フランコさんのイタリア通信。
アズーリにいちばん近いイタリア人の生活と意見。

愛の告白をするならば。


今日は、ちょっとサッカーをそれますが、
人生の中で大切な「愛の告白」にまつわるお話です。

ひとつの愛が生まれる時に、あんがい難しい、
いや、たぶん最も難しいのが「愛の告白」でしょう。
「あなたを愛しています」、このひとこと、
自分の思いをはっきりと口にすることは、
もちろん相手も待っているに違いなくても、
この言葉は、いわば求愛の最終地点ですからね。

「愛している」と言う時には、
待つべき答えは常にひとつ
「私も、あなたを愛しています」です。
男性から告白すると限ったことではありません。
女性から告白することもあるでしょう。
どちらからの告白でも、
欲しい答えはこれひとつです。

こうして世界は前に進むのです。
男と女がいるかぎり。

「愛している」は魔法の言葉です。
そしてもし返事が「私も愛しています」であれば、
それは人間が過ごすことのできる
最も素晴らしい夢の始まりです。

にもかかわらず、「愛している」と言うことは
簡単どころかむしろ最も難しいことです。
みなさんも経験がおありでしょう。
現代の若者たちは朝から晩まで、そして晩から朝まで、
インターネット内を自由に航海していようとも、
携帯電話やiPodを駆使していようとも、
それらが存在すらしなかった昔の若者たちより
もっとシャイだと、ぼくは感じています。

franco

世界でもっともロマンティックな場所は?

現在の若者たちは携帯メールを
ひんぱんに利用しているようですが、
本当の愛の物語を始めるには、
携帯電話にディスプレイされる言葉だけでは足りません。
自分自身の言葉が必要不可欠です。

さて、先日ミラノで開かれた「世界旅行博」で、
大変に面白い発見がありました。

夢にまで見た人の瞳を見つめ、
「愛してる」と感動のためにかすれた声で囁くにふさわしい、
最もロマンティックな場所の順位が発表されていました。

愛していると言うには、ふさわしい雰囲気が必要であり、
環境そのものがロマンティックな気分を盛り上げてくれる、
そんな場所が手助けをしてくれるというのです。

とりわけロマンティックな気分にさせてくれる場所、
自分の愛の告白をしやすくしてくれる街の中に、
イタリアの都市が、じつに3つも入っていました。

イタリア以外では、パリのエッフェル塔と
ロンドンの大観覧車がノミネートされています。

エッフェル塔

ロンドン観覧車

そしてイタリアで最もロマンティックな場所といえば、
ヴェネツィアが入っていないわけはありません。

毎年多くの外国人がヴェネツィアを訪れ、
大運河をゴンドラで観光し、サン・マルコ広場を散策し、
オープンカフェに腰をおろして一方に海を眺め、
もう一方に広場を取り囲む素晴らしい建物を見れば、
もっとも美しい感情、愛にむかって魂が解き放たれます。

ヴェネツィア

ヴェネツィアでは世界中のどんな場所でよりも楽に、
「愛している」と言えることでしょう。

そしてローマにはトレビの泉があります。

トレビの泉

映画「甘い生活」では、まさにここで、
最高にセクシーなアニタ・エクバーグが
マルチェロ・マストロヤンニを、
一瞬で彼を虜にし夢中にさせました。
このシーンで、トレビの泉の人気は
さらに高まりました。

甘い生活

さらに、フィレンツェのミケランジェロ広場があります。
ここから見渡せるフィレンツェの完璧に美しいパノラマ‥‥
最も気高く詩的な言葉が、
この眺めにうながされ、ほとばしるでしょう。

フィレンツェ

親愛なる日本のみなさん、
「Aishiteru(愛してる)」の言葉を決めたい時には
イタリアにいらっしゃい。
あなた方の友人であるフランコ・ロッシが
お薦めいたします。

訳者のひとこと

はい、なにも異論はございません。
ついでにイタリア語で言えば、
日本語で言うよりも照れずに言えます。
「Ti amo. ティ アーモ」です。
酒井うららからの、お薦めでした。

urara

翻訳/イラスト=酒井うらら

2008-02-26-TUE

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