フランコさんのイタリア通信。 |
カンピオナートの結果は? まず最初に、ちょっとサッカーから離れた話題をひとつ。 みなさんはヴァレンティーノ・ロッシを ご存知でしょうか。 最初はホンダで、後にヤマハで、 数々の世界タイトルを勝ち取った ロード・レース・ライダーです。 しかし、彼の見るからに優秀そうで 好感の持てるきれいな顔や、 世界タイトルの偉業をしても、 イタリア人たちの批判を減らすのには 充分ではなかったようです。 なぜでしょう? それは新聞各紙やテレビ各局が、 彼にはイタリア国家に未払いの税金が たっぷり1億2千万ユーロあることを 明らかにしてしまったからです。 ここ数年、彼はロンドンに住んでいますが、 だからといってイタリアの法律は法律、 しっかり払うべし、ということなのです。 彼の忠実で熱狂的なティフォーゾたちは いま、この話題で持ちきりですが、 もっとおおごととしてとらえているのは 彼をここ数年で裕福にしたスポンサーたちです。 たとえばFastwebという、 遠距離通信や光ファイバーによる 有料テレビの企業を経営管理する会社は、 長年イメージキャラクターをしてきた ヴァレンティーノとの契約を、 破棄することも考えているようです。
さて。バレンティーノは別としても、 イタリアのスポーツ界はバカンスの後、 通常な活動を再開しており、 サッカーの話題も 新聞やテレビ番組を埋め始めています。 イタリアのティフォーゾたちを 多いにやきもきさせたカルチョ・メルカートですが、 どうも期待ほどのことはありませんでした。 偉大なチャンピオンたちは、 結局イタリアにやって来ませんでしたからね。 エトー、メッシ、ロナウジーニョらはバルセロナに残り、 トレスはイギリスに、グロッソはフランスに行きました。 それでもレアル・マドリードが、 カッサーノをサンプドーリアへ、 エマーソンをACミランへ帰すことを承認しましたので、 まったく動きが無かったというのでもありません。 イタリアのチーム内での動きもいくつかありました。 スアゾがカリアリからインテルへ、 キヴーがASローマからインテルへ動いた事で、 チームのテクニック面の変化が多少あったでしょうか。 全体的に見ると、 カンピオナートでの唯一の大きな話題は、 ローマのミラノへの巻き返し、つまり、 ASローマのACミランとインテルへの巻き返しが 期待できるという事でしょう。 ティフォーゾの数ではイタリア随一の ユヴェントスがセリエAへもどりましたが、 今期のスクデットをかけて闘うのは、まだ無理でしょう。
ASローマの巻き返しは、もう始まっています。 まず最初の公式なゲームは スーペルコッパ・イタリアーナでした。 これは昨年度のスクデットを勝ち取ったチームと コッパ・イタリアの優勝チームが対戦する選手権です。 つまり今回はインテル対ASローマの対戦でしたが、 8月19日にサン・シーロ競技場で行われ、 PKによるデ・ロッシのゴールで、 ASローマがインテルを破りました。 ASローマは昨年のカンピオナートでは インテルに次いで2位でしたが、 今年はより上を目指しています。 キヴーを手放しましたが、 ジュアン、ジュリー、チチーニョを購入しています。 今期もインテルが優勝候補と見なされている カンピオナートであれ、 去る5月にACミランが優勝した チャンピオンズ・リーグであれ、 ASローマは負けじとねらっています。 昨年にインテルが38試合で97点という 点数の新記録をたたき出して、 カンピオナートに優勝した時の煩わしさは、 もはや無いはずです。 新たなスタートです。 たぶん今年は、サッカーを愛するイタリア人たちが、 より楽しめるだろう‥‥と、ぼくは思うのですが‥‥。
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2007-08-28-TUE
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