが、
今回のワールドカップでは、セックスシンボルを超えた
一番のスター選手になるでしょう。
(5/30、仙台スタジアムにてベガルタ仙台アンダー20
との練習試合の後)

チームドクターがそう命じたのは、
万が一の食中毒を警戒している訳ではありません。
選手達の繊細な消化器官を心配しているのです。
アズーリの選手達は若く、健康で、
羨ましい程の体つきをしていますが、
じつは、皆、とても繊細です。
肉体的にも精神的にもデリケートなのです。
それはまるでF1のマシンのようにも思えるほどに。

たとえば、フィアット、アルファ・ロメオのマシンは強く、
頑強ですよね。トヨタ、ニッサンも同じです。
でも、それは一般のイタリア人、日本人のお話。
一般人がフィアットやニッサンのマシンだとすれば、
トッティやヴィエリのような選手は
フェラーリのような存在なのです。
フィアットやアルファ・ロメオに比べて
より速く、より力強いのですが、壊れやすいんですね。
つまり、ほんの些細なことでも(おいしい日本食ですら!)
彼らをノックアウトするには充分だという
可能性があるのです。
 
もし一般の人が風邪を引いたとしても、
平気で仕事をすることが出来るでしょう。
(僕も、できます!)
しかし、もしサッカー選手が風邪を引いてしまったら?
彼らのことをよく知っているチームドクターにかかって、
薬を処方してもらって、
たっぷりと休息を取らなくてはいけません。
なぜなら、彼らの身体は試合で
『100%』機能しなければならないからです。
 
「技術的に完璧でなくとも、
 体調を完璧にすることはできる」
これがトラパットーニ監督の望みです。

↑ブッフォンの背番号は1でゴールキーパー。
最も若いアズーリのメンバーです。
そして、フランコはジャーナリストナンバーワンオールドです。
(5/30、仙台スタジアムにてベガルタ仙台アンダー20
との練習試合の後)


恋人達が
イタリアからやってくる!

アズーリの選手達、日本での最初の何日かは、
順調ではありませんでした。
時差ボケで眠れないものだから、
プレステやDVDなど、
色々なことをして夜を過ごした選手もいました。
(前回書いたように、エロチックな夢は記憶の引き出しへ。
 でも何かが起こったのかもしれないけどね…?)
 
前回僕が書いた
「茶室でゲイシャがマッサージ」
という勘違いの話ですけれど、やっぱりみんな
(というのはサッカー選手もジャーナリストも
 普通の観光客も、イタリア人はみんなっていう意味です)
いまだにセンセーショナルに勘違いしたままみたいです。
仙台には「ゲイシャ・ハウス」があるらしい
(名前からして違います。お茶屋や料亭のことでしょうね)。
そこは官能的な快楽・性的なもてなしの空間らしい
(もちろん、ちがいます!)。
誰も、お茶屋や料亭が、
日本の伝統に触れる為のものだとは
考えていないみたいです。やれやれ……
 
でも、そんな妄想はもうおしまいです。
だって、選手達にはこんな朗報が飛び込んできたのですから。
トラパットーニ監督が、少しの時間だけ、
フィアンセや妻や恋人達の訪問を許可したのです!
もう何日かで到着する彼女達を待って
アズーリの選手達は、いま、
かなりウキウキしているみたいですよ。
(ガッカリしてる選手もいたりしてね……?)


翻訳協力=加藤正之

2002-05-31-FRI

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