フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

まるで60年代イタリア、
フェリーニの世界?!
トッティの「甘い生活」。


プレイは良くないわ、
対戦相手に平手打ちを食わせるわ、
「彼」のチームであるローマは
カンピオナート終了の数週前になって
セリエBに降格の危機にあるわ、
プライベートな人生まで
デリケートな局面を迎えているという、
さんざんな目に遭っている選手がいます。

なんとそれはフランチェスコ・トッティです。
彼は今、ピッチ上でよりむしろ外で話題になっており、
彼の「かっこ良さ」も、
サッカーとは何の関係もない状態です。

トッティが悪いのか、女優がしたたかなのか?


トッティと婚約者のイラリーの結婚は
間近にせまっていて、
8月には赤ちゃんも生まれる予定です。
この事はテレビや新聞でも発表されています。
イラリーといえば、日韓W杯の時には、
仙台の高級なホテルに泊まっていましたっけ。
アズーリに内緒でトッティが
夜な夜な彼女を訪れていたことは、
イタリア敗退の理由のひとつだったと
言う人もいましたっけ。

そんなイラリーとの大々的な結婚報道があったというのに、
トッティの最近の数カ月の振舞いは、
サッカーの別格な選手というよりは
「恋多きラテン男」だったようです。
だって、ここへ来て、婚約者のイラリーが
「結婚はやめる」と言い出すほど激怒するような記事を、
ある週刊誌が掲載したのですから。
──女優のフラヴィア・ヴェントが、
トッティと忘れ難い愛の時を過ごしたと、
その記事の中で告白したのです。

若く美しいイラリーは、
もちろん裏切られたと感じたでしょう。
おそろしい復讐をしそうな気配さえあります。
これは「自由すぎる時間」を持ったトッティが陥った、
「お定まり」の結果なのでしょうか?
未来の花嫁であるイラリーは、
結婚式に招待する友人たちのリストのことや、
引き出物やボンボン入れなどの買い物など、
結婚の準備に夢中で、
トッティを放っておいたようですからね。

一方で、フラヴィア・ヴェントが
トッティへの彼女の愛を告白したのは
宣伝のためでしかないと断言する人もいます。
雑誌に写真が載れば、
何か次の映画で彼女を大女優のするような
役柄に抜てきしてくれる映画プロデューサーが、
現れないとも限りませんからね。


さらに元彼女が告白を‥‥!


ローマのキャプテンであるフランチェスコ・トッティが、
そのフラヴィア・ヴェントと過ごしたとされる夜について、
ローマとその周辺ではティフォーゾたちの様々な意見が、
つぎつぎと鬼ごっこのように出ています。
いまや、大騒ぎなのです。

その上さらに、
週刊誌「Gente(ジェンテ)」も、
ある記事を発表しました。
こちらは、トッティの元彼女の告白です。
彼女は、イタリアのテレビで視聴率の高い番組のひとつで、
くじの番号を引いて発表する司会者をしています。
その「ラブストーリー」で、
(ここでは、真偽のほどは置いておくとして)
ローマのキャプテンでアズーリの名高い一員でもある
トッティの結婚にまつわる雑音を、
ますます騒々しいものにしてしまいました。
この結婚のことも、イラリーが8月には出産して
トッティに息子を与えるであろうことも、
テレビで発表されているのに、です。
そしてローマの周辺では、
この事にたいする様々な憶測が、
もっと絶望的な憶測を呼んでいます。
いわく、フランチェスコ・トッティの「裏切り」
(これも、まだ「憶測」ですよ)

まず、このまま無事に結婚できるのか? と、
さまざまな憶測が飛び交っていますね。
ローマのティフォーゾたちが愛情をこめて
「Pupone(プポーネ=大きな赤ちゃん)」と呼ぶ
トッティが、キャプテンでありながら
ピッチの上でイライラしているのは、
明らかに彼の家庭的な平和が乱される不安からきていると。

‥‥トッティだから大騒ぎになるのです。
トッティの夜の数々は他のサッカー選手たちだって
同じようにしていることで、
べつに特に「個性的」なわけではないでしょう。

それが大スキャンダルになって、
ローマの街は、まるで60年代初頭、
このイタリアの首都が「甘い生活」の街であると、
その映画を通して世界に知れ渡った時代に、
戻ったかのようなにぎわいです。

トラステベレというおしゃれな所にある
有名な店での夕食でもすれば、
サッカー選手や、自分の宣伝をねらう若い女優や、
成功を夢見る歌手などと隣合わせるチャンスも
少なくありません。

ピッチ上のトッティも、危ういか。


でも、そういった「恋の騒動」とは別に、
ローマのティフォーゾが確信しつつあることが、
ひとつあります。
このローマのキャプテンのトッティは、
ピッチ上であれ外であれ、
もうチームの手綱をとれる状態では
ないかもしれない、と。

不安がひたひたと、
curva sudに押し寄せているのでしょうか?

つまり、ティフォーゾたちは
curva sud(クールヴァ スド=南カーブ)
と呼ばれるゴール裏の席に、
いつものように陣取って旗を振ったり
発煙筒をたいたりしながらも、
トッティが神経質なのを見抜いて不安なのです。
トッティは多くのスキャンダルなどのせいで、
ローマを去るのではないか? と。
そう、これがティフォーゾたちの抱いている
「もっと絶望的な憶測」である「トッティの裏切り」です。

フラヴィア・ヴェントとの、
この小さなラブストーリーが、次のメルカートに
予想を越えた刺激を与える恐れがあります。
実際、イラリーはフランチェスコ・トッティを
美しいフラヴィアから遠ざけるために、
どこか他の街に住もうとしているようにも見えますから。


訳者のひとこと
「据え膳喰わぬは男の恥」という
ことでしょうかぁ?
ベッカムの騒動もありましたね。
イラリーさんにはお気の毒な気が
しないでもありませんが、
自分で選んだ相手だし・・・
Puponeねえ、ママが必要なんでしょう。
翻訳/イラスト=酒井うらら

2005-05-09-MON

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